ー特別編ーVS不死鳥プロジェクト
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「勘弁してくれよ。おれは学生。つまりアンタの方が年上だ。」
「年下でもその凄味と落ち着きに憧れました!!」
頭が痛くなってきた。
「あのなぁ…はぁ、おれは最近西一番街でやってる果物屋に顔出してるから、暇なら遊びに来てもいいけど、弟分なんていらないからな。」
コウイチの左頬は腫れあがり始めていた。
元気よく頭を下げて、やつはいった。
「じゃあ、今度遊びに行かせてもらいます。兄貴」
背中に鳥肌が立った。
イヌヅカのような遊び的な兄貴発言じゃなくガチの兄貴発言…
おれは基本的に東映ヤクザ映画もモデルになった本職のやつらも大嫌いだ。
「兄貴はやめろ。早く店にもどって、顔冷やした方がいいぞ。」
おれはそのまま、半分空っぽになった西口風俗街を流していった。
その十分間がコウイチとおれの出会いだった。
やつにとっては運が良かったのか、悪かったのか分からない。
あの時おれがいなければ、豊島開発の下っ端に何発か殴られただろうが、それだけで終わったはずだ。
おれの周りにいたせいで、やつは取り返しのつかないような痛い目にあったのだから。
なぁ…、なにが幸運でなにが不幸か、それは空をいく小鳥の軌跡ののように定かじゃないよな。
アンタにも先にいっとくぜ?
どんなにいい奴に見えてもそいつの背中には疫病神や死神が着いているかも知れない。
だから付き合う相手はちゃんと選んだほうがいいおれみたいなのは死神も疫病神も悪魔も寄せちゃうからな…
不死鳥会の会合は月二回。
夕方六時からだ。
おれはリッカ店に顔をだした。
学校に行く気はないくせに果物屋のただ働きはやるんだからおかしいよな。
「うぃっす。」
CDラジカセのかけようとしているリッカがいった。
上は珍しくタンクトップじゃなくノースリーブで襟元もゆるい薄い水色のブラウスにいつもの光を反射する素材のシルバープリーツスカートだ。
「あ、悠くん。どっち?」
右手にははたき、左手はフルーツを指さす。
働きか買い物かをきいているのだろう。
おれはこっちといってはたきを持って、リンゴのくぼみについているホコリをパタパタと払い始める。
「悠君も暇だよねー。」
CDラジカセからはストラヴィンスキーの『火の鳥』が流れてきた。
『火の鳥』は二十世紀ロシアの天才の出世作
。二十七歳のときに初めて書いたバレエ曲だ。
暗いおとぎ話のような音楽だが、あちこちにやけた精密で野蛮なリズムがのぞいている。
それはまるで、この街に飛んできた不死鳥そのものだった。
治安回復の名のもとに執行される暴力と緻密な作戦計画。
まあ、この街の様子を見れば、ストランヴィスキーや藤原妹紅だってあきれるだろうがな。
客がこないのでリッカと一緒に音楽に耳を澄ませながら話していると、店のまえに見たことない若い女が立った。
「年下でもその凄味と落ち着きに憧れました!!」
頭が痛くなってきた。
「あのなぁ…はぁ、おれは最近西一番街でやってる果物屋に顔出してるから、暇なら遊びに来てもいいけど、弟分なんていらないからな。」
コウイチの左頬は腫れあがり始めていた。
元気よく頭を下げて、やつはいった。
「じゃあ、今度遊びに行かせてもらいます。兄貴」
背中に鳥肌が立った。
イヌヅカのような遊び的な兄貴発言じゃなくガチの兄貴発言…
おれは基本的に東映ヤクザ映画もモデルになった本職のやつらも大嫌いだ。
「兄貴はやめろ。早く店にもどって、顔冷やした方がいいぞ。」
おれはそのまま、半分空っぽになった西口風俗街を流していった。
その十分間がコウイチとおれの出会いだった。
やつにとっては運が良かったのか、悪かったのか分からない。
あの時おれがいなければ、豊島開発の下っ端に何発か殴られただろうが、それだけで終わったはずだ。
おれの周りにいたせいで、やつは取り返しのつかないような痛い目にあったのだから。
なぁ…、なにが幸運でなにが不幸か、それは空をいく小鳥の軌跡ののように定かじゃないよな。
アンタにも先にいっとくぜ?
どんなにいい奴に見えてもそいつの背中には疫病神や死神が着いているかも知れない。
だから付き合う相手はちゃんと選んだほうがいいおれみたいなのは死神も疫病神も悪魔も寄せちゃうからな…
不死鳥会の会合は月二回。
夕方六時からだ。
おれはリッカ店に顔をだした。
学校に行く気はないくせに果物屋のただ働きはやるんだからおかしいよな。
「うぃっす。」
CDラジカセのかけようとしているリッカがいった。
上は珍しくタンクトップじゃなくノースリーブで襟元もゆるい薄い水色のブラウスにいつもの光を反射する素材のシルバープリーツスカートだ。
「あ、悠くん。どっち?」
右手にははたき、左手はフルーツを指さす。
働きか買い物かをきいているのだろう。
おれはこっちといってはたきを持って、リンゴのくぼみについているホコリをパタパタと払い始める。
「悠君も暇だよねー。」
CDラジカセからはストラヴィンスキーの『火の鳥』が流れてきた。
『火の鳥』は二十世紀ロシアの天才の出世作
。二十七歳のときに初めて書いたバレエ曲だ。
暗いおとぎ話のような音楽だが、あちこちにやけた精密で野蛮なリズムがのぞいている。
それはまるで、この街に飛んできた不死鳥そのものだった。
治安回復の名のもとに執行される暴力と緻密な作戦計画。
まあ、この街の様子を見れば、ストランヴィスキーや藤原妹紅だってあきれるだろうがな。
客がこないのでリッカと一緒に音楽に耳を澄ませながら話していると、店のまえに見たことない若い女が立った。