ー特別編ー出会い系クリスマスラプソディー
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アーバンネットの灰色ピンクのビルのまえに、エリと忠則は居た。
忠則はガードレールに腰掛けて、自分のひざを抱えていた。
俺の顔を見ると、誇らしげにいった。
「やっぱり、本職って、顔を狙わないものなんですね。右足の太ももばかり蹴られてしまいました。」
「わたしのせいで、ごめんなさい。」
エリは心配そうに忠則を見ていた。
「でも、忠則さんはすごく勇気がありました。身体を張って守ってくれたんです。」
俺は忠則の耳元で、こっそりきいた。
「ところで、あんた彼女いない歴何年なの?」
忠則はエリに聞こえない様に答えた。
「二十八年ですよ。生まれてからずっと」
「そうか」
それでは勇気を振り絞って、女の盾になるはずだった。
「その身体なら、少々の打撃は脂肪が吸収するだろ。」
王様が冷たい声を吐き出しながら近づいてくる。
「後ろを開けた。移動するなら早く乗れ。」
俺は手を貸して、忠則をRVに乗せてやった。
運転席には本郷、助手席に崇、後ろには俺達を乗せて車は動きだす。
「とりあえず、うちまで頼む。作戦会議だ。忠則のつかんだ情報を聞きたいし。病院はいかなくていいんだろ?」
忠則は懸命にうなずいた。
「仕事さぼって、エリさんにつきあったので、あまり表ざたにはしたくないです。」
「わかった、じゃあ、やっぱりうちにいこう。本郷頼む。」
「フッ」
本郷はピッと合図を送り、出発した。
言葉で言って欲しいもんだ。
………
東池袋から家までの距離は結構あるので、その間に怪我の理由を聞いた。
なんでもエリと忠則はヤミ金の事務所に入っていき、担当者にいったそうだ。
母親は病院につれていく。借金の返済については、弁護士と相談して、今後の事を決める。
もう、自分は母親の借金は返すつもりもないし、「カプル」で働く気もない。
「でも、エリさんがなにを言ってもにやにやしてるだけでした。」
忠則は蹴られた、脚が痛むのだろう。
脂汗をながしながら、そう言った。
「なんで、弁護士をいれると言われたのに、そんな余裕があったんだ?声をあらげたりしなかったのか?」
「ええ、にやにや薄気味悪く笑うだけでした。」
なにか裏がありそうだな。
「担当の人がさっさと帰れって言いました。もうお前はうちとは関係ないって。」
エリが言った。
「どう言う意味だ?」
「…ローンズ・テスタロッサは「カプル」に売ったんだよ。」
崇がボソリと呟いた。
「え?」
「そう言えば金の話なら、向こうの副社長と話してくれと言われました。」
「でも、借金をしたのは母親だよな。娘に返済の義務は無いはずだ。」
俺はまた解らなくなった。
「エリとか言ったな、お前書類か何かにサインしたりしたか?」
崇の氷の言葉に、シートの上でエリはしぼんでしまったようだった。
忠則はガードレールに腰掛けて、自分のひざを抱えていた。
俺の顔を見ると、誇らしげにいった。
「やっぱり、本職って、顔を狙わないものなんですね。右足の太ももばかり蹴られてしまいました。」
「わたしのせいで、ごめんなさい。」
エリは心配そうに忠則を見ていた。
「でも、忠則さんはすごく勇気がありました。身体を張って守ってくれたんです。」
俺は忠則の耳元で、こっそりきいた。
「ところで、あんた彼女いない歴何年なの?」
忠則はエリに聞こえない様に答えた。
「二十八年ですよ。生まれてからずっと」
「そうか」
それでは勇気を振り絞って、女の盾になるはずだった。
「その身体なら、少々の打撃は脂肪が吸収するだろ。」
王様が冷たい声を吐き出しながら近づいてくる。
「後ろを開けた。移動するなら早く乗れ。」
俺は手を貸して、忠則をRVに乗せてやった。
運転席には本郷、助手席に崇、後ろには俺達を乗せて車は動きだす。
「とりあえず、うちまで頼む。作戦会議だ。忠則のつかんだ情報を聞きたいし。病院はいかなくていいんだろ?」
忠則は懸命にうなずいた。
「仕事さぼって、エリさんにつきあったので、あまり表ざたにはしたくないです。」
「わかった、じゃあ、やっぱりうちにいこう。本郷頼む。」
「フッ」
本郷はピッと合図を送り、出発した。
言葉で言って欲しいもんだ。
………
東池袋から家までの距離は結構あるので、その間に怪我の理由を聞いた。
なんでもエリと忠則はヤミ金の事務所に入っていき、担当者にいったそうだ。
母親は病院につれていく。借金の返済については、弁護士と相談して、今後の事を決める。
もう、自分は母親の借金は返すつもりもないし、「カプル」で働く気もない。
「でも、エリさんがなにを言ってもにやにやしてるだけでした。」
忠則は蹴られた、脚が痛むのだろう。
脂汗をながしながら、そう言った。
「なんで、弁護士をいれると言われたのに、そんな余裕があったんだ?声をあらげたりしなかったのか?」
「ええ、にやにや薄気味悪く笑うだけでした。」
なにか裏がありそうだな。
「担当の人がさっさと帰れって言いました。もうお前はうちとは関係ないって。」
エリが言った。
「どう言う意味だ?」
「…ローンズ・テスタロッサは「カプル」に売ったんだよ。」
崇がボソリと呟いた。
「え?」
「そう言えば金の話なら、向こうの副社長と話してくれと言われました。」
「でも、借金をしたのは母親だよな。娘に返済の義務は無いはずだ。」
俺はまた解らなくなった。
「エリとか言ったな、お前書類か何かにサインしたりしたか?」
崇の氷の言葉に、シートの上でエリはしぼんでしまったようだった。