三位一体と俺
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朝飯を食い終わってすぐに、女性陣は出掛ける準備をしてくると言い残してから壁掛けの古時計の長針がぐるりと一周をまわり終えようとしていた。
おれは軍パンのポケットに財布と(嫌だけど)携帯電話。それと、iPodをつっこむだけで身支度は終了するのに、女達はなぜ一時間も掛かるのか理解できなかった。
これだけの時間があれば文庫本のひとつくらい片づけれる。
まぁ、おれはゆとりがある人間だから各々の支度が終わるまでぼ~っと庭を眺めている。
東京の副都心は前年同様に異常な暑さが続いていた。猛暑というよりは酷暑だ。この分だと来年はさらに暑くなっていることだろう。猛暑、酷暑ときたら次は獄暑とでもいうのだろうか。
おれはバカみたいなことを考えながら、猫の額ほどの庭に目をやった。
青々とした葉が生い茂るキンモクセイの木陰でバロンが長く伸びている。
側の花壇では暑さも関係なしに咲いている向日葵は、首を高く長く伸ばして、満開の花で太陽の光を受け止めていた。
去年は残念なことに株の半数が枯れてしまったが今年の花の咲き具合はおれのなかではひかえめにいって最高の満点だった。
これだけ見事に花をつけるんだから土いじりは止められない。
アンタも暇と土があるなら花を育てるといいよ。
「師匠、おまたせしましたやよ。」
独特の語尾つきの声がしておれは振り返った。
普段は似合いもしない黒いスーツ姿からいっぺんして浅葱色のダンダラ模様の羽織に、クリームカラーの上着で胸元にはピンクのリボンタイ。襟とスカートがあっさりしたブルーカラーで裾からは白いレースがヒラヒラしている。
「どうですかやよ…?」
「……どうもこうも、なんで愛津女学園の制服着てんの?」
「いやぁ…正直他にお出かけ用の服というものが無くて、スーツ以外だとこれしかありませんでしたやよ。それにこれも普通に普段着としてもおかしくないですやよ。」
隣に腰を降ろして、デコはテヘへと笑った。
あきれておれはいった。
「お前なぁ。おれが言うのもなんだが年ごろの女の子なんだから、もう少し身だしなみやおしゃれに気を使えよ。」
「じゃあ、師匠と…」
「和柄はダメだ。」
「なんでですかやよ?!」
「お前にこんな柄のが似合うわけないだろ…。普通のにしなさい。」
「じゃあこのままで」
話にならないと思った。
まぁ、おれがとやかくいっても仕方ないんだが。
それにしてもひとつだけ疑問があったので、おれはいった。
「っか、なんで一時間もかかったんだ?」
「いえ、私はすぐに準備できたんですがカゲコさんと駒狸さんがまだ準備していたので待ってましたやよ」
「っで、その二人は?」
「まだ準備してますやよ。」
いったいいつになったら出掛けれるのか解ったもんじゃないと思った。
おれは軍パンのポケットに財布と(嫌だけど)携帯電話。それと、iPodをつっこむだけで身支度は終了するのに、女達はなぜ一時間も掛かるのか理解できなかった。
これだけの時間があれば文庫本のひとつくらい片づけれる。
まぁ、おれはゆとりがある人間だから各々の支度が終わるまでぼ~っと庭を眺めている。
東京の副都心は前年同様に異常な暑さが続いていた。猛暑というよりは酷暑だ。この分だと来年はさらに暑くなっていることだろう。猛暑、酷暑ときたら次は獄暑とでもいうのだろうか。
おれはバカみたいなことを考えながら、猫の額ほどの庭に目をやった。
青々とした葉が生い茂るキンモクセイの木陰でバロンが長く伸びている。
側の花壇では暑さも関係なしに咲いている向日葵は、首を高く長く伸ばして、満開の花で太陽の光を受け止めていた。
去年は残念なことに株の半数が枯れてしまったが今年の花の咲き具合はおれのなかではひかえめにいって最高の満点だった。
これだけ見事に花をつけるんだから土いじりは止められない。
アンタも暇と土があるなら花を育てるといいよ。
「師匠、おまたせしましたやよ。」
独特の語尾つきの声がしておれは振り返った。
普段は似合いもしない黒いスーツ姿からいっぺんして浅葱色のダンダラ模様の羽織に、クリームカラーの上着で胸元にはピンクのリボンタイ。襟とスカートがあっさりしたブルーカラーで裾からは白いレースがヒラヒラしている。
「どうですかやよ…?」
「……どうもこうも、なんで愛津女学園の制服着てんの?」
「いやぁ…正直他にお出かけ用の服というものが無くて、スーツ以外だとこれしかありませんでしたやよ。それにこれも普通に普段着としてもおかしくないですやよ。」
隣に腰を降ろして、デコはテヘへと笑った。
あきれておれはいった。
「お前なぁ。おれが言うのもなんだが年ごろの女の子なんだから、もう少し身だしなみやおしゃれに気を使えよ。」
「じゃあ、師匠と…」
「和柄はダメだ。」
「なんでですかやよ?!」
「お前にこんな柄のが似合うわけないだろ…。普通のにしなさい。」
「じゃあこのままで」
話にならないと思った。
まぁ、おれがとやかくいっても仕方ないんだが。
それにしてもひとつだけ疑問があったので、おれはいった。
「っか、なんで一時間もかかったんだ?」
「いえ、私はすぐに準備できたんですがカゲコさんと駒狸さんがまだ準備していたので待ってましたやよ」
「っで、その二人は?」
「まだ準備してますやよ。」
いったいいつになったら出掛けれるのか解ったもんじゃないと思った。