ー特別編ー出会い系クリスマスラプソディー
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翌日から、俺はまた普通の学生に戻った。
忠則とエリの会社員同士のカップルは、その後も順調に続いた。
エリに言わせるとあの太っちょの身体も、サンタクロースのように頼りがいがあって、なかなかいいそうだ。
忠則は遅れていたノルマを埋めるために、今日も池袋の街を駆け回っている。
時々うちに来て、必ず水菓子を届けていくのはやはりさすがに気が利く社会人って事だ。
あと、一ノ瀬組みは結局「カプル」からみかじめをとるようになった。
拳二は今回の新規開拓で、組長から大分誉められたそうだが、崇は何故かこの件には噛まなかったらしい。
その理由は1ヶ月後に分かる。
俺は約束どおり、なんのアクションも起こさなかったが、池袋署の生活安全課もぼんやりしてた訳ではなかったのだ。
年が開けた仕事始めに、警視庁と連携して、増えた「カプル」の店舗をいっせいに摘発したのだ。
容疑は管理売春。
社長も副社長も逮捕された。
いまでは「カプル」のあったマンションには、空っぽの部屋と看板だけが残されている。
みかじめは当然ゼロになる。
拳二はついてないと盛んにぼやいてたが…
きっと俺は崇の読みの深さに感心する。
勿論まだ先のはなしだけどな。
ーともきの部屋ー
「っとまぁ以上が今回の仕事の一望だ。アム」
俺はみかんを口に運ぶ。
ちなみに、このミカンも段ボールいっぱいに忠則が送ってきた物だ。
食べきれ無いのでお裾分けに来た。
「なんか…かっこいいよな。」
「ん?俺の事か?照れる~」
「忠則さんって本当に立派だな。」
「あれ?無視か?喧嘩とエロイ事しか考えられない喧嘩エロス、略してケロスは黙ってろってか?」
「なんだその神がかり的な八つ当たりは…」
ともきは呆れた様にミカンの皮を剥く。
「冗談だ。ま、二十八年溜まった恋の力は偉大って事だな。アム」
俺はともきが剥いたミカンを掴んで口に放り込む。
「人が剥いたミカンを食うな!しかも一口で!」
「なら…あーん。」
「練りわさびでも捩じ込んでやろうか?」
笑顔のともきの背後に黒いオーラが見えた。
「ま、まぁ、待ちたまえ…ともき君……想像してみろ。」
「何をだ?」
「もし、俺がつかさだったらどうだ?もし、2人きりになって同じシチュエーションになったらどうする?土壇場でテンパったら恥ずかしいぞ?」
「な、何を言い出す……」
「まぁ聞け…それで、想像しろ…」
俺はそっとともきの肩を抱く。
「つかさは甘えたがりだ…無い話じゃないだろ?それに優しいお前はきっとミカンを剥いてやる。そのあと…つかさが照れ気味にあーん。って…」
「あ、あーん…か?」
「そうだ。あわよくば逆につかさが…」
「つ、つかさが?」
プルルル!
「はい?もしもし、悠だが?」
ズデェーン!
俺の携帯が鳴ったので出ると盛大にともきがヘッドスライディングした。
『…何かすごい音が…しましたけど?』
「気にするな。なんか用事か禅?」
『はい…また、お客さん…です。どう…します?』
「おいおい、またかよ。仕方無いな。一時間後に会うよ。」
『わかり…ました。』
そこで、電話を切った。
「ふぅ…ん?ともきどうした?」
「……別に。それよりまたか?」
ともきは顔を抑えながら立ち上がる。
「あぁ、まただ。一緒に来るか?」
「……今度は俺も手伝えるか?」
「さぁな。受けるかどうかも決まって無いし。ま、とりあえず話を聞きにいくだけさ。」
「そうか、ま、じゃあ行くか。」
「あぁ。」
…じゃ、最後に締め。
俺は思うだけど、やっぱり男と女の出会いなんて、誰かにセッティングしてもらうものでも、時間あたりいくらで買うものでもない。
そいつはその気さえあれば、きっと天から降ってくるのだ。
いつか予期せぬ絶妙なタイミングで、正しい場所と正しい人に。
なにせ、それは二十八年間彼女のいなかった太目のサンタクロースの現在の幸福が証明している。
だから、おれも焦らず待つとしよう。
正しい出会いがくるその時を。
まぁ、ただ…それまでの時間を、別に清くただしく生きようとは思わないけど。
忠則とエリの会社員同士のカップルは、その後も順調に続いた。
エリに言わせるとあの太っちょの身体も、サンタクロースのように頼りがいがあって、なかなかいいそうだ。
忠則は遅れていたノルマを埋めるために、今日も池袋の街を駆け回っている。
時々うちに来て、必ず水菓子を届けていくのはやはりさすがに気が利く社会人って事だ。
あと、一ノ瀬組みは結局「カプル」からみかじめをとるようになった。
拳二は今回の新規開拓で、組長から大分誉められたそうだが、崇は何故かこの件には噛まなかったらしい。
その理由は1ヶ月後に分かる。
俺は約束どおり、なんのアクションも起こさなかったが、池袋署の生活安全課もぼんやりしてた訳ではなかったのだ。
年が開けた仕事始めに、警視庁と連携して、増えた「カプル」の店舗をいっせいに摘発したのだ。
容疑は管理売春。
社長も副社長も逮捕された。
いまでは「カプル」のあったマンションには、空っぽの部屋と看板だけが残されている。
みかじめは当然ゼロになる。
拳二はついてないと盛んにぼやいてたが…
きっと俺は崇の読みの深さに感心する。
勿論まだ先のはなしだけどな。
ーともきの部屋ー
「っとまぁ以上が今回の仕事の一望だ。アム」
俺はみかんを口に運ぶ。
ちなみに、このミカンも段ボールいっぱいに忠則が送ってきた物だ。
食べきれ無いのでお裾分けに来た。
「なんか…かっこいいよな。」
「ん?俺の事か?照れる~」
「忠則さんって本当に立派だな。」
「あれ?無視か?喧嘩とエロイ事しか考えられない喧嘩エロス、略してケロスは黙ってろってか?」
「なんだその神がかり的な八つ当たりは…」
ともきは呆れた様にミカンの皮を剥く。
「冗談だ。ま、二十八年溜まった恋の力は偉大って事だな。アム」
俺はともきが剥いたミカンを掴んで口に放り込む。
「人が剥いたミカンを食うな!しかも一口で!」
「なら…あーん。」
「練りわさびでも捩じ込んでやろうか?」
笑顔のともきの背後に黒いオーラが見えた。
「ま、まぁ、待ちたまえ…ともき君……想像してみろ。」
「何をだ?」
「もし、俺がつかさだったらどうだ?もし、2人きりになって同じシチュエーションになったらどうする?土壇場でテンパったら恥ずかしいぞ?」
「な、何を言い出す……」
「まぁ聞け…それで、想像しろ…」
俺はそっとともきの肩を抱く。
「つかさは甘えたがりだ…無い話じゃないだろ?それに優しいお前はきっとミカンを剥いてやる。そのあと…つかさが照れ気味にあーん。って…」
「あ、あーん…か?」
「そうだ。あわよくば逆につかさが…」
「つ、つかさが?」
プルルル!
「はい?もしもし、悠だが?」
ズデェーン!
俺の携帯が鳴ったので出ると盛大にともきがヘッドスライディングした。
『…何かすごい音が…しましたけど?』
「気にするな。なんか用事か禅?」
『はい…また、お客さん…です。どう…します?』
「おいおい、またかよ。仕方無いな。一時間後に会うよ。」
『わかり…ました。』
そこで、電話を切った。
「ふぅ…ん?ともきどうした?」
「……別に。それよりまたか?」
ともきは顔を抑えながら立ち上がる。
「あぁ、まただ。一緒に来るか?」
「……今度は俺も手伝えるか?」
「さぁな。受けるかどうかも決まって無いし。ま、とりあえず話を聞きにいくだけさ。」
「そうか、ま、じゃあ行くか。」
「あぁ。」
…じゃ、最後に締め。
俺は思うだけど、やっぱり男と女の出会いなんて、誰かにセッティングしてもらうものでも、時間あたりいくらで買うものでもない。
そいつはその気さえあれば、きっと天から降ってくるのだ。
いつか予期せぬ絶妙なタイミングで、正しい場所と正しい人に。
なにせ、それは二十八年間彼女のいなかった太目のサンタクロースの現在の幸福が証明している。
だから、おれも焦らず待つとしよう。
正しい出会いがくるその時を。
まぁ、ただ…それまでの時間を、別に清くただしく生きようとは思わないけど。