空二花ヲ屋形ハ流ルル
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屋根の上は思っていたよりは安定した。
けど、気を付けないと揺れてはいるので落ちてしまったらシャレにならない。
滑らないように瓦と瓦の間を踏んで優日の隣まで歩いて行き、先に翡翠を降ろしてから俺も座った。
「悠、まぁ駆けつけ一杯」
コイツはひとりで運んだのか酒瓶一本とツマミの盛ってある小皿をいくつか並べていた。
それによく見たら優日の膝には月美ちゃんが座っている。
「もしかして、二人はずっとここに?」
月美ちゃんは嬉しそうにいった。
「あのね、あのね、優日おねーちゃんがここにいたら花火がいちばんよく見えるって教えてくれたのー。ねー?」
優日は月美ちゃんと揃えてねーっといった。
この二人こんなに仲良かったのか。
手酌で酒を注いでいると翡翠が何かを探るような目で俺を見た。
「どうかしたか?」
「………おひざ…」
「膝?膝……あ、座るか?」
俺は胡座を広めにかいてポンポンッと太ももを叩いた。
翡翠はソッと腰を降ろして胸に頭を預けてくる。
ときどき頭を座りのいい位置を探して頭をクリクリと揺らす。
そのたびに髪が擦れてこそばゆい。
「ね、ね、悠」
「あー?」
「膝もう一人くらいいけるよね?」
質問の意味がよくわからなかっだが俺はとりあえずうなずいた。
優日はニコッと笑った。
どこかイタズラ心のあるような笑顔。
「私ちょっと足が痺れちゃってね。月美ちゃんも横に座らせたげて」
「あぁ、そんな事か。嫌じゃなかったらおいで。」
月美ちゃんはすぐに俺の膝に座って、翡翠と同じように頭をクリクリと揺らす。
右に翡翠、左に月美ちゃんを乗せるとさすがに狭くなったけど二人が喜んでるみたいだし良いとしよう。
そうしてる内にパンッと音が鳴って、夜空に火の花が咲いた。
ポンッポンッと赤や青、どんどん花火が上がりはじめる。
「わぁ~ひすいちゃん、花火はじまったよ」
「…きれい…」
花火に釘付けになる二人の少女。なかなか絵になるじゃないか、俺はとなりを見た。
優日はグラスを俺の方に向けて声を出さずにいった。
「(そのままじゃ、飲めないでしょ。はい、飲ませたげる)」
どうせなら口移しに飲ませてくれたらいいのに、なんてつまらない願望も持ちながら俺はグラスに口をつけた。
甘口の日本酒が流れていく。
優日は俺の喉がコクっコクっと動くのを見てからまたイタズラっぽく笑って口だけを動かしたら。
「(間接キスだね)」
「ゴホッゴホッ…」
俺が咳き込むと、翡翠と月美ちゃんがどうしたのと見上げてくる。
俺は何でもないといって、優日を睨んだがもうこっちは見てなくて花火に集中していた。
やれやれ、この後どう反撃してやろうかと考えながら俺も花火を見つめた。
だって、宴会はまだまだ続くんだからな……
END
けど、気を付けないと揺れてはいるので落ちてしまったらシャレにならない。
滑らないように瓦と瓦の間を踏んで優日の隣まで歩いて行き、先に翡翠を降ろしてから俺も座った。
「悠、まぁ駆けつけ一杯」
コイツはひとりで運んだのか酒瓶一本とツマミの盛ってある小皿をいくつか並べていた。
それによく見たら優日の膝には月美ちゃんが座っている。
「もしかして、二人はずっとここに?」
月美ちゃんは嬉しそうにいった。
「あのね、あのね、優日おねーちゃんがここにいたら花火がいちばんよく見えるって教えてくれたのー。ねー?」
優日は月美ちゃんと揃えてねーっといった。
この二人こんなに仲良かったのか。
手酌で酒を注いでいると翡翠が何かを探るような目で俺を見た。
「どうかしたか?」
「………おひざ…」
「膝?膝……あ、座るか?」
俺は胡座を広めにかいてポンポンッと太ももを叩いた。
翡翠はソッと腰を降ろして胸に頭を預けてくる。
ときどき頭を座りのいい位置を探して頭をクリクリと揺らす。
そのたびに髪が擦れてこそばゆい。
「ね、ね、悠」
「あー?」
「膝もう一人くらいいけるよね?」
質問の意味がよくわからなかっだが俺はとりあえずうなずいた。
優日はニコッと笑った。
どこかイタズラ心のあるような笑顔。
「私ちょっと足が痺れちゃってね。月美ちゃんも横に座らせたげて」
「あぁ、そんな事か。嫌じゃなかったらおいで。」
月美ちゃんはすぐに俺の膝に座って、翡翠と同じように頭をクリクリと揺らす。
右に翡翠、左に月美ちゃんを乗せるとさすがに狭くなったけど二人が喜んでるみたいだし良いとしよう。
そうしてる内にパンッと音が鳴って、夜空に火の花が咲いた。
ポンッポンッと赤や青、どんどん花火が上がりはじめる。
「わぁ~ひすいちゃん、花火はじまったよ」
「…きれい…」
花火に釘付けになる二人の少女。なかなか絵になるじゃないか、俺はとなりを見た。
優日はグラスを俺の方に向けて声を出さずにいった。
「(そのままじゃ、飲めないでしょ。はい、飲ませたげる)」
どうせなら口移しに飲ませてくれたらいいのに、なんてつまらない願望も持ちながら俺はグラスに口をつけた。
甘口の日本酒が流れていく。
優日は俺の喉がコクっコクっと動くのを見てからまたイタズラっぽく笑って口だけを動かしたら。
「(間接キスだね)」
「ゴホッゴホッ…」
俺が咳き込むと、翡翠と月美ちゃんがどうしたのと見上げてくる。
俺は何でもないといって、優日を睨んだがもうこっちは見てなくて花火に集中していた。
やれやれ、この後どう反撃してやろうかと考えながら俺も花火を見つめた。
だって、宴会はまだまだ続くんだからな……
END