ー特別編ー黄色のCurrency
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俺はタクシーの運転手に西一番街に行くように伝えて、すぐに崇の短縮を押す。
取り次ぎがでて代わった。
背景はゆるやかなレゲエのバックビート。
『なんだ』
早く、鋭く、用件だけの王様の声もくつろいでいた。
「今どこだ。」
『ラスタ・ラブ』
たしかSウルフのクラブだ。
「もう酔ってるのか」
『飲んではいるが、酔っちゃいない。用件を話せ。』
「車を二台、人を八人借りたい。」
王様の声に冷気が纏いしゃんとした。
俺はVIPルームの赤いベロアのソファで座り直す崇の姿が目に見えるようだった。
『なんのためだ。』
「ボディーガード。明日の昼までオコノギを守りたいんだ。」
『続けろ。』
「やつはすべてをばらして、フカオと手を切るつもりだ。おれたちが守らなきゃ、北原の二の舞になる。手を貸してくれ。金がいるなら…」
『悠、あまり俺を見くびるな。』
崇はうなると立ち上がったようだった。
『何処に行けばいい?』
「西一番街」
『二十分だ。精鋭を送る。それに…おれもな。』
「ふっ、心強いよ。ブラザー」
俺はそういって携帯を切った。
なぁ、この街のストリートギャングだって、そう捨てたもんじゃないだろ。
俺がついた時には、西一番街の通りにクルマが三台きていた。
メルセデスのRVにアルファロメオとエアトレック。
RVのウィンドウがおりて、だてメガネをかけた崇が顔をのぞかせた。
「のってくれ」
俺はメルセデスの座席に滑り込んだ。NPOセンターまでの五分間で簡単な打ち合わせをすませる。
終電が近づいて、西口の歓楽街は最後のにぎわいに燃えていた。
………
俺と崇、それに精鋭だという2人を連れて、エレベーターを使った。
NPOの受付にいくと、フロアはどこかの異様な雰囲気だった。こんな時間なのにほとんどのスタッフが残っている。
おれはまた手近な人間に声をかけた。いつかのノーメイクの女が赤く泣きはらした目で俺を見た。
「オコノギさんはどうしてる」
「会議中です。そこのソファでお待ちください。メモをまわしておきます。」
わかったといって俺と崇は座った。
ソファの両脇にはたくさんのポケットがついた米軍の黒いフィールドヴェストを着たSウルフが手を前に組んで立っている。
俺はヴェストの中身は知らないが、特殊警棒とコンバットナイフは予想がついた。
まさか短銃まではもってないと思うが、そこまではわからない。
「崇、コイツらは?」
崇はほんのわずかにだけ口の端をあげた。多分笑ったのだろう。
「我が隊の精鋭だ。各部隊長か選び抜いた奴をさらに厳選した。」
「そ、そうっすか。」
俺はあとは何も言わなかった。
そのまま無言で、そこで四十分まった。
どうしてもやらねばならないことがあるとき、待つことなど少しも苦痛にはならない。
取り次ぎがでて代わった。
背景はゆるやかなレゲエのバックビート。
『なんだ』
早く、鋭く、用件だけの王様の声もくつろいでいた。
「今どこだ。」
『ラスタ・ラブ』
たしかSウルフのクラブだ。
「もう酔ってるのか」
『飲んではいるが、酔っちゃいない。用件を話せ。』
「車を二台、人を八人借りたい。」
王様の声に冷気が纏いしゃんとした。
俺はVIPルームの赤いベロアのソファで座り直す崇の姿が目に見えるようだった。
『なんのためだ。』
「ボディーガード。明日の昼までオコノギを守りたいんだ。」
『続けろ。』
「やつはすべてをばらして、フカオと手を切るつもりだ。おれたちが守らなきゃ、北原の二の舞になる。手を貸してくれ。金がいるなら…」
『悠、あまり俺を見くびるな。』
崇はうなると立ち上がったようだった。
『何処に行けばいい?』
「西一番街」
『二十分だ。精鋭を送る。それに…おれもな。』
「ふっ、心強いよ。ブラザー」
俺はそういって携帯を切った。
なぁ、この街のストリートギャングだって、そう捨てたもんじゃないだろ。
俺がついた時には、西一番街の通りにクルマが三台きていた。
メルセデスのRVにアルファロメオとエアトレック。
RVのウィンドウがおりて、だてメガネをかけた崇が顔をのぞかせた。
「のってくれ」
俺はメルセデスの座席に滑り込んだ。NPOセンターまでの五分間で簡単な打ち合わせをすませる。
終電が近づいて、西口の歓楽街は最後のにぎわいに燃えていた。
………
俺と崇、それに精鋭だという2人を連れて、エレベーターを使った。
NPOの受付にいくと、フロアはどこかの異様な雰囲気だった。こんな時間なのにほとんどのスタッフが残っている。
おれはまた手近な人間に声をかけた。いつかのノーメイクの女が赤く泣きはらした目で俺を見た。
「オコノギさんはどうしてる」
「会議中です。そこのソファでお待ちください。メモをまわしておきます。」
わかったといって俺と崇は座った。
ソファの両脇にはたくさんのポケットがついた米軍の黒いフィールドヴェストを着たSウルフが手を前に組んで立っている。
俺はヴェストの中身は知らないが、特殊警棒とコンバットナイフは予想がついた。
まさか短銃まではもってないと思うが、そこまではわからない。
「崇、コイツらは?」
崇はほんのわずかにだけ口の端をあげた。多分笑ったのだろう。
「我が隊の精鋭だ。各部隊長か選び抜いた奴をさらに厳選した。」
「そ、そうっすか。」
俺はあとは何も言わなかった。
そのまま無言で、そこで四十分まった。
どうしてもやらねばならないことがあるとき、待つことなど少しも苦痛にはならない。