無事に演劇も終わり、「今日」という時間は「過去」に戻らず正しく進み続けていく。


―星桜の樹前―

祭りの騒ぎの中俺は星桜の前に座っている。

「全部終わったんだな・・・」

俺はもう記憶に霞みかかって思い出せなくなっているが、確かに「居た」はずの彼に話しかけている。

「・・・・」

少ししんみりする、消えていく記憶、がんばって繋ぎ挙げた絆が改ざんされて普通の事に変わっていくことが・・・

「けど、これで・・・良かったんだよな・・」

俺は立ち上がり、満開に咲いた花を見上げると

「あっいたー!」

後ろから声が聞こえる。

「悠こんな所に居たんだ～」

「まったく、演劇終わって突然姿が見えなくなるから、探したわよ!!」

「どうかしたの?ゆうくん」

「何かありましたか?」

こなた達は俺を探していたようだ。

「いや、友人に挨拶してただけだ」

「「・・・」」

全員が星桜の樹を見る。

「お友達?」

つかさは頭に？マークを浮かべいる。

「そっ友達」

つかさはもう忘れてしまっているようだ。

「それってもしかして悠
のこれ?」

こなたが小指を立ててにやにやする。

「そうだぞ!」

俺は自信満々に答える。

「「ええ!!」」

「冗談だ、そんなの居たら今頃ここで一人でいねーよっと」

こなたのデコを一指し指で突く。

「あう」

「さて、帰るかな」

俺は自分の仕事が終わったので帰ろうとした途中だったのだ。

「ちょ、帰る気だったの?」

かがみが驚いた声を出す。

「演劇も無事終わったし流石に疲れたからな・・」

実際疲れはピークぎりぎりだった、演劇が終わって緊張の糸が切れてドッと疲れが追いかぶさってきたのだ。