ー特別編ースカウトマン・セレナーデ
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近づいていくと、ガードレールに座っていたスカウトマンが腰を浮かせた。
つまらなそうな表情だった顔が、急にくしゃくしゃの笑いでいっぱいになる。
それは相手の警戒心をとろかせる魔法の笑顔だった。
「あれ、小鳥遊さんですよね?」
「え?」
なぜ、俺の名前を知ってるんだろうか。驚きが顔にでたらしい。
「ぼくのところにいる女の子から、噂をききました。ストーカーを捕まえたり、出会い部屋とかepの話。」
そんなカッコいい噂なら当人のいないところじゃなく、直接俺に話してくれればいいのに。
地域限定とはいえ、しだいに俺の顔も売れてきてしまったようだ。
これじゃ、ヤバい店にますます入りにくくなる。
「名乗る必要はないみたいだな。」
俺は小柄なスカウトマンにいった。
「今日はこんなところでなにしてるんですか?」
「いや、さっきから、そっちが女たちに声をかけるところを観察してたんだ。」
「あ、何かトラブルですか?」
俺は笑いながら首を横に振った。
「目的があるわけじゃないんだ。ただアンタがこの交差点じゃ一番凄腕みたいだから、ちょっと興味本位でな。」
やつは真剣な表情で聞いていた。俺が話おえると、また顔全体で笑ってみせる。
「ちょっと待って」
スカウトマンは信号待ちでたまった人波に視線を飛ばした。
ベアショルダーのチューブトップを着たグラマーがいる。肩には稲妻のタトゥーいり。
顔はまあまあ。胸の谷間は電話帳でも楽にはさめるくらい深かった。
俺の方を見て、やつは肩をすくめた。
「あれはいいや。今はあんまり巨乳系は高く売れないんだよね。小鳥遊さん、良かったらお茶でも飲みませんか?」
俺がいけてると思った女をあっさり無視して、交差点の角にある喫茶店を指差す。
「いいよ。ところでさ池袋で高く売れるのってどんな女なんだ?」
俺はさっき買った缶コーヒーをポケットにしまって聞いた。
やつは得意の笑顔を向けていった。
「ぼくが今注文を受けてるのは、ヘルスとオナクラなんだ。ヘルスのほうはセーラー服の似合う微乳系、オナクラの方は身長が百七十以上で強い目をした女王様タイプかな」
スカウトマンはタイプ別に女の注文を受けてるのだった。
「へぇ…」
ちなみにオナクラはオ○ニークラブの略。
男がひとりでするところを店の女に見せるだけという、はやりの非接触系の風俗だ。
「ふれあうことを嫌がる風俗が最先端なんて、どうなんだろうな。」
「はは、本当にそうですね。」
「若い男がこの調子だと、出生率も低下するはずだよな。」
俺は笑いながらやつと喫茶店に向かった。
だってこんな面白い話をほっておけない。
残暑厳しい中、暇潰しのネタを届けてくれた排ガスで濁った空の上の誰かに感謝する。
愚かな自称トラブルシューター
こうして俺はいつも自分からトラブルにはまってく…
それにしてもなぜトラブルの最初の一口はあんなに甘いのだろうか。
あとでどんなもめごとが待ってるにせよ、誰だってそこでとめるわけにはいかない。
危ないけど魅力的、不二子ちゃんみたいなものだ。
アンタだって、そんな女に甘く囁かれたら絶対にくいつくだろ?
二口目を頬ばったところで、返しのついた鋭い針がうわあごに刺さる。
だが、最後のその瞬間までは、甘い後味に酔っているのだ。
俺たちが飢えた魚以上に進化した生き物だっていうやつを俺は信用しないぜ。
つまらなそうな表情だった顔が、急にくしゃくしゃの笑いでいっぱいになる。
それは相手の警戒心をとろかせる魔法の笑顔だった。
「あれ、小鳥遊さんですよね?」
「え?」
なぜ、俺の名前を知ってるんだろうか。驚きが顔にでたらしい。
「ぼくのところにいる女の子から、噂をききました。ストーカーを捕まえたり、出会い部屋とかepの話。」
そんなカッコいい噂なら当人のいないところじゃなく、直接俺に話してくれればいいのに。
地域限定とはいえ、しだいに俺の顔も売れてきてしまったようだ。
これじゃ、ヤバい店にますます入りにくくなる。
「名乗る必要はないみたいだな。」
俺は小柄なスカウトマンにいった。
「今日はこんなところでなにしてるんですか?」
「いや、さっきから、そっちが女たちに声をかけるところを観察してたんだ。」
「あ、何かトラブルですか?」
俺は笑いながら首を横に振った。
「目的があるわけじゃないんだ。ただアンタがこの交差点じゃ一番凄腕みたいだから、ちょっと興味本位でな。」
やつは真剣な表情で聞いていた。俺が話おえると、また顔全体で笑ってみせる。
「ちょっと待って」
スカウトマンは信号待ちでたまった人波に視線を飛ばした。
ベアショルダーのチューブトップを着たグラマーがいる。肩には稲妻のタトゥーいり。
顔はまあまあ。胸の谷間は電話帳でも楽にはさめるくらい深かった。
俺の方を見て、やつは肩をすくめた。
「あれはいいや。今はあんまり巨乳系は高く売れないんだよね。小鳥遊さん、良かったらお茶でも飲みませんか?」
俺がいけてると思った女をあっさり無視して、交差点の角にある喫茶店を指差す。
「いいよ。ところでさ池袋で高く売れるのってどんな女なんだ?」
俺はさっき買った缶コーヒーをポケットにしまって聞いた。
やつは得意の笑顔を向けていった。
「ぼくが今注文を受けてるのは、ヘルスとオナクラなんだ。ヘルスのほうはセーラー服の似合う微乳系、オナクラの方は身長が百七十以上で強い目をした女王様タイプかな」
スカウトマンはタイプ別に女の注文を受けてるのだった。
「へぇ…」
ちなみにオナクラはオ○ニークラブの略。
男がひとりでするところを店の女に見せるだけという、はやりの非接触系の風俗だ。
「ふれあうことを嫌がる風俗が最先端なんて、どうなんだろうな。」
「はは、本当にそうですね。」
「若い男がこの調子だと、出生率も低下するはずだよな。」
俺は笑いながらやつと喫茶店に向かった。
だってこんな面白い話をほっておけない。
残暑厳しい中、暇潰しのネタを届けてくれた排ガスで濁った空の上の誰かに感謝する。
愚かな自称トラブルシューター
こうして俺はいつも自分からトラブルにはまってく…
それにしてもなぜトラブルの最初の一口はあんなに甘いのだろうか。
あとでどんなもめごとが待ってるにせよ、誰だってそこでとめるわけにはいかない。
危ないけど魅力的、不二子ちゃんみたいなものだ。
アンタだって、そんな女に甘く囁かれたら絶対にくいつくだろ?
二口目を頬ばったところで、返しのついた鋭い針がうわあごに刺さる。
だが、最後のその瞬間までは、甘い後味に酔っているのだ。
俺たちが飢えた魚以上に進化した生き物だっていうやつを俺は信用しないぜ。