ー特別編ースカウトマン・セレナーデ
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それから段ボール箱にコピー用紙の束やコンピュータやDVDがつめこまれていった。
分業制でどんどん運びだされていく。この事務所ではペーパーワークなどほとんどしていなかったようだ。
一番多いのはDVDだった。Sウルフは撮影用の機材やダビング器機も根こそぎさらっていった。
あらかたの資料が運ばれて、リバティラインの事務所が妙に広くなったころ入口付近で男が叫んだ。
「なんじゃ、こりゃあ!」
松田優作か、お前。
声に遅れて、黒いスーツの中年男ががに股で入ってくる。
事故にでもあったのだろうか。
おかしな角度で肩が下がっていた。意識が戻ってふて腐れ気味に倒れてる大浦が、男に叫んだ。
「宇佐美さん、こいつらを、なんとかしてくださいよ」
万年若衆は誰にともなくすごんで見せる。
「おい、どいつが頭だ。この事務所が紀流会のシマだと、わかってるのか」
タカシは肩をすくめた。
小さな声で俺にいった。
「めんどくさいから、やっちゃおか」
俺は笑って王様をとめた。やっと俺の出番なのだ。
尻もちにいう。
「すみませんが、紀流会の宇佐美さんですよね。今回は話がこじれてるんです。うちの尻もちと話をしてもらえませんか?」
俺は携帯を抜いて、拳二の番号を探した。
中年ヤクザの目が不安げに揺れる。
「そっちの裏はどこのどいつだ。」
「関東賛和会一ノ瀬組本部長代行、瓦谷拳二。俺の中学の先輩だ。」
宇佐美は頭をかいて、天井を見た。
「一ノ瀬組の瓦谷さんか。じゃあ、アンタが小鳥遊悠か…。おれ、ちょっと用、思い出したわ。大浦、お前あんまり無茶すんじゃないぞ。」
ヤクザは精一杯背中で虚勢を張って、事務所をでていった。
崇とタイチ、残されたSウルフで腹がよじれるほど笑った。
大浦は毎月金を払ってるのにと、口の中でぶつぶつ呟いている。
最後の荷物が運びだされたのは、それから二十分後のことだった。
…………
その夜、ラスタラブでおれたちは手分けして、DVDの中身を確認していった。
うんざりするほどたくさんの裸の女たちを見た。
そうでない男もいるかも知れないが、俺の場合涙や恐怖にひきつる表情は、まるでセクシーには感じられず、見るのが苦痛以外のなにものでもなかった。
長いほうのDVDを見つけたのはタイチで、俺達はリバティラインから運んできた機材をつかい、警察に送るためのDVDをつくった。
もうしのぶに迷いはない。被害届とこのDVDがあれば、即座に池袋署は動くだろう。
もうひとつ、動かしたいのはマスコミで、俺達はダビングに苦労してたので、途中から禅を呼び出して任せた。
レイプされた女たちの映像をつなぎあわせた。プロ用の編集機の便利なところは、いくらでもモザイクが入れられるとこで、俺達は性器はそのままにして、顔にだけモザイクをかけたのである。
いつものAVとは反対だ。
吐き気のするようなハイライト集ができあがったのは明け方だった。
あとはマスコミ各社にリバティラインの会社案内とともに送るだけである。
「おーし、皆お疲れさまー!」
俺がテンション高めに叫ぶと作業をしていた皆も叫んで手をあげた。
「とりあえず…寝るぞー!」
「「「おー!」」」
崇はソファーで優雅に、タイチと梓、紅に澪と並んで俺達は倒れる様に眠りについた秋の朝、俺はしみじみと誓った。
もうこれからは一生裏ビデオは見ない。あんなに憎たらしかったモザイクが、ひどく恋しく思えたのだ。
人間隠しておいたほうが、いい部分はあるよな?
分業制でどんどん運びだされていく。この事務所ではペーパーワークなどほとんどしていなかったようだ。
一番多いのはDVDだった。Sウルフは撮影用の機材やダビング器機も根こそぎさらっていった。
あらかたの資料が運ばれて、リバティラインの事務所が妙に広くなったころ入口付近で男が叫んだ。
「なんじゃ、こりゃあ!」
松田優作か、お前。
声に遅れて、黒いスーツの中年男ががに股で入ってくる。
事故にでもあったのだろうか。
おかしな角度で肩が下がっていた。意識が戻ってふて腐れ気味に倒れてる大浦が、男に叫んだ。
「宇佐美さん、こいつらを、なんとかしてくださいよ」
万年若衆は誰にともなくすごんで見せる。
「おい、どいつが頭だ。この事務所が紀流会のシマだと、わかってるのか」
タカシは肩をすくめた。
小さな声で俺にいった。
「めんどくさいから、やっちゃおか」
俺は笑って王様をとめた。やっと俺の出番なのだ。
尻もちにいう。
「すみませんが、紀流会の宇佐美さんですよね。今回は話がこじれてるんです。うちの尻もちと話をしてもらえませんか?」
俺は携帯を抜いて、拳二の番号を探した。
中年ヤクザの目が不安げに揺れる。
「そっちの裏はどこのどいつだ。」
「関東賛和会一ノ瀬組本部長代行、瓦谷拳二。俺の中学の先輩だ。」
宇佐美は頭をかいて、天井を見た。
「一ノ瀬組の瓦谷さんか。じゃあ、アンタが小鳥遊悠か…。おれ、ちょっと用、思い出したわ。大浦、お前あんまり無茶すんじゃないぞ。」
ヤクザは精一杯背中で虚勢を張って、事務所をでていった。
崇とタイチ、残されたSウルフで腹がよじれるほど笑った。
大浦は毎月金を払ってるのにと、口の中でぶつぶつ呟いている。
最後の荷物が運びだされたのは、それから二十分後のことだった。
…………
その夜、ラスタラブでおれたちは手分けして、DVDの中身を確認していった。
うんざりするほどたくさんの裸の女たちを見た。
そうでない男もいるかも知れないが、俺の場合涙や恐怖にひきつる表情は、まるでセクシーには感じられず、見るのが苦痛以外のなにものでもなかった。
長いほうのDVDを見つけたのはタイチで、俺達はリバティラインから運んできた機材をつかい、警察に送るためのDVDをつくった。
もうしのぶに迷いはない。被害届とこのDVDがあれば、即座に池袋署は動くだろう。
もうひとつ、動かしたいのはマスコミで、俺達はダビングに苦労してたので、途中から禅を呼び出して任せた。
レイプされた女たちの映像をつなぎあわせた。プロ用の編集機の便利なところは、いくらでもモザイクが入れられるとこで、俺達は性器はそのままにして、顔にだけモザイクをかけたのである。
いつものAVとは反対だ。
吐き気のするようなハイライト集ができあがったのは明け方だった。
あとはマスコミ各社にリバティラインの会社案内とともに送るだけである。
「おーし、皆お疲れさまー!」
俺がテンション高めに叫ぶと作業をしていた皆も叫んで手をあげた。
「とりあえず…寝るぞー!」
「「「おー!」」」
崇はソファーで優雅に、タイチと梓、紅に澪と並んで俺達は倒れる様に眠りについた秋の朝、俺はしみじみと誓った。
もうこれからは一生裏ビデオは見ない。あんなに憎たらしかったモザイクが、ひどく恋しく思えたのだ。
人間隠しておいたほうが、いい部分はあるよな?