ー特別編ーVS不死鳥プロジェクト
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白いブラウスに紺のミディ丈のフレアスカート。
セミロングの黒髪には、白いリボン。
池袋ではめったに見かけない清純派。
ぺこりと頭をさげて、女はいう。
「これ、ブーレーズが指揮したCDですよね。」
びっくりして、うなずいた。
曲名がわかるやつはいても、指揮者が誰か気にする人間は西一番街にはまずいない。
そのときかかっていたのは、ピエール・ブーレーズがBBC交響楽団を指揮した名盤だった。
女はふっくらと笑っていう。
「このあとにはいってる『プルチネラ』、わたしも大好きです。あなたが小鳥遊悠さんと宗方六花さんですね。いつもクラシックが流れてる果物屋さんで働いているってきいたんです。わたし、瀬沼郁美、城北音大のピアノ科二年。あの……」
どうりで、どこかの小学校の音楽教師のにおいがするわけだった。
黙り込んだイクミにいった。
「おれかリッカを探しにきたんなら、なにか困ってるんだろ。」
リッカが店の奥にパイプ椅子を開いていった。
「できるか、できないかはわからないけど、話してみたらどう?」
イクミは居心地悪そうに浅く腰かけている。
「お願いっていうのは、うちのお姉ちゃんのことなんです。カズミちゃんは同じ大学のピアノ科四年生なんですけど、最近大学にも顔をだしていなくて、それでいいにくいんですけど、ホストクラブにはまってしまったみたいで……」
風俗の女たちばかりでなく、遊びなれていない大学生やOLがホストクラブにはまるのはよくある話だった。
おれは鼻でため息をついていった。
「それでバカみたいな借金ができた。あのさ、そういうのは親に話して、さっさとケリをつけた方がいいぞ。あいだに弁護士を入れれば、ツケだって安くなるし。そのカズミちゃんもいい授業料になる。」
イクミはいやいやをするように首を横に振った。
「ダメなんです。カズミちゃんは部屋を飛び出してしまって、噂では池袋の風俗にいるらしいんだけど……」
なんで話がそこまで進むのか、おれには理解不能だった。
これはおれの頭が悪いせいじゃないよな?
リッカが聞いた。
「えーと、頭痛くなってきたね。どうして、ホストクラブから風俗になんかいったの。もっとホスト遊びの金が必要だったのかな。」
良かった。
どうやらリッカも理解不能だったみたいだ。
『火の鳥』は魔王カスチェイの謇属のダンスになった。
ストラヴィンスキーお得意の原始のリズムが炸裂する。
なぁ、やっぱりチャイコフスキーよりこっちの方が断然かっこいいよな。
「クラブの人にきいたら、もうお店には借金はないというんです。うちの店にはもう関係ないって」
おれがいった。
「そのホストクラブの名前は?」
「西三番街にある『ブラックスワン』、男の人は大輝っていう人でした。」
なんだか救われない話しになってきた。
おれは一度、目を閉じて聞いた。
セミロングの黒髪には、白いリボン。
池袋ではめったに見かけない清純派。
ぺこりと頭をさげて、女はいう。
「これ、ブーレーズが指揮したCDですよね。」
びっくりして、うなずいた。
曲名がわかるやつはいても、指揮者が誰か気にする人間は西一番街にはまずいない。
そのときかかっていたのは、ピエール・ブーレーズがBBC交響楽団を指揮した名盤だった。
女はふっくらと笑っていう。
「このあとにはいってる『プルチネラ』、わたしも大好きです。あなたが小鳥遊悠さんと宗方六花さんですね。いつもクラシックが流れてる果物屋さんで働いているってきいたんです。わたし、瀬沼郁美、城北音大のピアノ科二年。あの……」
どうりで、どこかの小学校の音楽教師のにおいがするわけだった。
黙り込んだイクミにいった。
「おれかリッカを探しにきたんなら、なにか困ってるんだろ。」
リッカが店の奥にパイプ椅子を開いていった。
「できるか、できないかはわからないけど、話してみたらどう?」
イクミは居心地悪そうに浅く腰かけている。
「お願いっていうのは、うちのお姉ちゃんのことなんです。カズミちゃんは同じ大学のピアノ科四年生なんですけど、最近大学にも顔をだしていなくて、それでいいにくいんですけど、ホストクラブにはまってしまったみたいで……」
風俗の女たちばかりでなく、遊びなれていない大学生やOLがホストクラブにはまるのはよくある話だった。
おれは鼻でため息をついていった。
「それでバカみたいな借金ができた。あのさ、そういうのは親に話して、さっさとケリをつけた方がいいぞ。あいだに弁護士を入れれば、ツケだって安くなるし。そのカズミちゃんもいい授業料になる。」
イクミはいやいやをするように首を横に振った。
「ダメなんです。カズミちゃんは部屋を飛び出してしまって、噂では池袋の風俗にいるらしいんだけど……」
なんで話がそこまで進むのか、おれには理解不能だった。
これはおれの頭が悪いせいじゃないよな?
リッカが聞いた。
「えーと、頭痛くなってきたね。どうして、ホストクラブから風俗になんかいったの。もっとホスト遊びの金が必要だったのかな。」
良かった。
どうやらリッカも理解不能だったみたいだ。
『火の鳥』は魔王カスチェイの謇属のダンスになった。
ストラヴィンスキーお得意の原始のリズムが炸裂する。
なぁ、やっぱりチャイコフスキーよりこっちの方が断然かっこいいよな。
「クラブの人にきいたら、もうお店には借金はないというんです。うちの店にはもう関係ないって」
おれがいった。
「そのホストクラブの名前は?」
「西三番街にある『ブラックスワン』、男の人は大輝っていう人でした。」
なんだか救われない話しになってきた。
おれは一度、目を閉じて聞いた。