ー特別編ーブラックアウトの夜
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「あの…すいません。烏哭禅の知り合いの人ですか?」
「そうだが…アンタは?」
「禅君の知り合いなんだけど。池袋のデリヘルの事を聞きたいの。」
後から聞いたことだけどこの人はガタさんよ呼ばれてるらしく。
やつは風俗や街金の看板をもちをして、一日中池袋駅に立っている。
パチンコ依存症で、この街の風俗の事ならなんでも知っている情報屋らしい。
「今はデリヘルが風俗では一番ましなんじゃないか。どこも不景気だからな。アンタも去年の秋口にホテル街の立ちんぼが一人もいなくなったのは知ってるだろう」
あたしは黙ってうなずいた。情報屋はどこを見ているかわからない目で、まんべんなくあたりに注意を払っていた。
「あれはな、錦糸町でひと晩に二百人以上も不法在留の外国人が検挙されたからだ。おかげで東京の立ちんぼ三大マーケットから女たちの姿が消えちまった。池袋、大久保、錦糸町、今じゃどこも綺麗なもんだ。ヘルスやイメクラみたいな店舗型の風俗で売り上げがあがったなんて話はきかないから、その分は派遣の店に流れたって話だ。」
排気ガスですすけた街路樹みたいな男をあたしは見つめた。
表情がまるでない。
「それじゃ、デリヘルってけっこう儲かってるのね。」
あたしのあいまいな返事は、なんの変化も生まなかった。
石にでも話しかけた気分。
近くの会社のOLが汚いものでも避けるように、看板もちと話すあたしから進路を変えていく。
ガタさんは気にもとめずにいった。
「嬢ちゃん。」
「あたしは宗方六花。」
「リッカ、アンタはデリヘルとホテトルの違いはわかってるのか」
あたしはあてずっぽうにいった。
「本番があるのがホテトルで、無いのがデリヘルかな?」
ガタさんは鼻で笑った。
「事務所にないしょで本番をするデリヘル嬢なんていくらでもいる。そこまでは管理できないからな。九九年の法改正後は、派遣型風俗として認めてやるから、本番を前提にするような営業はやめろってことさ。女のアンタだって書類に名前を書いて、住民票といっしょに近くの警察の生活安全課にだせば、明日から正規の無店舗ヘルスを始められる。届出制だから、だれでも出来るんだ。書類の書き方がわからなければ、丁寧に教えてくれるぞ」
あたしはデリヘルのオーナーになった自分を想像してみた。
メルセデスで女を送迎する黒いシルクスーツを着たあたし。
果物屋の店番よりずっとカッコイイかもしれない。
サヤーは二度と合掌などしてくれないだろうけど。
「池袋のデリヘルで、未成年の男の子を売り物にしてる店はないの?」
情報屋はじっとあたしを見た。
黙って手のひらを出す。
「……いくら?」
「千。」
あたしは千円札を一枚のせると、やつは口をひらいた。
「そうだが…アンタは?」
「禅君の知り合いなんだけど。池袋のデリヘルの事を聞きたいの。」
後から聞いたことだけどこの人はガタさんよ呼ばれてるらしく。
やつは風俗や街金の看板をもちをして、一日中池袋駅に立っている。
パチンコ依存症で、この街の風俗の事ならなんでも知っている情報屋らしい。
「今はデリヘルが風俗では一番ましなんじゃないか。どこも不景気だからな。アンタも去年の秋口にホテル街の立ちんぼが一人もいなくなったのは知ってるだろう」
あたしは黙ってうなずいた。情報屋はどこを見ているかわからない目で、まんべんなくあたりに注意を払っていた。
「あれはな、錦糸町でひと晩に二百人以上も不法在留の外国人が検挙されたからだ。おかげで東京の立ちんぼ三大マーケットから女たちの姿が消えちまった。池袋、大久保、錦糸町、今じゃどこも綺麗なもんだ。ヘルスやイメクラみたいな店舗型の風俗で売り上げがあがったなんて話はきかないから、その分は派遣の店に流れたって話だ。」
排気ガスですすけた街路樹みたいな男をあたしは見つめた。
表情がまるでない。
「それじゃ、デリヘルってけっこう儲かってるのね。」
あたしのあいまいな返事は、なんの変化も生まなかった。
石にでも話しかけた気分。
近くの会社のOLが汚いものでも避けるように、看板もちと話すあたしから進路を変えていく。
ガタさんは気にもとめずにいった。
「嬢ちゃん。」
「あたしは宗方六花。」
「リッカ、アンタはデリヘルとホテトルの違いはわかってるのか」
あたしはあてずっぽうにいった。
「本番があるのがホテトルで、無いのがデリヘルかな?」
ガタさんは鼻で笑った。
「事務所にないしょで本番をするデリヘル嬢なんていくらでもいる。そこまでは管理できないからな。九九年の法改正後は、派遣型風俗として認めてやるから、本番を前提にするような営業はやめろってことさ。女のアンタだって書類に名前を書いて、住民票といっしょに近くの警察の生活安全課にだせば、明日から正規の無店舗ヘルスを始められる。届出制だから、だれでも出来るんだ。書類の書き方がわからなければ、丁寧に教えてくれるぞ」
あたしはデリヘルのオーナーになった自分を想像してみた。
メルセデスで女を送迎する黒いシルクスーツを着たあたし。
果物屋の店番よりずっとカッコイイかもしれない。
サヤーは二度と合掌などしてくれないだろうけど。
「池袋のデリヘルで、未成年の男の子を売り物にしてる店はないの?」
情報屋はじっとあたしを見た。
黙って手のひらを出す。
「……いくら?」
「千。」
あたしは千円札を一枚のせると、やつは口をひらいた。