三位一体と俺
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他の二人はおれを探してるという名目でホビーショップ→ゲームセンターの流れで行動してるらしい。
どうやら皆の中でおれの行動範囲は本屋かホビーショップかゲーセンの三択だけのようだ。
駒狸さんは携帯を開いて手早くボタンを押して、またすぐ閉じておれを見ていった。
「悠くん、発見ってメールしときましたから。」
「そりゃどうも。っても、おれも見たい本は大体見終わったんだけど」
「今月の料理雑誌は買いましたか?」
「あー……忘れてた。駒狸さんナイス。」
「えへっ。」
おれが毎月買ってる料理雑誌は全部で二つ。
ひとつは旬の材料を使った料理を紹介してるもの、もうひとつは色んな店を紹介してるものだ。
お目当ての雑誌を手にとると側にいる駒狸さんが小さく笑ったのが見えた。
おれは彼女の顔をじっと見た。
「あ、ごめんなさい。」
「いや、なにがおかしかったのかなって。」
「いえ、お料理の本を見てるときの悠くんって楽しそうな顔してますよね。」
「そうかぁ?っか、おれの顔見えてんの?」
とうぜん、いつもの事ながらおれは髪を無造作かつ自由にして貞子髪。
自分でいうのもアレだけどろくに前なんか見えてなかったりする。
「横に並ぶと髪の毛の隙間から見えますよ。」
「マジで。」
駒狸さんはにこりと笑ってうなずいた。
「私くらいの身長だからでしょうか、見上げるとよく見えるんです。横顔が。」
おれの顔なんか見たってつまらないだろうに、なんか恥ずかしい。
「ふふ、私だけの特別ですね。」
「へ?」
「悠くんの横顔。笑ってたり、大人びたりしてけっこう百面相ですよね」
「それじゃまるで普段はまるで無愛想みたいな言い方だな。」
「無愛想というより顔が見えないんですよ。」
まったく言い返せなかった。これ以上からかわれるのはたまったもんじゃない。
おれは笑ってごまかしながらそそくさとレジに清算しにいった。
それからデコ達と合流して、遅めの昼飯をとってからおれたちは帰路についていた。
いつのまに購入したのかは知らないが結構な荷物の山。紙袋の様子から服や靴なんだろうけどおれの右腕いっぱいにぶら下がっている。
たぶん、おれの一年間以上に相当する量だ。
なにせ、今履いてる軍パンだけで既に二年間履き古しているからな。
行きと同じように三人娘うしろで歩いていたが、ふと気がつくとカゲコはおれの左となりに並んでいた。
今でも気を抜くとコイツの気配が消えるから驚いてしまう。
なにか話したいことでもあるのかとしばらく横目に見ていたが、カゲコはチラチラとおれの右側を気にしている。
「どうした。なにかあるのか?」
少し間をあけて、ボソリといった。
「荷物……重くね?」
「は?」
「な、なんか持たすの悪いし…あたいの分は自分で持つけど。」
どうやら皆の中でおれの行動範囲は本屋かホビーショップかゲーセンの三択だけのようだ。
駒狸さんは携帯を開いて手早くボタンを押して、またすぐ閉じておれを見ていった。
「悠くん、発見ってメールしときましたから。」
「そりゃどうも。っても、おれも見たい本は大体見終わったんだけど」
「今月の料理雑誌は買いましたか?」
「あー……忘れてた。駒狸さんナイス。」
「えへっ。」
おれが毎月買ってる料理雑誌は全部で二つ。
ひとつは旬の材料を使った料理を紹介してるもの、もうひとつは色んな店を紹介してるものだ。
お目当ての雑誌を手にとると側にいる駒狸さんが小さく笑ったのが見えた。
おれは彼女の顔をじっと見た。
「あ、ごめんなさい。」
「いや、なにがおかしかったのかなって。」
「いえ、お料理の本を見てるときの悠くんって楽しそうな顔してますよね。」
「そうかぁ?っか、おれの顔見えてんの?」
とうぜん、いつもの事ながらおれは髪を無造作かつ自由にして貞子髪。
自分でいうのもアレだけどろくに前なんか見えてなかったりする。
「横に並ぶと髪の毛の隙間から見えますよ。」
「マジで。」
駒狸さんはにこりと笑ってうなずいた。
「私くらいの身長だからでしょうか、見上げるとよく見えるんです。横顔が。」
おれの顔なんか見たってつまらないだろうに、なんか恥ずかしい。
「ふふ、私だけの特別ですね。」
「へ?」
「悠くんの横顔。笑ってたり、大人びたりしてけっこう百面相ですよね」
「それじゃまるで普段はまるで無愛想みたいな言い方だな。」
「無愛想というより顔が見えないんですよ。」
まったく言い返せなかった。これ以上からかわれるのはたまったもんじゃない。
おれは笑ってごまかしながらそそくさとレジに清算しにいった。
それからデコ達と合流して、遅めの昼飯をとってからおれたちは帰路についていた。
いつのまに購入したのかは知らないが結構な荷物の山。紙袋の様子から服や靴なんだろうけどおれの右腕いっぱいにぶら下がっている。
たぶん、おれの一年間以上に相当する量だ。
なにせ、今履いてる軍パンだけで既に二年間履き古しているからな。
行きと同じように三人娘うしろで歩いていたが、ふと気がつくとカゲコはおれの左となりに並んでいた。
今でも気を抜くとコイツの気配が消えるから驚いてしまう。
なにか話したいことでもあるのかとしばらく横目に見ていたが、カゲコはチラチラとおれの右側を気にしている。
「どうした。なにかあるのか?」
少し間をあけて、ボソリといった。
「荷物……重くね?」
「は?」
「な、なんか持たすの悪いし…あたいの分は自分で持つけど。」