ー特別編ーブラックアウトの夜
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
その夜店を閉めてからタカシに電話した。
部屋から窓の外をみると綺麗な満月の晩だった。
とりつぎはあたしの声をきくと、すぐに伝説のキングに代わった。
あたしはあきれていった。
「タカシ、アナタはひとりでいるってことはないのー?」
自由なあたしとは違い、王には孤独の楽しみは贅沢すぎるのかしら。
タカシの声は氷柱のように耳に刺さる。
『お前はいつもひと言多いな、リッカ。用件は』
もう少しガキの王様をからかいたかったけど、あたしはサヤーの話を始めた。
コンパクトに要点だけをまとめる。
毎日何十となく陳情をうけつけているタカシはのみこみが速かった。
鼻で笑っていう。
『なんた、簡単じゃないか。デリヘルの業者など裏の筋はない。その店は未成年を働かせてもいる。警察に通報をいれればそれでおしまいだ。』
確かにタカシのいうとおりだった。
それだけでワイルドナイトはつぶれ、サヤーは自由になれる。
だけど、あたしはガロン・ラワディという男とサヤーの関係がまだわからなかった。
それにラワディの名前を聞いたときのサヤーの父親の反応がひっかかっていた。
「もう少し、そのデリヘルをあたってみたいの。あたしにちょっと時間をくれない?」
『好きにしろ。今回はSウルフの大きな出番はなさそうだからな。』
もう話すことはなかったけど、なぜかタカシにいっていた。
「今度の件が片付いたら映画でも観に行きません?」
『なんだ、急に』
タカシはすこし驚いたようだった。
いつも部下に囲まれているというのも退屈だし、精神衛生上よくないだろうと思ったのよね。
「イエスマンとばかり遊んでると、ダメ社長になりますよー。」
今度ははっきりとやつは笑い声をあげた。
いい傾向ね。
『ああ、考えとく。』
通話はそこで突然切れた。
だけど、電子機器にさえつかう人間の気分というのは影響するものね。
そのあときいた発信音はいつもよりやわらかたったのだから。
次の日も朝から太陽は輝いていた。
あたしはシスターのバイトの後、学校を昼からサボってギターに代わってずしりと重たいデイパックを肩に街に飛び出した。
銀行ATMで、なけなしの口座から三万円の大金をおろした。
銀行をでて北口のラヴホテル街に向かいながら、携帯の番号を押す。
『ありがとうございます。ワイルドナイトです』
猫なで声の男がそういった。
あたしはサウナみたいな池袋を歩きながら、ためらう振りをした。
「そっちの店は初めてなんだけど……男の子いるのよね。どういうシステムになってるのかな。」
男は慣れた調子で時間と料金を告げた。
お近くのホテルにはいってから、またお電話ください、お待ちしております。
通話を切ろうとした男にいう。
「待って、そっちに東南アジアの男の子がいるって、友人からきいたの。なんでも十代なかばだって話だけど」
含み笑いをしてデリヘルの男はいう。
『さあ、年齢はわかりませんが、わかい外国人の男の子なら今日もいますよ』
「じゃあー、その子を押さえておいて」
『お客様のお名前は』
あたしはもう一人のトラブルシューターの名前をいった。
「小鳥遊」
こんなことばかり名前をだされるのだ。
かわいそうな悠くん。
部屋から窓の外をみると綺麗な満月の晩だった。
とりつぎはあたしの声をきくと、すぐに伝説のキングに代わった。
あたしはあきれていった。
「タカシ、アナタはひとりでいるってことはないのー?」
自由なあたしとは違い、王には孤独の楽しみは贅沢すぎるのかしら。
タカシの声は氷柱のように耳に刺さる。
『お前はいつもひと言多いな、リッカ。用件は』
もう少しガキの王様をからかいたかったけど、あたしはサヤーの話を始めた。
コンパクトに要点だけをまとめる。
毎日何十となく陳情をうけつけているタカシはのみこみが速かった。
鼻で笑っていう。
『なんた、簡単じゃないか。デリヘルの業者など裏の筋はない。その店は未成年を働かせてもいる。警察に通報をいれればそれでおしまいだ。』
確かにタカシのいうとおりだった。
それだけでワイルドナイトはつぶれ、サヤーは自由になれる。
だけど、あたしはガロン・ラワディという男とサヤーの関係がまだわからなかった。
それにラワディの名前を聞いたときのサヤーの父親の反応がひっかかっていた。
「もう少し、そのデリヘルをあたってみたいの。あたしにちょっと時間をくれない?」
『好きにしろ。今回はSウルフの大きな出番はなさそうだからな。』
もう話すことはなかったけど、なぜかタカシにいっていた。
「今度の件が片付いたら映画でも観に行きません?」
『なんだ、急に』
タカシはすこし驚いたようだった。
いつも部下に囲まれているというのも退屈だし、精神衛生上よくないだろうと思ったのよね。
「イエスマンとばかり遊んでると、ダメ社長になりますよー。」
今度ははっきりとやつは笑い声をあげた。
いい傾向ね。
『ああ、考えとく。』
通話はそこで突然切れた。
だけど、電子機器にさえつかう人間の気分というのは影響するものね。
そのあときいた発信音はいつもよりやわらかたったのだから。
次の日も朝から太陽は輝いていた。
あたしはシスターのバイトの後、学校を昼からサボってギターに代わってずしりと重たいデイパックを肩に街に飛び出した。
銀行ATMで、なけなしの口座から三万円の大金をおろした。
銀行をでて北口のラヴホテル街に向かいながら、携帯の番号を押す。
『ありがとうございます。ワイルドナイトです』
猫なで声の男がそういった。
あたしはサウナみたいな池袋を歩きながら、ためらう振りをした。
「そっちの店は初めてなんだけど……男の子いるのよね。どういうシステムになってるのかな。」
男は慣れた調子で時間と料金を告げた。
お近くのホテルにはいってから、またお電話ください、お待ちしております。
通話を切ろうとした男にいう。
「待って、そっちに東南アジアの男の子がいるって、友人からきいたの。なんでも十代なかばだって話だけど」
含み笑いをしてデリヘルの男はいう。
『さあ、年齢はわかりませんが、わかい外国人の男の子なら今日もいますよ』
「じゃあー、その子を押さえておいて」
『お客様のお名前は』
あたしはもう一人のトラブルシューターの名前をいった。
「小鳥遊」
こんなことばかり名前をだされるのだ。
かわいそうな悠くん。