ー特別編ーVS不死鳥プロジェクト
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
おれはすぐそこ(店先)までイクミを見送った。
暗くなった西口の繁華街を、白いブラウスと紺のスカートが遠ざかっていく。
おれは思うんだが、肌を露出すればそれでバカな男たちが引っ掛かってくると、若い女は単純に思い込み過ぎているんじゃないだろうか。
ときには人の逆をやってみる。
イクミのようにまったく肌をださずにクラブにいったら、案外男達に囲まれるかもしれないだろ?
おれがやさしく新古典派の組曲にあわせて手を振っていると、背中から声がかかった。
「なんだい、ゆうはまじめそうな子が好みかい。「二十四の瞳」の高峰秀子みたいじゃないか。リッカ、アンタも少しはおしとやかにしな。」
「お母さん頼むから黙っててマジで。」
振り向いたらリッカとリッカのお袋さんが睨みあっている。
それと…コウイチが立っていた。
サングラスをはずしてやつはいう。
「この顔じゃ呼び込みは無理だから休めっていわれまして。まあ、火の鳥このかた、お見合いパブは毎日暇だからいいんですけど」
チンピラに殴られたコウイチの左目のまわりには、青いあざが浮いていた。
周辺は気持ちの悪い黄色。やつはリッカのおふくろさんに深々と頭を下げていった。
「兄貴の彼女のおかあさま道案内をさせてしまって、申し訳ありません。新しく舎弟になりました庄司光一です。よろしくお願いいたします。」
ヤクザかこいつは…おれは即座にいった。
「まて、コラ。誰が誰の彼女だ?」
コウイチはピシッと姿勢を正していった。
まるでゴム人形だ。
「兄貴とリッカ姐さんですよ。聞きましたよ。お二人は池袋一の名探偵コンビで付き合ってるって。」
どこの大バカから聞いたのかを問い質したかった。
「悠くん。蹴りいれていい?」
「怪我人だ一回目は多目に見てやれ。」
おれも一発ぶん殴ってやろうかと思ったが気が変わった。
この男は西口の風俗店で働いているのだ。
なにか情報を引き出せるかもしれない。
それにおれは一人では入りにくい場所を確かめてみたくもあった。
「コウイチ、ちょっと顔を貸してくれ。」
リッカのおふくろさんがいった。
「また人助けかい。店番も熱心にやってくれるし、ゆうはいい男だねぇ。私の旦那そっくりだ。」
苦笑いするおれ。
リッカが顔をしぶめていった。
「お母さん…お願い、お願いだから。黙って。喋らないで」
「アンタはうるさい娘だねぇ。」
リッカのおふくろさんの口調は厳しかったが、コウイチのせいで気分は悪くなかったらしい。
ひとつ三百円もする店先のふじをとって、やつの胸元に投げた。
「そいつはうまいリンゴだよ。頼りになる兄貴分だ、しっかりゆうを勉強しな」
コウイチはまた頭をさげた。
「はい」
「いい子だ」
任侠映画のような展開はなんなのだ。
おれはうなずき合う二人をあとにして、西口公園に向かおうとした。
リッカがいった。
「お願いあたしも連れてって。あの間抜け二人と一緒にしないで…」
暗くなった西口の繁華街を、白いブラウスと紺のスカートが遠ざかっていく。
おれは思うんだが、肌を露出すればそれでバカな男たちが引っ掛かってくると、若い女は単純に思い込み過ぎているんじゃないだろうか。
ときには人の逆をやってみる。
イクミのようにまったく肌をださずにクラブにいったら、案外男達に囲まれるかもしれないだろ?
おれがやさしく新古典派の組曲にあわせて手を振っていると、背中から声がかかった。
「なんだい、ゆうはまじめそうな子が好みかい。「二十四の瞳」の高峰秀子みたいじゃないか。リッカ、アンタも少しはおしとやかにしな。」
「お母さん頼むから黙っててマジで。」
振り向いたらリッカとリッカのお袋さんが睨みあっている。
それと…コウイチが立っていた。
サングラスをはずしてやつはいう。
「この顔じゃ呼び込みは無理だから休めっていわれまして。まあ、火の鳥このかた、お見合いパブは毎日暇だからいいんですけど」
チンピラに殴られたコウイチの左目のまわりには、青いあざが浮いていた。
周辺は気持ちの悪い黄色。やつはリッカのおふくろさんに深々と頭を下げていった。
「兄貴の彼女のおかあさま道案内をさせてしまって、申し訳ありません。新しく舎弟になりました庄司光一です。よろしくお願いいたします。」
ヤクザかこいつは…おれは即座にいった。
「まて、コラ。誰が誰の彼女だ?」
コウイチはピシッと姿勢を正していった。
まるでゴム人形だ。
「兄貴とリッカ姐さんですよ。聞きましたよ。お二人は池袋一の名探偵コンビで付き合ってるって。」
どこの大バカから聞いたのかを問い質したかった。
「悠くん。蹴りいれていい?」
「怪我人だ一回目は多目に見てやれ。」
おれも一発ぶん殴ってやろうかと思ったが気が変わった。
この男は西口の風俗店で働いているのだ。
なにか情報を引き出せるかもしれない。
それにおれは一人では入りにくい場所を確かめてみたくもあった。
「コウイチ、ちょっと顔を貸してくれ。」
リッカのおふくろさんがいった。
「また人助けかい。店番も熱心にやってくれるし、ゆうはいい男だねぇ。私の旦那そっくりだ。」
苦笑いするおれ。
リッカが顔をしぶめていった。
「お母さん…お願い、お願いだから。黙って。喋らないで」
「アンタはうるさい娘だねぇ。」
リッカのおふくろさんの口調は厳しかったが、コウイチのせいで気分は悪くなかったらしい。
ひとつ三百円もする店先のふじをとって、やつの胸元に投げた。
「そいつはうまいリンゴだよ。頼りになる兄貴分だ、しっかりゆうを勉強しな」
コウイチはまた頭をさげた。
「はい」
「いい子だ」
任侠映画のような展開はなんなのだ。
おれはうなずき合う二人をあとにして、西口公園に向かおうとした。
リッカがいった。
「お願いあたしも連れてって。あの間抜け二人と一緒にしないで…」