ー特別編ー黄色のCurrency
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
会議室をでてきたオコノギの頬は興奮で赤くなっていた。
手にアルミニウムのブリーフケースをさげて、おれたちの方にまっすぐやってくる。
「お待たせ。これですべて片付いた。ほんとうに来てくれたんだね。」
目を丸くして、にこりともしないボディガードを見つめた。崇はいった。
「あんたの自宅は?」
「目白二丁目、明治通りからちょっとはいったマンションだ。」
崇は綺麗に整備された機械のようになめらかに立ち上がる。
エレベーターの中央にオコノギ、四隅をおれたち四人が固めた。
一階のエレベーターホールでは携帯で連絡を受けたSウルフが要場を警護していた。
オコノギは両脇を俺と崇にはさまれて、メルセデスのRVにのりこんだ。
ー車内ー
「なんだか、ほんとうのVIPみたいだな。」
俺は窓の外の真夜中の公園を眺めながらいった。
「どう思っているか知らないけどさ、アンタはほんとうにこの街のVIPだよ。」
崇は振り向かずに助手席でいった。
「そいつのいう通りだ。間違いない。Sウルフの名誉会員にしてやるよ。」
「光栄だな。どうもありがとう。」
オコノギがおおまじめでそういったので、俺は笑い声をあげたが、崇を含めて、運転席の本郷、Sウルフは誰一人もにこりとしなたった。
その夜はマンションの周辺をざっとパトロールしてから、オコノギを四人がかりで部屋まで送っていった。
エントランスの正面にエアトレックを一台残して、二台のクルマは解散した。
エアトレックにのったSウルフには長い夜になるだろうが、よろしくといって、俺はうちに送ってもらった。
………
次の朝九時半にメルセデスとアルファがエアトレックと交代した。
おれは崇と一緒にメルセデス組だ。快晴の朝、おれはボディガードとオコノギを迎えにいった。
チャイムを鳴らすと、代表はスチールのドアから顔をだした。あまり眠れなかったようで目は赤かったが、表情はすっきりとしている。
エレベーターをおりてRVにのりこんだ。オコノギはいう。
「おはよう、みんな。あと数時間でぼくはあのNPOを離れるんだな。」
クルマが渋滞した明治通りにはいった。
俺はまどから肉のハナマサをみながら言う。
「まだ若いんだし、次になにやるか考えてるんだろ?」
オコノギは爽やかにうなずいた。
「ああ、うまくいくかわからないが、コンピュータのリサイクルのNPOを初めようと思っている。中古パソコンを企業から安く仕入れて、学校や貧しい家庭におろすんだ」
新しい通貨で街のガキに仕事をつくったかと思うと、次はデジタル・デヴァイドの解消に動く。
「やっぱり、アンタはまだこの街のVIPだよ。オコノギさん。」
俺は笑顔でオコノギをみた。
崇達も小さくうなずく。
オコノギは一瞬硬直したあと爽やかな笑顔でありがとうといった。
「おっと、もう泣くなよ。」
俺は人の涙には弱いのだ。
手にアルミニウムのブリーフケースをさげて、おれたちの方にまっすぐやってくる。
「お待たせ。これですべて片付いた。ほんとうに来てくれたんだね。」
目を丸くして、にこりともしないボディガードを見つめた。崇はいった。
「あんたの自宅は?」
「目白二丁目、明治通りからちょっとはいったマンションだ。」
崇は綺麗に整備された機械のようになめらかに立ち上がる。
エレベーターの中央にオコノギ、四隅をおれたち四人が固めた。
一階のエレベーターホールでは携帯で連絡を受けたSウルフが要場を警護していた。
オコノギは両脇を俺と崇にはさまれて、メルセデスのRVにのりこんだ。
ー車内ー
「なんだか、ほんとうのVIPみたいだな。」
俺は窓の外の真夜中の公園を眺めながらいった。
「どう思っているか知らないけどさ、アンタはほんとうにこの街のVIPだよ。」
崇は振り向かずに助手席でいった。
「そいつのいう通りだ。間違いない。Sウルフの名誉会員にしてやるよ。」
「光栄だな。どうもありがとう。」
オコノギがおおまじめでそういったので、俺は笑い声をあげたが、崇を含めて、運転席の本郷、Sウルフは誰一人もにこりとしなたった。
その夜はマンションの周辺をざっとパトロールしてから、オコノギを四人がかりで部屋まで送っていった。
エントランスの正面にエアトレックを一台残して、二台のクルマは解散した。
エアトレックにのったSウルフには長い夜になるだろうが、よろしくといって、俺はうちに送ってもらった。
………
次の朝九時半にメルセデスとアルファがエアトレックと交代した。
おれは崇と一緒にメルセデス組だ。快晴の朝、おれはボディガードとオコノギを迎えにいった。
チャイムを鳴らすと、代表はスチールのドアから顔をだした。あまり眠れなかったようで目は赤かったが、表情はすっきりとしている。
エレベーターをおりてRVにのりこんだ。オコノギはいう。
「おはよう、みんな。あと数時間でぼくはあのNPOを離れるんだな。」
クルマが渋滞した明治通りにはいった。
俺はまどから肉のハナマサをみながら言う。
「まだ若いんだし、次になにやるか考えてるんだろ?」
オコノギは爽やかにうなずいた。
「ああ、うまくいくかわからないが、コンピュータのリサイクルのNPOを初めようと思っている。中古パソコンを企業から安く仕入れて、学校や貧しい家庭におろすんだ」
新しい通貨で街のガキに仕事をつくったかと思うと、次はデジタル・デヴァイドの解消に動く。
「やっぱり、アンタはまだこの街のVIPだよ。オコノギさん。」
俺は笑顔でオコノギをみた。
崇達も小さくうなずく。
オコノギは一瞬硬直したあと爽やかな笑顔でありがとうといった。
「おっと、もう泣くなよ。」
俺は人の涙には弱いのだ。