事務所の代表は携帯を耳にあてながら叫んだ。

「お前ら、なにやってるんだ。こいつらを放りだせ！」

両腕を押さえていた男が1人。女の足には1人ずつ。

あとはジーンズをおろして尻をだしている男が1人。社員はそこには四人だけしかいなかった。

駐車場でまえのめりになっていたアフロが、女の手首を離してそばにいた紅に飛びかかった。

「調子に乗るなー！」

リッカが助走をつけると、軽々と宙を翔んだ。
後頭部にきれいにドロップキックがはいる。

「うぉ…」

俺はプロレス中継でなく、素人があれほど高くあの技を決めたのを初めてみた。見事な物だ。

「ぐぎゃ？！」

アフロは汚い悲鳴をあげてそのまま壁につっこんで動きを止めた。

「まず、1人～♪」

天音がうしろでに重ねた両手首にプラスチックのコードをとおし、パチリと止める。

残る3人の男たちも無惨なものだった。

尻を出していた男は立ち上がると同時に紅がバットの柄で打ち上げて、仰向けに倒れ動かなくなり。

足を押さえてた2人は立ち上がる前に梓と澪に叩き潰された。

床に押さえ付けて手首と足首をコードで縛っていく。
もっと闘う気力を見せたのは、最初のアフロだけだった。男たちは戦意を失って羊の様に床に転がされた。

女を襲ってるところに踏み込まれて、何がなんだかわからなかったのかもしれない。

セックスは恋と同じように、人を盲目にする。

「ほら、大丈夫か？アンタも、もう行きな。」

出番のなかった俺は裸の女に服を渡してやった。

急いで身に付け部屋をでていった。去り際にてにしたハイヒールのかかとで、アフロの頭をおもいっきり殴っていく。

チリチリの髪のあいだから、少しだけ血が流れたようだが誰も気にする奴はいなかった。

大浦は震えて背中を壁に張り付いている。
あのビデオとは大違いの声でいった。

「お前ら、何者だ！うちの尻もちが紀流会だとわかって、こんなことやってるのか。あとでみんなえらいことになるぞ！」

タカシがニコリと笑った。怖い…

まっすぐにやつのほうにむかった。虫でも払うような軽い手の動きだった。

裏拳がたるんだ代表の頬にあたる。
それだけで奴は壁際に二メートルほど飛ばされていった。

「お見事。」

俺はタカシの肩を叩いて、奴の手を離れた携帯を拾い、タイチに渡してやった。
タイチは床に落とすと、バスケットシューズの底で最新型の携帯を踏みつけた。

機械の壊れる音って、俺は大好きだ。

「それじゃあ…ペナルティあたえますね♪」

天音がズリズリと大浦をひきづり他の男達と同じように転がして分厚いゴムの手袋をつける。

「なに、する気だ？」

「ペナルティです♪」

天音はそう言うと男達のズボンをおろしていく…
手には接着剤を持って。

「意識が無くて良かったですね～♪」

そこからは実におぞましいペナルティが与えられ俺達は凍り付いた。

あまりにも過激なので、表現を変えて言うからな…。

バナナの皮を剥いて、皮とバナナの間に接着剤を着けて元に戻した。