格安恋旅行
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しばらく黙って観察してみるのも悪くない、どんな相手でもまずは観察してみること、これは俺が今まで関わってきた裏稼業(そんなに大袈裟でも、稼ぎもないが)で学んだ大切なことだ。
わからないなら、相手と対話してみる。言葉を聞いて、その人の持つ温度や匂いなんかを感じて、 相手を知るんだ。難しいことじゃない、ただ単純に好きか嫌いかだけでもいいんだよな。だって、話さなきゃそれ事態解らないんだから。
おれはゆっくりと溶ける氷のように時間をかけて、まゆのことを観察すること十秒二十秒。
やつは目線をいっさいそらさなかった。
逆に俺の方が視線を反らしてしまいそうなのでいった。
「付き合って長いのに俺たちって旅行とかしたことなかっただろ。お前はお前で試験や教育実習やで忙しかったし。」
まゆは教師になった(しかも陵桜高校の)。本人いわく、昔から『先生』というものに憧れはあったらしい。
その中でわざわざ高校教師を選んだ最終的な理由はおれだったとか。なんでも、おれみたいな問題生徒を真っ当な道に導くのが当面の目標だとか。
まったく、意味がわからないよな。おれはいつだって優良生徒だったていうのに。 まゆがいった。さっきまでより、声のトーンは落ちている。
「その事は…すまないと思っている。君にも真桜君にも色々と迷惑を…」
「ストップ!」
おれは人差し指でまゆの唇を押さえた。
ぷにぷにとした柔らかい感触。あったかいグミみたいだ。驚いた顔のまゆにいった。
「いつもいってるだろ俺にそーゆー事で謝るな。っか、アレだよ。俺はいいたいのはな、やっと時間が出来たんだから旅行でも行こうっていいたいんだよ。お前いってただろ二人の思い出が欲しいって…」
おれが唇から指を外すと、まゆは呆れたような表情で笑っていった。
「まったく…君は……本当にバカだね。」
おれはそうだなといった。バカでもいいさ。コイツが笑っくれるんなら。
「だが、それと、これとはまた話が別だよ。思い出を作ってくれるというのなら、やはり先に僕に相談して二人で日程を決めて行動に出るのが当たり前じゃないかな。こうやってサプライズを用意してくれたのは嬉しいけれども、万一今日急用が出来たりしたらどうするつもりだったんだい。」
「え、えぇ…」
機嫌は良くなったが、そのぶん説教にも火がついてしまったようだ。昔の生徒会長魂がよみがえったのかもしれない。おれが異論を挟む隙も与えないように畳み掛けてきた。
今度はおれの声のトーンが低くなる番になってしまう。どうしようかと思ったがまぁ、いいだろう。
たまには、むこうが生徒会長モードというなら、おれも昔に、不良生徒にもどって説教を受け入れてやるとしよう。
「にやにやして、聞いてるのかい?」
「あぁ、聞いてる。聞いてる。さ、続きをどうぞ」
その後、目的の駅につくまで説教を聞きながらご機嫌とりをするはめになったけどな。
わからないなら、相手と対話してみる。言葉を聞いて、その人の持つ温度や匂いなんかを感じて、 相手を知るんだ。難しいことじゃない、ただ単純に好きか嫌いかだけでもいいんだよな。だって、話さなきゃそれ事態解らないんだから。
おれはゆっくりと溶ける氷のように時間をかけて、まゆのことを観察すること十秒二十秒。
やつは目線をいっさいそらさなかった。
逆に俺の方が視線を反らしてしまいそうなのでいった。
「付き合って長いのに俺たちって旅行とかしたことなかっただろ。お前はお前で試験や教育実習やで忙しかったし。」
まゆは教師になった(しかも陵桜高校の)。本人いわく、昔から『先生』というものに憧れはあったらしい。
その中でわざわざ高校教師を選んだ最終的な理由はおれだったとか。なんでも、おれみたいな問題生徒を真っ当な道に導くのが当面の目標だとか。
まったく、意味がわからないよな。おれはいつだって優良生徒だったていうのに。 まゆがいった。さっきまでより、声のトーンは落ちている。
「その事は…すまないと思っている。君にも真桜君にも色々と迷惑を…」
「ストップ!」
おれは人差し指でまゆの唇を押さえた。
ぷにぷにとした柔らかい感触。あったかいグミみたいだ。驚いた顔のまゆにいった。
「いつもいってるだろ俺にそーゆー事で謝るな。っか、アレだよ。俺はいいたいのはな、やっと時間が出来たんだから旅行でも行こうっていいたいんだよ。お前いってただろ二人の思い出が欲しいって…」
おれが唇から指を外すと、まゆは呆れたような表情で笑っていった。
「まったく…君は……本当にバカだね。」
おれはそうだなといった。バカでもいいさ。コイツが笑っくれるんなら。
「だが、それと、これとはまた話が別だよ。思い出を作ってくれるというのなら、やはり先に僕に相談して二人で日程を決めて行動に出るのが当たり前じゃないかな。こうやってサプライズを用意してくれたのは嬉しいけれども、万一今日急用が出来たりしたらどうするつもりだったんだい。」
「え、えぇ…」
機嫌は良くなったが、そのぶん説教にも火がついてしまったようだ。昔の生徒会長魂がよみがえったのかもしれない。おれが異論を挟む隙も与えないように畳み掛けてきた。
今度はおれの声のトーンが低くなる番になってしまう。どうしようかと思ったがまぁ、いいだろう。
たまには、むこうが生徒会長モードというなら、おれも昔に、不良生徒にもどって説教を受け入れてやるとしよう。
「にやにやして、聞いてるのかい?」
「あぁ、聞いてる。聞いてる。さ、続きをどうぞ」
その後、目的の駅につくまで説教を聞きながらご機嫌とりをするはめになったけどな。