空二花ヲ屋形ハ流ルル
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夏休みも半ばとなり、夏は季節の中心を陣取っていた。
しかも、今日は例年に比べても酷いくらいの暑さだ。
いつもの巡回コースを散歩しようと思ったが、遠くにカゲロウが揺らめくのを見たら歩みも止まってしまう。
今日はガキの王様から呼び出しを受けているので、ラスタにいってから池袋西口公園をゆっくりクルーズしつつビックリガードを抜けて、東口公園を、ひと回りしてラーメン屋和辰にいくつもりだったんだけど……
止めにした。
もう少し日が落ちてからにしよう。
炎天下のなか歩き回って日射病にでもなったら大変だしな。
人もまばらな副都心の街道は歩きやすいけど、どこか寂しい街中を俺は日陰に身を潜めながらボトボト歩き始めた。
「あっちい…」
駅からそれほど遠くない距離を歩いただけでゆだりそうだった。
アスファルトに 汗が落ちるとジュッと音がするくらいに熱く焼けている。
こんなことならタカシの呼び出しを受けるんじゃなかったと口のなかで文句をいった。
断ったら断ったで怖いんだけどな。
ビルとビルの間にひっそりと口を開いた地下への入り口、日中でも光がはいらない位置にあるので薄暗い。
夜になれむき出しの白熱球が点灯しているが、今は昼なのでそれもついてはいない。
俺は壁に手をついて地下の隠しダンジョンとでも連想させる階段をおりていった。
準備中と書かれたプレートが下がっているドアをあけて、中に入った。
普段はけたたましいほどの音楽と大型の獣の心音のようなバスがうなっている店内も今はお通夜のようにシンっとしていた。
誰か呼ぶのもめんどくさかったので、VIPルームに進んだ。
どうせ上でいるんだし呼び出したのは向こうなんだから、いちいち許可を得る必要はないだろう。
いつも勝手に上入ってるし。
地下におりて、木戸をあけて、また階段を上がって、今度はガラス戸をあけて俺はやっと王様を発見した。
奴は真っ赤なベロアのソファにゆったりと背を預けて腰掛けている。
目を閉じてるだけなのか、寝てるのかは分からないがムカつくほど絵になっている。
そばには本郷が立っていて直立不動のままこっちを見た。
俺はその視線を気にせずに近づきながらいった。
「よう、ソファが空いてるんだしアンタも座ったらどうだ?立ちんぼはつらいだろ。」
「……」
冗談は無視。
それどころかサングラスをしてるのにおもいっきり睨まれてる気がした。
俺はおっかなくなって本郷から王様の方へと顔をそむ向けた。
やつはいつから目を開けていたのか、あきれたように言った。
「お前は本当に俺の部下を怒らせるのは天才的だな。」
「うっさいな。怒らせるのがうまいんじゃなくお前らは教養ってもんが足りてないんだよ。」
崇は馬鹿にしたようにふんっと鼻を鳴らした。
俺を無視して用件を切り出してくる。
「お前、今回の合同集会の話は聞いてるだろ。」」
「あー、東西秋葉でのか」
合同集会とは名ばかで、夏に浮かれたバカガキの相手に疲れた上位ランカーのガス抜きをするとかいうメールが来てたのを思い出した。
「あぁ、それでだ。お前には個別にいっておかないと顔を出さないと思って先に呼び出した。日程や細かいことなんかはこれに記載してある。目を通しておけ。」
崇が指を弾くと、本郷が俺のまえにA4サイズの用紙を置いた。
手の込んだグラデーション印刷、作ったのは禅か誰かだろう。
それを手に取ると崇が言った。
「じゃあ、もう帰っていいぞ。」
いつかこいつをギロチンにかけてやる。
しかも、今日は例年に比べても酷いくらいの暑さだ。
いつもの巡回コースを散歩しようと思ったが、遠くにカゲロウが揺らめくのを見たら歩みも止まってしまう。
今日はガキの王様から呼び出しを受けているので、ラスタにいってから池袋西口公園をゆっくりクルーズしつつビックリガードを抜けて、東口公園を、ひと回りしてラーメン屋和辰にいくつもりだったんだけど……
止めにした。
もう少し日が落ちてからにしよう。
炎天下のなか歩き回って日射病にでもなったら大変だしな。
人もまばらな副都心の街道は歩きやすいけど、どこか寂しい街中を俺は日陰に身を潜めながらボトボト歩き始めた。
「あっちい…」
駅からそれほど遠くない距離を歩いただけでゆだりそうだった。
アスファルトに 汗が落ちるとジュッと音がするくらいに熱く焼けている。
こんなことならタカシの呼び出しを受けるんじゃなかったと口のなかで文句をいった。
断ったら断ったで怖いんだけどな。
ビルとビルの間にひっそりと口を開いた地下への入り口、日中でも光がはいらない位置にあるので薄暗い。
夜になれむき出しの白熱球が点灯しているが、今は昼なのでそれもついてはいない。
俺は壁に手をついて地下の隠しダンジョンとでも連想させる階段をおりていった。
準備中と書かれたプレートが下がっているドアをあけて、中に入った。
普段はけたたましいほどの音楽と大型の獣の心音のようなバスがうなっている店内も今はお通夜のようにシンっとしていた。
誰か呼ぶのもめんどくさかったので、VIPルームに進んだ。
どうせ上でいるんだし呼び出したのは向こうなんだから、いちいち許可を得る必要はないだろう。
いつも勝手に上入ってるし。
地下におりて、木戸をあけて、また階段を上がって、今度はガラス戸をあけて俺はやっと王様を発見した。
奴は真っ赤なベロアのソファにゆったりと背を預けて腰掛けている。
目を閉じてるだけなのか、寝てるのかは分からないがムカつくほど絵になっている。
そばには本郷が立っていて直立不動のままこっちを見た。
俺はその視線を気にせずに近づきながらいった。
「よう、ソファが空いてるんだしアンタも座ったらどうだ?立ちんぼはつらいだろ。」
「……」
冗談は無視。
それどころかサングラスをしてるのにおもいっきり睨まれてる気がした。
俺はおっかなくなって本郷から王様の方へと顔をそむ向けた。
やつはいつから目を開けていたのか、あきれたように言った。
「お前は本当に俺の部下を怒らせるのは天才的だな。」
「うっさいな。怒らせるのがうまいんじゃなくお前らは教養ってもんが足りてないんだよ。」
崇は馬鹿にしたようにふんっと鼻を鳴らした。
俺を無視して用件を切り出してくる。
「お前、今回の合同集会の話は聞いてるだろ。」」
「あー、東西秋葉でのか」
合同集会とは名ばかで、夏に浮かれたバカガキの相手に疲れた上位ランカーのガス抜きをするとかいうメールが来てたのを思い出した。
「あぁ、それでだ。お前には個別にいっておかないと顔を出さないと思って先に呼び出した。日程や細かいことなんかはこれに記載してある。目を通しておけ。」
崇が指を弾くと、本郷が俺のまえにA4サイズの用紙を置いた。
手の込んだグラデーション印刷、作ったのは禅か誰かだろう。
それを手に取ると崇が言った。
「じゃあ、もう帰っていいぞ。」
いつかこいつをギロチンにかけてやる。