格安恋旅行
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人間喧嘩をする理由とは大抵些細なものだよな。
しかも、喧嘩が始まったら周りの事もお構い無し。公道しかも人通りの真っ只中、電車の中でもよくある。しかも、老若男女関係ない。
昔のひとは喧嘩両成敗なんていってたりするけど、そんな風にうまく折り合いがつくことなら喧嘩しないよな?だが、カップルや夫婦が喧嘩してる時って根本的なことをいったら理由が小さいんだよな。
アンタも経験があるんじゃないか?典型的でいちばんくだらないのなら目玉焼きの味付けは醤油かソースか……たまに塩ってやつもいるけど、そんなことはどうでもいい。結局喧嘩が終わる頃には理由を忘れてしまっているのにな……。
結局、おれがいいたいのはさそりゃあさ、生きてれば何かしらの揉め事や意見の違いにぶち当たることもあるよ…だけど……今しなくてもいいだろって事。
「だいたい、君はいつもそうだ。僕の意見なんか聞かずに何でもかんでも自分勝手に決めて。」
向かいのリクライニングシートに座る女はまっすぐにおれを見て口調を強くした。自分は間違ったことは言ってないと言いたげな表情だ。学生のときよりから変わらない強気な女。坂神まゆ。
そうだな。悪かった。
そのひと言で解決出来るのに俺はすぐに言い返してしまう。
「あのなぁ、自分勝手ってなんだよ。おれにはおれの考えだってあるんだ。それに、いつまでもガキじゃ無いんだぞ。」
おれは腕を組んでため息を吐いた。もちろん、自分に対して、まるっきりガキだっと口にしてから後悔するのが情けない。ただ、目の前のコイツもいっこうに折れる気はないのだ。
「君の考えを否定する訳じゃない。僕が言いたいのはなんで一言も相談しないのかって事を言いたいんだ。」
売り言葉に買い言葉とはよくいったもので、口喧嘩になると止まらないのだ。
おれも口調を強めた。
「あのさぁ、何時までも生徒会長気取りは止めてくれないか?」
「君こそ、何時までも子供みたいじゃないか。」
おれはあごの先を小さく左右に振った。これ以上口論を続けたって余計に酷くなる。二人とも折れる気がないのだからそれも仕方ないことなんだけどな。
窓の外は穏やかに景色が流れていた。折角の旅なのになんで初めから喧嘩しなくちゃならないんだよ。
「……」
「……」
向かい合わせに座る俺たちの視線がぶつかることはない。四角い窓の外では萌芽を始めた木々がゆったりとスライドショーのように流れていく。五分、十分と時間が経って駅を越えた頃、ようやく向かいの席のヤツは口を開いた。
「……そろそろ、目的地くらい教えてくれてもいいんじゃないかな。」
おれは口の中で熱海といった。
「よく聞こえないんだけど?」
「熱海だよ。熱海。」
「どうして?」
端的というかキレのいい質問。まるで、取り調べを受けてるようなやり取りに俺はつい笑ってしまった。
まゆはナニが面白かったのかとやや怪訝な顔になった。
おれは少しだけ素直になってみることにした。
「俺らって付き合いだしてもう結構たつよな?」
「…急になんだい。」
まゆの反応がさっきより半歩遅かった。顔色にはだしていないが、動揺しているのかもしれない。
しかも、喧嘩が始まったら周りの事もお構い無し。公道しかも人通りの真っ只中、電車の中でもよくある。しかも、老若男女関係ない。
昔のひとは喧嘩両成敗なんていってたりするけど、そんな風にうまく折り合いがつくことなら喧嘩しないよな?だが、カップルや夫婦が喧嘩してる時って根本的なことをいったら理由が小さいんだよな。
アンタも経験があるんじゃないか?典型的でいちばんくだらないのなら目玉焼きの味付けは醤油かソースか……たまに塩ってやつもいるけど、そんなことはどうでもいい。結局喧嘩が終わる頃には理由を忘れてしまっているのにな……。
結局、おれがいいたいのはさそりゃあさ、生きてれば何かしらの揉め事や意見の違いにぶち当たることもあるよ…だけど……今しなくてもいいだろって事。
「だいたい、君はいつもそうだ。僕の意見なんか聞かずに何でもかんでも自分勝手に決めて。」
向かいのリクライニングシートに座る女はまっすぐにおれを見て口調を強くした。自分は間違ったことは言ってないと言いたげな表情だ。学生のときよりから変わらない強気な女。坂神まゆ。
そうだな。悪かった。
そのひと言で解決出来るのに俺はすぐに言い返してしまう。
「あのなぁ、自分勝手ってなんだよ。おれにはおれの考えだってあるんだ。それに、いつまでもガキじゃ無いんだぞ。」
おれは腕を組んでため息を吐いた。もちろん、自分に対して、まるっきりガキだっと口にしてから後悔するのが情けない。ただ、目の前のコイツもいっこうに折れる気はないのだ。
「君の考えを否定する訳じゃない。僕が言いたいのはなんで一言も相談しないのかって事を言いたいんだ。」
売り言葉に買い言葉とはよくいったもので、口喧嘩になると止まらないのだ。
おれも口調を強めた。
「あのさぁ、何時までも生徒会長気取りは止めてくれないか?」
「君こそ、何時までも子供みたいじゃないか。」
おれはあごの先を小さく左右に振った。これ以上口論を続けたって余計に酷くなる。二人とも折れる気がないのだからそれも仕方ないことなんだけどな。
窓の外は穏やかに景色が流れていた。折角の旅なのになんで初めから喧嘩しなくちゃならないんだよ。
「……」
「……」
向かい合わせに座る俺たちの視線がぶつかることはない。四角い窓の外では萌芽を始めた木々がゆったりとスライドショーのように流れていく。五分、十分と時間が経って駅を越えた頃、ようやく向かいの席のヤツは口を開いた。
「……そろそろ、目的地くらい教えてくれてもいいんじゃないかな。」
おれは口の中で熱海といった。
「よく聞こえないんだけど?」
「熱海だよ。熱海。」
「どうして?」
端的というかキレのいい質問。まるで、取り調べを受けてるようなやり取りに俺はつい笑ってしまった。
まゆはナニが面白かったのかとやや怪訝な顔になった。
おれは少しだけ素直になってみることにした。
「俺らって付き合いだしてもう結構たつよな?」
「…急になんだい。」
まゆの反応がさっきより半歩遅かった。顔色にはだしていないが、動揺しているのかもしれない。