ー特別編ースカウトマン・セレナーデ
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夜の帳が降り始める頃、俺は梓と別れて、シャッターが閉まっていく街を帰っていた。
勢いよくシャッターがおりる音が俺は大好きだ。
うちのガレージは二枚しかないから残念だ。
「おまえだよな。トラブル解決屋の悠って。」
後ろから声を掛けられた。俺の知らない声だった。
振り向いて見ると、ジーンズに黒シャツの男が立っていた。
第三ボタンまで開けて、日焼けした胸を見せている。チャームポイントなのだろう。
胸の中央には太い銀のチェーンとペンダントトップの鐘が揺れていた。
胸と同じように焼けた顔は丸く、とてもハンサムとは言えなかった。
髪は銀のメッシュいりの昔ながらのサーファーカット。
「アンタ誰だ?」
「うちの事務所が口を聞いた女を、店抜けさせてくれたんだってな。」
「あぁ…その事か。」
「射ガールから、苦情がきた。ちょっと顔貸してくれ。」
地方都市の太った美容師みたいな男は、精いっぱいいきがってそういった。
後ろにとまっていたルノーのミニヴァンのガラスがなめらかにおりる。
スモークガラスのむこうから、タイチが顔をのぞかせた。やつの左目は腫れて、紫色にふさがっている。
「小鳥遊さん!逃げて、こいつらリバティラインだ!」
残念だが、逃げるわけにはいかなかった。タイチが人質にとられているしな。
おれはいった。
「おいおい、アンタ店長から何も聞いてないのか?」
やつはにやにやと笑っていた。身動きすると小さな鐘の音がする。
パトラッシュか、こいつは…
「もちろん、クライアントから話は聞いてるさ。あの女や女の家族に手をだしたら、射ガールを潰すというんだろ。」
「あぁ…そうだ。こんな真似していいのか?」
「だけどだ、警察が風俗スカウトやお前みたいなチンピラまで守るはずがない。いいから顔かせ。」
「……」
よっぽど柏のことを話そうかと思ったがやめた。
彼奴に貸しを作りたくない。
仕方ないので俺は、裏手の駐車場に歩いていった。
ルノーの中に何人のっているかわからない。
平和主義の俺だが、やるときはやらねばならない。
金魚鉢のようにガラスエリアのおおきなモダンなミニヴァンは、ジリジリと這うような速度でおれと黒シャツのあとを着いてきた。
黒シャツをふくめてリバティラインの男は全部で四人。
まだ若いのに、遊び崩れた雰囲気のある男たちだった。夜のにおいが染み付いてしまっている。
日焼けサロンに毎週通っているのだろう。
全員炭のように焼けて、銀のアクセサリーを見境なくぶら下げていた。
コイツらを見てると柏のピアスがお洒落に思えてくる。
駐車場の隅の暗がりで、黒シャツはいった。
「俺はリバティラインの代表、大浦秀光だ」
「へぇ…そ。」
じっとやつの顔を見ていた。
怖がって腰を抜かした方がよかったのだろうか?
勢いよくシャッターがおりる音が俺は大好きだ。
うちのガレージは二枚しかないから残念だ。
「おまえだよな。トラブル解決屋の悠って。」
後ろから声を掛けられた。俺の知らない声だった。
振り向いて見ると、ジーンズに黒シャツの男が立っていた。
第三ボタンまで開けて、日焼けした胸を見せている。チャームポイントなのだろう。
胸の中央には太い銀のチェーンとペンダントトップの鐘が揺れていた。
胸と同じように焼けた顔は丸く、とてもハンサムとは言えなかった。
髪は銀のメッシュいりの昔ながらのサーファーカット。
「アンタ誰だ?」
「うちの事務所が口を聞いた女を、店抜けさせてくれたんだってな。」
「あぁ…その事か。」
「射ガールから、苦情がきた。ちょっと顔貸してくれ。」
地方都市の太った美容師みたいな男は、精いっぱいいきがってそういった。
後ろにとまっていたルノーのミニヴァンのガラスがなめらかにおりる。
スモークガラスのむこうから、タイチが顔をのぞかせた。やつの左目は腫れて、紫色にふさがっている。
「小鳥遊さん!逃げて、こいつらリバティラインだ!」
残念だが、逃げるわけにはいかなかった。タイチが人質にとられているしな。
おれはいった。
「おいおい、アンタ店長から何も聞いてないのか?」
やつはにやにやと笑っていた。身動きすると小さな鐘の音がする。
パトラッシュか、こいつは…
「もちろん、クライアントから話は聞いてるさ。あの女や女の家族に手をだしたら、射ガールを潰すというんだろ。」
「あぁ…そうだ。こんな真似していいのか?」
「だけどだ、警察が風俗スカウトやお前みたいなチンピラまで守るはずがない。いいから顔かせ。」
「……」
よっぽど柏のことを話そうかと思ったがやめた。
彼奴に貸しを作りたくない。
仕方ないので俺は、裏手の駐車場に歩いていった。
ルノーの中に何人のっているかわからない。
平和主義の俺だが、やるときはやらねばならない。
金魚鉢のようにガラスエリアのおおきなモダンなミニヴァンは、ジリジリと這うような速度でおれと黒シャツのあとを着いてきた。
黒シャツをふくめてリバティラインの男は全部で四人。
まだ若いのに、遊び崩れた雰囲気のある男たちだった。夜のにおいが染み付いてしまっている。
日焼けサロンに毎週通っているのだろう。
全員炭のように焼けて、銀のアクセサリーを見境なくぶら下げていた。
コイツらを見てると柏のピアスがお洒落に思えてくる。
駐車場の隅の暗がりで、黒シャツはいった。
「俺はリバティラインの代表、大浦秀光だ」
「へぇ…そ。」
じっとやつの顔を見ていた。
怖がって腰を抜かした方がよかったのだろうか?