ー特別編ーVS不死鳥プロジェクト
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そこは西三番街の路地裏だった。
闘路よりはやや手前で表街道よりは半ば…つまりグレーゾーンの箇所だ。
白いシャツにボウタイのガキが二人組の男に絡まれていた。
「お前…ここがどこだかわかってんのか」
本職のほうの一人は、黒いスーツに黒シャツ。
オールバックに金の鎖。
身体はアメフトのガードほどある。
そいつがガキの胸ぐらをつかんでいた。
「(きっと縄張りの巡回中に客と間違われて声をかけたんだな。)」
ヤクザは面子がすべてだ。
おのぼりさんと見なされたら、誰でも瞬間的に頭に血が昇る。
白シャツが震えながらいった。
「いえ、そちらに声をかけたわけじゃないんです。向こうにいたお客さんに声をかけただけで……すみません。気に障ったら、ほんとうにあやまりますから。」
黒いスーツの後ろに立っていた小柄な革のブルゾンがさびた声で言う。
「だから、どうした。お前は池袋でしのいでいて、豊島開発の俺たちを知らないのか。」
見ればすぐにあの手の人間だとはわかるが、おれにだって奴らがどこの組織の人間かなんてわからなかった。
「豊島開発か…」
あそこなら好都合だった。
奴らも別にこんなガキから金をとろうとしているわけではないだろう。
いきなり黒シャツが握りこぶしで、ガキの顔を殴った。
ゴツンっと鈍い音がする。
「聞いてるのかぁコラ!!」
二発目の拳が振りあがった瞬間俺は人の輪を離れ、一歩まえに踏み出した。
低姿勢で声をかける。
「そのくらいで勘弁してやってくださいよ。人違いをしただけじゃないですか。」
ガキの胸元を離して、黒シャツが肩を怒らせおれのほうに向きなおった。
「なんだ…お前、誰に向かって口きいてんだ」
おれは伊達や酔狂で池袋をうろついてるわけじゃない。
ヤクザの脅しには慣れっこだった。
「別に理由なんかないですけどね…。こんなところで騒ぎを起こしたら、カラスだってやってくるかもしれない。それじゃなくとも、取り締まりが厳しいんだから」
カラスは警察のこと。
また黒シャツがなにかわめこうとした。
ちいさなブルゾンがやつをとめて、おれにいった。
「お前、若いが稼業もんか。どこの組織だ。」
目がマジだ座っている。
おっかない。
おれはSウルフのメンバーでもないし、ましてや暴力団になど爪先立ってはいったことはない。
だいたいこんなファッショナブルでイケメンのヤクザがどこにいるというのだ。
「どこの組織にも関係ないです。でも、そちらになら、知り合いがいます。ちょっと電話するから、話してみてくださいよ。ここは丸く収めたほうがいい。だって今は不死鳥の最中じゃないですか。」
あの火の鳥はいつ誰に飛んでくるのか分からないのだ。
尻のポケットから携帯を抜いて、若き成功ヤクザ兼中学の(一応)センパイの瓦屋拳二の番号を選んだ。
あのテラスモーカーなら手っ取り早いだろう。
闘路よりはやや手前で表街道よりは半ば…つまりグレーゾーンの箇所だ。
白いシャツにボウタイのガキが二人組の男に絡まれていた。
「お前…ここがどこだかわかってんのか」
本職のほうの一人は、黒いスーツに黒シャツ。
オールバックに金の鎖。
身体はアメフトのガードほどある。
そいつがガキの胸ぐらをつかんでいた。
「(きっと縄張りの巡回中に客と間違われて声をかけたんだな。)」
ヤクザは面子がすべてだ。
おのぼりさんと見なされたら、誰でも瞬間的に頭に血が昇る。
白シャツが震えながらいった。
「いえ、そちらに声をかけたわけじゃないんです。向こうにいたお客さんに声をかけただけで……すみません。気に障ったら、ほんとうにあやまりますから。」
黒いスーツの後ろに立っていた小柄な革のブルゾンがさびた声で言う。
「だから、どうした。お前は池袋でしのいでいて、豊島開発の俺たちを知らないのか。」
見ればすぐにあの手の人間だとはわかるが、おれにだって奴らがどこの組織の人間かなんてわからなかった。
「豊島開発か…」
あそこなら好都合だった。
奴らも別にこんなガキから金をとろうとしているわけではないだろう。
いきなり黒シャツが握りこぶしで、ガキの顔を殴った。
ゴツンっと鈍い音がする。
「聞いてるのかぁコラ!!」
二発目の拳が振りあがった瞬間俺は人の輪を離れ、一歩まえに踏み出した。
低姿勢で声をかける。
「そのくらいで勘弁してやってくださいよ。人違いをしただけじゃないですか。」
ガキの胸元を離して、黒シャツが肩を怒らせおれのほうに向きなおった。
「なんだ…お前、誰に向かって口きいてんだ」
おれは伊達や酔狂で池袋をうろついてるわけじゃない。
ヤクザの脅しには慣れっこだった。
「別に理由なんかないですけどね…。こんなところで騒ぎを起こしたら、カラスだってやってくるかもしれない。それじゃなくとも、取り締まりが厳しいんだから」
カラスは警察のこと。
また黒シャツがなにかわめこうとした。
ちいさなブルゾンがやつをとめて、おれにいった。
「お前、若いが稼業もんか。どこの組織だ。」
目がマジだ座っている。
おっかない。
おれはSウルフのメンバーでもないし、ましてや暴力団になど爪先立ってはいったことはない。
だいたいこんなファッショナブルでイケメンのヤクザがどこにいるというのだ。
「どこの組織にも関係ないです。でも、そちらになら、知り合いがいます。ちょっと電話するから、話してみてくださいよ。ここは丸く収めたほうがいい。だって今は不死鳥の最中じゃないですか。」
あの火の鳥はいつ誰に飛んでくるのか分からないのだ。
尻のポケットから携帯を抜いて、若き成功ヤクザ兼中学の(一応)センパイの瓦屋拳二の番号を選んだ。
あのテラスモーカーなら手っ取り早いだろう。