ー特別編ーブラックアウトの夜
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沈黙すること五分、前の座席から声がした。
「お困りなら知恵を貸しましょうか~?」
Sウルフの親衛隊かと思っていたら、前の座席から悠君がこっちに身体を向けて来た。
「なんだ、ユウ、いい手があるのか。」
「まぁな、いいか、よくきけよ。」
ユウくんはニタリッと笑った。
その時、チラリと見える八重歯が吸血鬼のように見えた気がした。
悪魔のようなアイディアをタンタンと説明する。
そのままメルセデスでうちの店まで送ってもらった。
その夜、店じまいをしているとあたしの携帯が鳴った。
サヤーのあわてた声がする。
『うちに着替えをとりにもどったところなんだ。外でガロンが待っている。ぼくはこのままガロンと一緒にいて、今の仕事をしていればいいんだよね』
「そう。近いうちになにかが起こるけど、サヤーは流れに身を任せていればいいよ。」
『じゃあ、電話切るよ。そろそろ行かないとヤバイから。』
「ちょっと待って、サヤー。ラワディもおやじさんのようにやっぱり電気をつけたまま寝てる?」
サヤーの返事はすぐに戻ってきた。
『どうしてわかるの、リッカさん。ガロンはマンション中の明かりを全部つけて寝てるよ。じゃあ、ぼくはいくから』
あたしは電話を切った。
ユウくんのいった通りだった。これで骨の芯までビビらせる方法は問題なし。
続く二日間あたしは店番に専念した。
あたしがやったのは簡単な仕事がふたつだけだった。
まず少年課の刑事・佐伯(叔父)の携帯に電話をいれた。
あたしが名のると、やつはひどく不機嫌そうにいった
『なんだ、久しぶりだな。まだチーマーのやつらとつるんでいるのか、リッカ』
挨拶は抜きだった。
もう時間がない。
「そっちにDVDが届いたでしょ」
佐伯の声はそれだけで臨界点を越えてしまったようだった。
『なんで、そんなことをしってんだ。』
「だから、街の噂だよー」
ぼりぼりとなにかをかく音がする。
警察官というのはストレスがたまる仕事だ。
『また、ガキのネットワークか。それで、お前はどこまで知ってる』
「もぐりのデリヘルで、未成年の東南アジア人が働かされているところかなー」
佐伯の返事はうなり声だけだった。
「その少年とあたしは友人だったりするんだけどー」
かきむしる音がさらに激しくなった。
将来的にハゲるんじゃないかしら。
「あんまりカリカリしないでよ。これからあたしのいう質問にイエスかノーかで答えてくれればいいの。あたしはその子を守る側なんだ。佐伯のオジサン、お願い。」
少年課の刑事は迷っているようだった。
『放火の件もあったしあ……わかった。いいから質問しろ、答えられることならこたえてやる』
「生活安全課ではもう内偵を始めていて、近くデリヘルに踏み込むつもり?」
『イエスだ。同僚の柏っう男が指揮してる。いい意味でも悪い意味でも仕事は速い。』
店のカレンダーを見た。
スイカのような胸をした女が水着でビールを掲げてる写真だった。
今日は木曜で、今週の残りはあと二日。
「お困りなら知恵を貸しましょうか~?」
Sウルフの親衛隊かと思っていたら、前の座席から悠君がこっちに身体を向けて来た。
「なんだ、ユウ、いい手があるのか。」
「まぁな、いいか、よくきけよ。」
ユウくんはニタリッと笑った。
その時、チラリと見える八重歯が吸血鬼のように見えた気がした。
悪魔のようなアイディアをタンタンと説明する。
そのままメルセデスでうちの店まで送ってもらった。
その夜、店じまいをしているとあたしの携帯が鳴った。
サヤーのあわてた声がする。
『うちに着替えをとりにもどったところなんだ。外でガロンが待っている。ぼくはこのままガロンと一緒にいて、今の仕事をしていればいいんだよね』
「そう。近いうちになにかが起こるけど、サヤーは流れに身を任せていればいいよ。」
『じゃあ、電話切るよ。そろそろ行かないとヤバイから。』
「ちょっと待って、サヤー。ラワディもおやじさんのようにやっぱり電気をつけたまま寝てる?」
サヤーの返事はすぐに戻ってきた。
『どうしてわかるの、リッカさん。ガロンはマンション中の明かりを全部つけて寝てるよ。じゃあ、ぼくはいくから』
あたしは電話を切った。
ユウくんのいった通りだった。これで骨の芯までビビらせる方法は問題なし。
続く二日間あたしは店番に専念した。
あたしがやったのは簡単な仕事がふたつだけだった。
まず少年課の刑事・佐伯(叔父)の携帯に電話をいれた。
あたしが名のると、やつはひどく不機嫌そうにいった
『なんだ、久しぶりだな。まだチーマーのやつらとつるんでいるのか、リッカ』
挨拶は抜きだった。
もう時間がない。
「そっちにDVDが届いたでしょ」
佐伯の声はそれだけで臨界点を越えてしまったようだった。
『なんで、そんなことをしってんだ。』
「だから、街の噂だよー」
ぼりぼりとなにかをかく音がする。
警察官というのはストレスがたまる仕事だ。
『また、ガキのネットワークか。それで、お前はどこまで知ってる』
「もぐりのデリヘルで、未成年の東南アジア人が働かされているところかなー」
佐伯の返事はうなり声だけだった。
「その少年とあたしは友人だったりするんだけどー」
かきむしる音がさらに激しくなった。
将来的にハゲるんじゃないかしら。
「あんまりカリカリしないでよ。これからあたしのいう質問にイエスかノーかで答えてくれればいいの。あたしはその子を守る側なんだ。佐伯のオジサン、お願い。」
少年課の刑事は迷っているようだった。
『放火の件もあったしあ……わかった。いいから質問しろ、答えられることならこたえてやる』
「生活安全課ではもう内偵を始めていて、近くデリヘルに踏み込むつもり?」
『イエスだ。同僚の柏っう男が指揮してる。いい意味でも悪い意味でも仕事は速い。』
店のカレンダーを見た。
スイカのような胸をした女が水着でビールを掲げてる写真だった。
今日は木曜で、今週の残りはあと二日。