三位一体と俺
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
コイツなりに気を使ってるのか、おれが疲れたような顔をしていたのかは分からないがそっぽを向いて手を差し出している。
おれはその手を握った。
「わひゃっ…な、なにっ…?」
「いや、別に平気だし。けど出された手を戻さすのもあれだから。」
「あ、あれって意味わかんねぇーし!なんで手繋ぐんだよ!」
「嫌か?」
「い、いやっーか…あ、汗とかでヌルッてるし…」
おれは首を傾げた。
「どこが?」
汗でヌルッてるというより保湿性のある吸い付くような肌のやわらかな手だ。
むしろ、おれのガサツでざらざらな手で傷つけたりしないかと遠慮してしまいそうになる。
「ちっさいなお前の手」
「悠がでかいんだよ」
「まぁ、男の子だからな。」
「男の「子」かよ。どっちかっていうとおっさん?」
そんな拳二につくような呼び方はまだ経験したくない。いや、今までにも呼ばれたことはあったけどさ。
おれは握ったカゲコの手を親指で軽くなぞってやった。ひゃうっと小さな悲鳴をあげて睨んでくる。
「おっさんじゃなくお兄さんていえよ。」
「それはなんか嫌」
「じゃあ、お父さん?」
「なんでだよ…」
カゲコは眉毛を八の字にしてあきれた顔をする。
娘三人を連れて歩いてるんだか、おっさんやお兄さんよりお父さんのが一番しっくりくると思ったんだけどな。
「……悠はあたいらの事をどうみてるの?」
「可愛いと思ってるけど?」
「ばっ、バカそういうんじゃねーよ!」
狂った小動物みたいにカゲコは握ってる手を振り回して叫んだ。
じゃあ、いったいなにが聞きたいんだ。
「そのさ……娘みたいに思ってんの?」
「そうだなぁ。それに近いものはあるかな。」
「なにそれ」
「うーん。秘密」
そこで話を切ると同時に、前を歩いていた二人が立ち止まってこっちに振り返った。
おれを取り囲むように三人が間をつめてくる。
「な、なにか?」
「是非、聞きたいですやよ。」
「悠くんが本当はどう思ってるのか」
「……」
女三人集まると姦とはよくいったものだ。
おれは観念して肩をすくめた。
「おれにとっては…お前らとの唯一繋がってる糸が親戚って事なんだよ。」
今度は三人が首を傾げた。
「繋がりがあって、初めておれっていう知らん奴とでもなんとか暮らしていけるんだよ。まぁ、カゲコは完全に他人になるけど……それを思ったらなんか、家にいる理由とか無くなるだろ。そういうめんどくさいのとか世間体とかゴチャゴチャ考えるよりは……いっそ娘とかって思ってる方が気が楽なんだ。おれのな。」
黙り込む三人。
「まぁ、ぶっちゃけいったらおれが居心地いいんだよ。今の暮らしのな。まぁ、お前らはいつか出ていくだろうけど…」
おれがいい終わる前にデコがいった。
「あのー師匠、私はずっと師匠のとこにいたいですやよ。」
「へ?」
「私もスーパー行ったり、悠君のご飯作ったり、一緒に食べたり、他に望むことはないです」
「っーか、今さらあたいは…その……悠と、離れたりしたくねぇし。」
おれがぽかんとアホ面をさらしてると、三人は目配せしていった。
「「「悠(師匠、くん)のこと大好きだから(やよ)」」」
END
おれはその手を握った。
「わひゃっ…な、なにっ…?」
「いや、別に平気だし。けど出された手を戻さすのもあれだから。」
「あ、あれって意味わかんねぇーし!なんで手繋ぐんだよ!」
「嫌か?」
「い、いやっーか…あ、汗とかでヌルッてるし…」
おれは首を傾げた。
「どこが?」
汗でヌルッてるというより保湿性のある吸い付くような肌のやわらかな手だ。
むしろ、おれのガサツでざらざらな手で傷つけたりしないかと遠慮してしまいそうになる。
「ちっさいなお前の手」
「悠がでかいんだよ」
「まぁ、男の子だからな。」
「男の「子」かよ。どっちかっていうとおっさん?」
そんな拳二につくような呼び方はまだ経験したくない。いや、今までにも呼ばれたことはあったけどさ。
おれは握ったカゲコの手を親指で軽くなぞってやった。ひゃうっと小さな悲鳴をあげて睨んでくる。
「おっさんじゃなくお兄さんていえよ。」
「それはなんか嫌」
「じゃあ、お父さん?」
「なんでだよ…」
カゲコは眉毛を八の字にしてあきれた顔をする。
娘三人を連れて歩いてるんだか、おっさんやお兄さんよりお父さんのが一番しっくりくると思ったんだけどな。
「……悠はあたいらの事をどうみてるの?」
「可愛いと思ってるけど?」
「ばっ、バカそういうんじゃねーよ!」
狂った小動物みたいにカゲコは握ってる手を振り回して叫んだ。
じゃあ、いったいなにが聞きたいんだ。
「そのさ……娘みたいに思ってんの?」
「そうだなぁ。それに近いものはあるかな。」
「なにそれ」
「うーん。秘密」
そこで話を切ると同時に、前を歩いていた二人が立ち止まってこっちに振り返った。
おれを取り囲むように三人が間をつめてくる。
「な、なにか?」
「是非、聞きたいですやよ。」
「悠くんが本当はどう思ってるのか」
「……」
女三人集まると姦とはよくいったものだ。
おれは観念して肩をすくめた。
「おれにとっては…お前らとの唯一繋がってる糸が親戚って事なんだよ。」
今度は三人が首を傾げた。
「繋がりがあって、初めておれっていう知らん奴とでもなんとか暮らしていけるんだよ。まぁ、カゲコは完全に他人になるけど……それを思ったらなんか、家にいる理由とか無くなるだろ。そういうめんどくさいのとか世間体とかゴチャゴチャ考えるよりは……いっそ娘とかって思ってる方が気が楽なんだ。おれのな。」
黙り込む三人。
「まぁ、ぶっちゃけいったらおれが居心地いいんだよ。今の暮らしのな。まぁ、お前らはいつか出ていくだろうけど…」
おれがいい終わる前にデコがいった。
「あのー師匠、私はずっと師匠のとこにいたいですやよ。」
「へ?」
「私もスーパー行ったり、悠君のご飯作ったり、一緒に食べたり、他に望むことはないです」
「っーか、今さらあたいは…その……悠と、離れたりしたくねぇし。」
おれがぽかんとアホ面をさらしてると、三人は目配せしていった。
「「「悠(師匠、くん)のこと大好きだから(やよ)」」」
END