ー特別編ー黄色のCurrency
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
おしゃれなカフェの店長は皮肉にいった。
「どおせ君たちも、NPOの理想だけ吹き込まれて、偽札を追ってたんだろう。だが、あのセンターの設立には、こんな黄色のおもちゃではなく、黒い金がたっぷりと関わっている。フカオ・エンタープライズという金融屋を知っているか」
噂では聞いたことがあった。ヤクザをはじめとする裏世界へ融資する専門の業者だ。
事務所はサンシャイン通りの裏にあるらしい。
「崇」
俺は何か知ってるかと視線で質問する。
「抜群の資金力と厳しい取り立てで暴力団も一目おく闇の金融屋だな。」
いま、暴力団といったのは多分崇の組みも含めてだろう。つまり…かなりヤバイ。
もっとも銀行から融資を受けれない裏社会では、金融業者はこちらの世界の都市銀行よりずっと大切にされている。
俺が何かを言う前に、キングの声が急に冷え込み氷を吐き出す。
「フカオのところが…どおした?」
俺は目線で崇を抑えた。
やつが本気になれば、ここから北原を拐うくらいわけもない。危機の瀬戸際にいることなどまったく気づかずに、北原はきもちよくしゃべっていた。
「小此木は深尾のおっさんから資金援助を受けて、「いけ、タウンNPOセンター」を始めた。今でも順調にクリーニング屋をやっている。」
自分だけにぎっている情報をこだしに漏らす。
さぞ楽しいことだろう。
「NPOだってスタッフに給料を払っていないわけではない。剰余の利益を自分のところに還元せずに、公益にまわすのが普通の営利企業との違いだ。小此木のNPOには架空の社員がごっそりといる。ほとんど税金のかからない安い給料でな。深尾のところで生まれたおもてにだせない金は、NPOに流れ込みそこで浄化されて、善意のスタッフの給料としてあちこちにある深尾の口座に振り込まれる。完璧なマネーロンダリングだ。」
おれには返す言葉がなかった。北原の言葉には真実がもつ力強さがあったのだ。
「そうか」
俺はポツリとそういうと、崇はもたれていた扉を離れた。
さっさとプリンターまで歩き、まだ断裁されていない偽札を取ると、ふたつに引き裂いた。
さらにそれを四つに裂く。
事務所の床に黄色い紙切れをばらまくと、澄んだ氷のような声でいった。
「俺には小此木が悪でも関係ない。わかるか、おまえ、池袋のep札を汚すことだけは誰にも許さないと俺はいっておく。金がほしいなら直接、小此木を脅すがいい。」
それから右の拳の底を、真新しいレーザープリンターの液晶標示板に叩きつけた。
速すぎて見えない…俺が気づいた時にはミシリと音がして、液晶は真っ暗に暗転した。
横の扉を開き、中にあるローラーやペーパーガイドをブーツの先で蹴りとばす。
内蔵をかき回されて、プリンターの唸りは止まった。
「どおせ君たちも、NPOの理想だけ吹き込まれて、偽札を追ってたんだろう。だが、あのセンターの設立には、こんな黄色のおもちゃではなく、黒い金がたっぷりと関わっている。フカオ・エンタープライズという金融屋を知っているか」
噂では聞いたことがあった。ヤクザをはじめとする裏世界へ融資する専門の業者だ。
事務所はサンシャイン通りの裏にあるらしい。
「崇」
俺は何か知ってるかと視線で質問する。
「抜群の資金力と厳しい取り立てで暴力団も一目おく闇の金融屋だな。」
いま、暴力団といったのは多分崇の組みも含めてだろう。つまり…かなりヤバイ。
もっとも銀行から融資を受けれない裏社会では、金融業者はこちらの世界の都市銀行よりずっと大切にされている。
俺が何かを言う前に、キングの声が急に冷え込み氷を吐き出す。
「フカオのところが…どおした?」
俺は目線で崇を抑えた。
やつが本気になれば、ここから北原を拐うくらいわけもない。危機の瀬戸際にいることなどまったく気づかずに、北原はきもちよくしゃべっていた。
「小此木は深尾のおっさんから資金援助を受けて、「いけ、タウンNPOセンター」を始めた。今でも順調にクリーニング屋をやっている。」
自分だけにぎっている情報をこだしに漏らす。
さぞ楽しいことだろう。
「NPOだってスタッフに給料を払っていないわけではない。剰余の利益を自分のところに還元せずに、公益にまわすのが普通の営利企業との違いだ。小此木のNPOには架空の社員がごっそりといる。ほとんど税金のかからない安い給料でな。深尾のところで生まれたおもてにだせない金は、NPOに流れ込みそこで浄化されて、善意のスタッフの給料としてあちこちにある深尾の口座に振り込まれる。完璧なマネーロンダリングだ。」
おれには返す言葉がなかった。北原の言葉には真実がもつ力強さがあったのだ。
「そうか」
俺はポツリとそういうと、崇はもたれていた扉を離れた。
さっさとプリンターまで歩き、まだ断裁されていない偽札を取ると、ふたつに引き裂いた。
さらにそれを四つに裂く。
事務所の床に黄色い紙切れをばらまくと、澄んだ氷のような声でいった。
「俺には小此木が悪でも関係ない。わかるか、おまえ、池袋のep札を汚すことだけは誰にも許さないと俺はいっておく。金がほしいなら直接、小此木を脅すがいい。」
それから右の拳の底を、真新しいレーザープリンターの液晶標示板に叩きつけた。
速すぎて見えない…俺が気づいた時にはミシリと音がして、液晶は真っ暗に暗転した。
横の扉を開き、中にあるローラーやペーパーガイドをブーツの先で蹴りとばす。
内蔵をかき回されて、プリンターの唸りは止まった。