ー特別編ースカウトマン・セレナーデ
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ロマンスなんてひとつも無いロマンス通り。
俺はタイチと落ち合って喫茶店にはいった。
ストローを使わずにアイスコーヒーを飲んでタイチはいった。
「交差点の角にあったカフェのウエイトレス、覚えてる?」
うなずいた。しのぶだ。
フリルがのぞく制服のスカートもあの生足も忘れられなかった。
「あの子が、今トラブってるんだ。小鳥遊さん。いや小鳥遊悠さん。なんとか助けてあげてください。」
たったの二日でどんな騒動に巻き込まれるというのだ。俺には意味が全然わからなかった。
「いったい全体なんのトラブルなんだ?」
タイチはいいにくそうにいった。
「あの子はなんだか、ぼくが好きだったみたいなんだ。それでいつも風俗嬢とぼくが話をしているのを見て、自分も風俗の仕事をやったら、つきあえるんじゃないかと思ったらしい」
俺はあきれて目の前のスカウトマンを見つめた。
今回のTシャツはイーグルスのロゴと「呪われた夜」(皆は知ってるか?)のイラストいり。『ホテルカリフォルニア』じゃないところが洒落ている。
「それで無事、風俗嬢になったと…?」
俺は肘をついてタイチに聞いた。
「うん…」
「タイチのキックバックも増えるんだろう。どこが問題なんだ?」
誰かが自分から風俗の仕事をするのは、別になんの犯罪でもない。
東京中には何万人もそんな女たちがいる。いちいち相手にしていたらきりがない。
タイチが目を伏せた。
「問題は事務所だよ。」
「どういうことだ?」
「昨日ぼくは通りに立つのを休んでいたんだ。ちょっと風邪気味で。それで、しのぶは悪いくじを引いた。」
彼女はウエイトレスの仕事が終わった夕方、東口の五差路にいったという。
タイチの顔をさがしたが、憧れのスカウトマンは見当たらない。
そこで、近くにいた同業の男に声をかけた。
タイチは淡々と話した。
「それが最低の事務所のスカウトマンだったんだ。事務所はリバティラインっていう元は学生サークルだったところなんだけど」
はめをはずした学生が起こすベンチャービジネスを想像した。
パーティー券の押し売りだけじゃ金がたらずに、風俗の口入稼業でも始めたのだろうか。
「そのスカウトマンは、ぼくがリバティラインに所属しているといって、しのぶを事務所に連れていった。合わせてやるからって。あとはあそこの事務所のいつもの手口だ。」
俺はスカウトマンの事務所でなにが起きているのか、知らなかった。
「何人かの男で取り囲んで、ほめあげる。女の子がいい気になったところで、見学だけといって店に連れていく。店に着くとこわもての男がいて、無理やり客をつけさせられるんだ。逃げることはできない。」
俺は笑うと三日月のようになるしのぶの目を思い出した。
夕方までウエイトレスをしていたのに、夜には客のペニスをくわえている。
女たちは落ちるときには、底無しの穴にはまるように一瞬で落ちる。
ため息をついていった。
「そうか。その日のうちか」
タイチはうなずいた。
俺はタイチと落ち合って喫茶店にはいった。
ストローを使わずにアイスコーヒーを飲んでタイチはいった。
「交差点の角にあったカフェのウエイトレス、覚えてる?」
うなずいた。しのぶだ。
フリルがのぞく制服のスカートもあの生足も忘れられなかった。
「あの子が、今トラブってるんだ。小鳥遊さん。いや小鳥遊悠さん。なんとか助けてあげてください。」
たったの二日でどんな騒動に巻き込まれるというのだ。俺には意味が全然わからなかった。
「いったい全体なんのトラブルなんだ?」
タイチはいいにくそうにいった。
「あの子はなんだか、ぼくが好きだったみたいなんだ。それでいつも風俗嬢とぼくが話をしているのを見て、自分も風俗の仕事をやったら、つきあえるんじゃないかと思ったらしい」
俺はあきれて目の前のスカウトマンを見つめた。
今回のTシャツはイーグルスのロゴと「呪われた夜」(皆は知ってるか?)のイラストいり。『ホテルカリフォルニア』じゃないところが洒落ている。
「それで無事、風俗嬢になったと…?」
俺は肘をついてタイチに聞いた。
「うん…」
「タイチのキックバックも増えるんだろう。どこが問題なんだ?」
誰かが自分から風俗の仕事をするのは、別になんの犯罪でもない。
東京中には何万人もそんな女たちがいる。いちいち相手にしていたらきりがない。
タイチが目を伏せた。
「問題は事務所だよ。」
「どういうことだ?」
「昨日ぼくは通りに立つのを休んでいたんだ。ちょっと風邪気味で。それで、しのぶは悪いくじを引いた。」
彼女はウエイトレスの仕事が終わった夕方、東口の五差路にいったという。
タイチの顔をさがしたが、憧れのスカウトマンは見当たらない。
そこで、近くにいた同業の男に声をかけた。
タイチは淡々と話した。
「それが最低の事務所のスカウトマンだったんだ。事務所はリバティラインっていう元は学生サークルだったところなんだけど」
はめをはずした学生が起こすベンチャービジネスを想像した。
パーティー券の押し売りだけじゃ金がたらずに、風俗の口入稼業でも始めたのだろうか。
「そのスカウトマンは、ぼくがリバティラインに所属しているといって、しのぶを事務所に連れていった。合わせてやるからって。あとはあそこの事務所のいつもの手口だ。」
俺はスカウトマンの事務所でなにが起きているのか、知らなかった。
「何人かの男で取り囲んで、ほめあげる。女の子がいい気になったところで、見学だけといって店に連れていく。店に着くとこわもての男がいて、無理やり客をつけさせられるんだ。逃げることはできない。」
俺は笑うと三日月のようになるしのぶの目を思い出した。
夕方までウエイトレスをしていたのに、夜には客のペニスをくわえている。
女たちは落ちるときには、底無しの穴にはまるように一瞬で落ちる。
ため息をついていった。
「そうか。その日のうちか」
タイチはうなずいた。