ー特別編ー黄色のCurrency
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「あまり、追いつめるな。けがをするのもバカらしい。」
Sウルフ達の動きが止まって道を開ける。
俺と崇が覆面男の真正面に立つ。
「おまえ、逃げてもいいぞ。」
俺は親指を外に向ける。
そして、崇が続けた。
「こちらはちゃんとオコノギを守った。雇い主にSウルフに邪魔されたと報告しろ。おれたちは逃げない。いつでも相手をしてやるとな。」
マスクの男は何度かおれたちの顔に視線を往復させると、走って逃げていった。
「追いますか?」
いつの間にか澪が現れていて、崇に質問する。
「いい、ほっとけ。」
俺は崇に礼をいった。
「危ないところだった助かったよ。」
やつは片手で俺を制すと、携帯の短縮をおした。挨拶もせずにいう。
「午後の記者会見までに、二十人集めてくれ。禅を除く、部隊長は集合だ。最後までオコノギを警護する。」
通話を切り、俺を見て笑いかけてきた。
「出番が無かったな。ここらのガキにお前の強さを見せるチャンスだったのにな。」
俺は首を振った。幽霊みたいにすり抜けただけで武器を持った男を落とせる化け物に言われたくない。
「さて、こいつをどうするかな。」
地面に倒れた男を軽くブーツの先で踏みながらいう。Sウルフがプラスチックのコードで襲撃犯たちを縛りあげていく。
俺はいった。
「利用できるものは利用しよう。」
「ほう。なにか考えがあるのか?」
「北原に証言させたらどうだ?こいつらに襲われたってな、フカオの罪を重くしてやるんだ。」
「悪くないな。」
崇が指を弾くと、Sウルフがメルセデスのカーゴルームに男たちを収容させた。
「相変わらず。頭の回りはいいな。お前はどうするんだ、悠」
俺は首を横に振っていった。
「俺に出来るのはここまでだし。あとは崇に任せるよ。またな、ブラザー」
メルセデスで送っていくという王の申し出を断って、俺は歩いてうちに帰った
なんと言っても晴れた朝なのだ。クルマに乗るなんてもったいない。
…………
俺は午後一時、テレビにかじりついていた。オコノギはあの会議室で記者会見を始めた。
設立当初からのフカオ・エンタープライズの関与を詳細に記録した文書を配り、きちんと説明したあとで、NPO代表を辞任したそうだ。
俺はしっかりとその勇姿を焼きつけた。
だってさ、人間…謝罪するのが一番勇気がいると思わないか?
ニュースやワイドショーでもオコノギの映像は流れていた。
厳しい顔をしたNPO代表のまわりには、ふたりひと組のSウルフのボディガードがたくさん映っていた。
黒いナイロンのトレーニングスーツに銀のシャツを着たでかい男が二十人以上。
なんだかギャング映画みたいだったが、やつの身の安全を考えるとしかたないだろう。
Sウルフ達の動きが止まって道を開ける。
俺と崇が覆面男の真正面に立つ。
「おまえ、逃げてもいいぞ。」
俺は親指を外に向ける。
そして、崇が続けた。
「こちらはちゃんとオコノギを守った。雇い主にSウルフに邪魔されたと報告しろ。おれたちは逃げない。いつでも相手をしてやるとな。」
マスクの男は何度かおれたちの顔に視線を往復させると、走って逃げていった。
「追いますか?」
いつの間にか澪が現れていて、崇に質問する。
「いい、ほっとけ。」
俺は崇に礼をいった。
「危ないところだった助かったよ。」
やつは片手で俺を制すと、携帯の短縮をおした。挨拶もせずにいう。
「午後の記者会見までに、二十人集めてくれ。禅を除く、部隊長は集合だ。最後までオコノギを警護する。」
通話を切り、俺を見て笑いかけてきた。
「出番が無かったな。ここらのガキにお前の強さを見せるチャンスだったのにな。」
俺は首を振った。幽霊みたいにすり抜けただけで武器を持った男を落とせる化け物に言われたくない。
「さて、こいつをどうするかな。」
地面に倒れた男を軽くブーツの先で踏みながらいう。Sウルフがプラスチックのコードで襲撃犯たちを縛りあげていく。
俺はいった。
「利用できるものは利用しよう。」
「ほう。なにか考えがあるのか?」
「北原に証言させたらどうだ?こいつらに襲われたってな、フカオの罪を重くしてやるんだ。」
「悪くないな。」
崇が指を弾くと、Sウルフがメルセデスのカーゴルームに男たちを収容させた。
「相変わらず。頭の回りはいいな。お前はどうするんだ、悠」
俺は首を横に振っていった。
「俺に出来るのはここまでだし。あとは崇に任せるよ。またな、ブラザー」
メルセデスで送っていくという王の申し出を断って、俺は歩いてうちに帰った
なんと言っても晴れた朝なのだ。クルマに乗るなんてもったいない。
…………
俺は午後一時、テレビにかじりついていた。オコノギはあの会議室で記者会見を始めた。
設立当初からのフカオ・エンタープライズの関与を詳細に記録した文書を配り、きちんと説明したあとで、NPO代表を辞任したそうだ。
俺はしっかりとその勇姿を焼きつけた。
だってさ、人間…謝罪するのが一番勇気がいると思わないか?
ニュースやワイドショーでもオコノギの映像は流れていた。
厳しい顔をしたNPO代表のまわりには、ふたりひと組のSウルフのボディガードがたくさん映っていた。
黒いナイロンのトレーニングスーツに銀のシャツを着たでかい男が二十人以上。
なんだかギャング映画みたいだったが、やつの身の安全を考えるとしかたないだろう。