ー特別編ーVS不死鳥プロジェクト
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電話はワンコールで繋がった。
「あ、拳二。おれ悠。」
拳二は電話の向こうでめいいっぱい息を吐き出しながらいった。
『すっ……はあぁぁぁぁっ…。おう。今飲んでるんだがお前も来ないか。』
タバコ臭さが受話口から漂ってきて、煙が流れ出てきそうだ。
「また、こんどな。それより、お前豊島開発の社長と交流あるよな。」
拳二はゲラゲラと下品に大笑いしていった。
『当たり前だろ。今、そこの専務と飲んでるところだ。なんなら代わってやろうか。』
ベストタイミングだ。
脳筋ゴリラもたまには役に立つ。
おれは頼むといって代わってもらい名乗った。
耳元でしゃがれた声が鳴る。
『アンタが小鳥遊さんか。放火のときは世話になった。』
おれが大きな組の集会に出たのは放火騒ぎでタカシに連れられて鵬庵にいった一度だけ。
するとこの専務はあの集会に参加していたことになる。
「いいや、そんなことより頼みがある。」
おれは手短に西三番街で起きているもめ事を話した。
わかったと専務は言う。
「どうぞ。」
携帯電話を革のブルゾンにさし出した。
ちいさな電話を耳に当てると、小柄な男は中腰になった。
お辞儀しそうな勢いでいう。
「はい……はい、わかりました……はい、すぐに収めますから。」
電話を切ると、おれに携帯を戻した。
黒シャツは何が起きたのかまるでわからないようだった。
革のブルゾンがいった。
「アンタが小鳥遊悠か。名前は聞いてる。売り出し中の若いもんなんだってな。うちの田沢専務がよろしくといっていた。さぁ、いくぞ」
若い黒シャツはまだ暴れたりないようだった。
「でも、兄貴。こいつ、このままでいいんですか」
ブルゾンが腹の底から声を出した。
「いいから、こい!!」
池袋西口の風俗街の半分をもつ豊島開発のチンピラ二人、常盤通りのほうにさっていった。
なんだ、つまらない。
そんな顔して、野次馬たちも散っていく。
白シャツのガキがおれのところにやってきて、勢いよく頭をさげた。
「おれ、庄司光一です。あぶないところをありがとうございました。小鳥遊さんっていうんですよね。すごくカッコよかったです。」
おれは面とむかってほめられるのが苦手だ。
なんだか尻がかゆくなる。
「はいはい、じゃあな」
ガキは必死になっていった。
「ちょ、待ってください!」
「んだよ…」
「おれあそこのビルのお見合いパブで働いているんですけど、店長は逃げちゃうし、仲間もみんなシカトでした」
斜め前にある風俗ビルを見上げた。
七階建てのうち五フロア分がテナント募集中。
新しい条例では、違法な風俗店に場所を貸したオーナーにも罰則があるのだ。
危なすぎて家主も簡単に箱を貸せない。
お見合いパブ「男と女のマッチング」は三階だった。
「おれ、池袋に来たばかりで、何も知らないんです。小鳥遊さんの弟分にしてもらえませんか。」
ひっくり返りそうになった。
おれはヤクザでもチーマーでもない。
ただの善良な学生だ。
「あ、拳二。おれ悠。」
拳二は電話の向こうでめいいっぱい息を吐き出しながらいった。
『すっ……はあぁぁぁぁっ…。おう。今飲んでるんだがお前も来ないか。』
タバコ臭さが受話口から漂ってきて、煙が流れ出てきそうだ。
「また、こんどな。それより、お前豊島開発の社長と交流あるよな。」
拳二はゲラゲラと下品に大笑いしていった。
『当たり前だろ。今、そこの専務と飲んでるところだ。なんなら代わってやろうか。』
ベストタイミングだ。
脳筋ゴリラもたまには役に立つ。
おれは頼むといって代わってもらい名乗った。
耳元でしゃがれた声が鳴る。
『アンタが小鳥遊さんか。放火のときは世話になった。』
おれが大きな組の集会に出たのは放火騒ぎでタカシに連れられて鵬庵にいった一度だけ。
するとこの専務はあの集会に参加していたことになる。
「いいや、そんなことより頼みがある。」
おれは手短に西三番街で起きているもめ事を話した。
わかったと専務は言う。
「どうぞ。」
携帯電話を革のブルゾンにさし出した。
ちいさな電話を耳に当てると、小柄な男は中腰になった。
お辞儀しそうな勢いでいう。
「はい……はい、わかりました……はい、すぐに収めますから。」
電話を切ると、おれに携帯を戻した。
黒シャツは何が起きたのかまるでわからないようだった。
革のブルゾンがいった。
「アンタが小鳥遊悠か。名前は聞いてる。売り出し中の若いもんなんだってな。うちの田沢専務がよろしくといっていた。さぁ、いくぞ」
若い黒シャツはまだ暴れたりないようだった。
「でも、兄貴。こいつ、このままでいいんですか」
ブルゾンが腹の底から声を出した。
「いいから、こい!!」
池袋西口の風俗街の半分をもつ豊島開発のチンピラ二人、常盤通りのほうにさっていった。
なんだ、つまらない。
そんな顔して、野次馬たちも散っていく。
白シャツのガキがおれのところにやってきて、勢いよく頭をさげた。
「おれ、庄司光一です。あぶないところをありがとうございました。小鳥遊さんっていうんですよね。すごくカッコよかったです。」
おれは面とむかってほめられるのが苦手だ。
なんだか尻がかゆくなる。
「はいはい、じゃあな」
ガキは必死になっていった。
「ちょ、待ってください!」
「んだよ…」
「おれあそこのビルのお見合いパブで働いているんですけど、店長は逃げちゃうし、仲間もみんなシカトでした」
斜め前にある風俗ビルを見上げた。
七階建てのうち五フロア分がテナント募集中。
新しい条例では、違法な風俗店に場所を貸したオーナーにも罰則があるのだ。
危なすぎて家主も簡単に箱を貸せない。
お見合いパブ「男と女のマッチング」は三階だった。
「おれ、池袋に来たばかりで、何も知らないんです。小鳥遊さんの弟分にしてもらえませんか。」
ひっくり返りそうになった。
おれはヤクザでもチーマーでもない。
ただの善良な学生だ。