ー特別編ーブラックアウトの夜
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ファミレスにつくまで、三十分とはかからなかった。
いつもより疲労気味の禅君は、あたしがさしだしたコンビニのポリ袋と八ミリのビデオテープを受け取った。
「八ミリ…ですか」
「うん。」
「これは…どう…するに…しても…一度…場所を…変えて…ハードディスクに……保存します…ね。あと…が…簡単ですから…それで…この…中身は?」
あたしはサヤーの事情を、もう一度頭のなかを整理しながら話した。
ひとつの事件の最中になんどかそうして事件を整理してると、だんだんと焦点が絞られていくのがわかる。
禅君はロッテの板チョコをパキパキと頬ばった。
「そう…ですか…。その…サヤー…って…ガキを…助けるわけ…ですね。…今回は…金が…ありま…せんね。」
痛いところをつかれてあたしはひるんだ。
「う…」
「ま…安く…しとき…ます。…編集…した…テープの…送り先は…池袋…署の…生活安全課…ですね」
そうだといってあたしはうなずいた。
「では…リッカ…さんの…声は…はめこみ…で…つくら…ないと…いけませんね。新兵器…を…つかい…ますか」
禅君はニヤリと口の端をつり上げた。
「新兵器?」
「はい…では…いきましょうか…」
「何処に?」
「この…ビデオを…編集しに…俺の…アジトへ」
禅君のアジトとはファミレスから歩いて五分もたたない場所でうちより年期の入った二階建てのアパート。
所々錆びた階段をあがって一番奥の部屋に案内された。
サヤーの家と同じくらいの間取りだけど決定的に違うのはよくわからない電子機器で埋め尽くされているところだ。
「ここが禅君のアジトなんだー」
「まぁ…ダミー…です…けどね…ここは…俺が…仮眠や…こう…いった…データの…編集…に…使ってる…場所で……本当の…アジトは…俺以外…誰も…しりません。…どうぞ…適当に…座って…ください」
禅君はそういって灰色のスチールラックのひとつにテープをいれて、コンピューターのモニターに新しいウィンドウを開いた。
サヤーの口元が早送りで動いていた。
「今から…一時間…ほど…で…作ります。」
「そんなに早くできるの」
「はい…ビデオの…編集は…簡単です。リッカ…さん…使う…ところ…だけ…指示を…出して…くださ…い」
あたしはうなずいて、禅君の肩越しに液晶画面に映るサヤーを見つめた。
ビデオの編集は確かに簡単だった。
編集点をぷつぷつとクリックして、あとはドラッグ&ドロップで積み木のように繋げていくだけ。
正味四十分ほどのテープは手際よくまとめられて、流れのいい七分間のビデオクリップになった。
誰が見ても未成年の従業員を雇う無届けデリヘルとその被害者という構図はあきらかだった。
いつもより疲労気味の禅君は、あたしがさしだしたコンビニのポリ袋と八ミリのビデオテープを受け取った。
「八ミリ…ですか」
「うん。」
「これは…どう…するに…しても…一度…場所を…変えて…ハードディスクに……保存します…ね。あと…が…簡単ですから…それで…この…中身は?」
あたしはサヤーの事情を、もう一度頭のなかを整理しながら話した。
ひとつの事件の最中になんどかそうして事件を整理してると、だんだんと焦点が絞られていくのがわかる。
禅君はロッテの板チョコをパキパキと頬ばった。
「そう…ですか…。その…サヤー…って…ガキを…助けるわけ…ですね。…今回は…金が…ありま…せんね。」
痛いところをつかれてあたしはひるんだ。
「う…」
「ま…安く…しとき…ます。…編集…した…テープの…送り先は…池袋…署の…生活安全課…ですね」
そうだといってあたしはうなずいた。
「では…リッカ…さんの…声は…はめこみ…で…つくら…ないと…いけませんね。新兵器…を…つかい…ますか」
禅君はニヤリと口の端をつり上げた。
「新兵器?」
「はい…では…いきましょうか…」
「何処に?」
「この…ビデオを…編集しに…俺の…アジトへ」
禅君のアジトとはファミレスから歩いて五分もたたない場所でうちより年期の入った二階建てのアパート。
所々錆びた階段をあがって一番奥の部屋に案内された。
サヤーの家と同じくらいの間取りだけど決定的に違うのはよくわからない電子機器で埋め尽くされているところだ。
「ここが禅君のアジトなんだー」
「まぁ…ダミー…です…けどね…ここは…俺が…仮眠や…こう…いった…データの…編集…に…使ってる…場所で……本当の…アジトは…俺以外…誰も…しりません。…どうぞ…適当に…座って…ください」
禅君はそういって灰色のスチールラックのひとつにテープをいれて、コンピューターのモニターに新しいウィンドウを開いた。
サヤーの口元が早送りで動いていた。
「今から…一時間…ほど…で…作ります。」
「そんなに早くできるの」
「はい…ビデオの…編集は…簡単です。リッカ…さん…使う…ところ…だけ…指示を…出して…くださ…い」
あたしはうなずいて、禅君の肩越しに液晶画面に映るサヤーを見つめた。
ビデオの編集は確かに簡単だった。
編集点をぷつぷつとクリックして、あとはドラッグ&ドロップで積み木のように繋げていくだけ。
正味四十分ほどのテープは手際よくまとめられて、流れのいい七分間のビデオクリップになった。
誰が見ても未成年の従業員を雇う無届けデリヘルとその被害者という構図はあきらかだった。