最凶の相手・続
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階段を降りていくとだんだんといい香りがしてきた。匂いからして今朝は味噌汁に焼き魚かな。
和食派の俺には嬉しい好み。
広間の扉を開けて、テーブルを見る。
稲葉とまおはもう定位置に座っているので準備は済んでいるみたいだ。
俺は先に顔でも洗おうかと考えていたが、自分の席につく。
レディを待たせるのはよくないしな。
「って…なんだこれ…」
俺は並べられている料理に首をかしげた。
トースト、焼き鮭、スクランブルエッグ、味噌汁、納豆、ヨーグルト…和洋折衷というよりアンバランス。
ちなみに稲葉はトースト、コーヒー、スクランブルエッグヨーグルト。
真桜はご飯、味噌汁、焼き鮭、納豆、つけもの。
どこもおかしくない。
バカみたいにポカン口をあけている俺を他所にいただきますっと行儀よく手を合わせて二人は食事をはじめた。
「すいません。なんで俺はアンバランスブレックファーストなんですか?」
稲葉がいった。
「あら、朝から二人の女性に手作りの料理を食べさせてもらえるなんて幸せじゃない。」
「そうだな。そうじゃなくて!なんでまぜた!俺もどっちかにしろよ。」
「るせーなの。今朝の料理当番はテメェだったなの。忘れて寝てたくせに黙って食えなのー。」
うちのまおが上品ですまないな。
声に出さないように口のなかで俺が悪いのかよっといった。
「「そうね(なの)」」
「……」
地獄耳…。
これだから女が結託するとろくなことがない。
俺は心で泣きながらトーストをかじって味噌汁で流し込んだ。
飯を食い終わって稲葉たちは洗い物をはじめたので俺はテレビのニュースを聞きながら、新聞を広げた。
たいして気になるような記事もないのでほとんどは右から左への流し読み。
やっぱり本物の面白いネタは街にでて歩かないと見つからないものなのだ。
くだらない事でも人と関わっていくのが生きていくって事なんじゃないかと思う。
俺は窓の外を見た。
小春日和にはちょっと暑いくらいの日差しは五月晴れのようだ。
飼い犬のバロンも木陰のしたで身体を必死に丸めている。
穏やかな春の一日をどうやってすごそうかと考えてると俺の携帯が唸った。
「はい誰だ?」
『あ、悠、おれ、おれ~』
今どきオレオレ詐欺とは古いな…いや、電話詐欺はいつも最先端とは限らないのが手口かも…。
バカな事を考えながら俺はため息まじりにいった。
「悪いけど、うちは貧乏だから金は振り込めないぞ」
電話の向こうで笑い声が聞こえた。
この詐欺師は、笑いの沸点が非常に低いのだ。
「っで、紅なんの用だよ。」
『遊びにいくから。てか、今いってるから』
事後承諾。
俺は壁の向こうで頭ひとつ分飛び出て歩いている電話の相手を見つけた。
「……お前、今どこにいる?」
『今は玄関前』
さようなら、春の一日。
いらっしゃい、騒がしい一日。
和食派の俺には嬉しい好み。
広間の扉を開けて、テーブルを見る。
稲葉とまおはもう定位置に座っているので準備は済んでいるみたいだ。
俺は先に顔でも洗おうかと考えていたが、自分の席につく。
レディを待たせるのはよくないしな。
「って…なんだこれ…」
俺は並べられている料理に首をかしげた。
トースト、焼き鮭、スクランブルエッグ、味噌汁、納豆、ヨーグルト…和洋折衷というよりアンバランス。
ちなみに稲葉はトースト、コーヒー、スクランブルエッグヨーグルト。
真桜はご飯、味噌汁、焼き鮭、納豆、つけもの。
どこもおかしくない。
バカみたいにポカン口をあけている俺を他所にいただきますっと行儀よく手を合わせて二人は食事をはじめた。
「すいません。なんで俺はアンバランスブレックファーストなんですか?」
稲葉がいった。
「あら、朝から二人の女性に手作りの料理を食べさせてもらえるなんて幸せじゃない。」
「そうだな。そうじゃなくて!なんでまぜた!俺もどっちかにしろよ。」
「るせーなの。今朝の料理当番はテメェだったなの。忘れて寝てたくせに黙って食えなのー。」
うちのまおが上品ですまないな。
声に出さないように口のなかで俺が悪いのかよっといった。
「「そうね(なの)」」
「……」
地獄耳…。
これだから女が結託するとろくなことがない。
俺は心で泣きながらトーストをかじって味噌汁で流し込んだ。
飯を食い終わって稲葉たちは洗い物をはじめたので俺はテレビのニュースを聞きながら、新聞を広げた。
たいして気になるような記事もないのでほとんどは右から左への流し読み。
やっぱり本物の面白いネタは街にでて歩かないと見つからないものなのだ。
くだらない事でも人と関わっていくのが生きていくって事なんじゃないかと思う。
俺は窓の外を見た。
小春日和にはちょっと暑いくらいの日差しは五月晴れのようだ。
飼い犬のバロンも木陰のしたで身体を必死に丸めている。
穏やかな春の一日をどうやってすごそうかと考えてると俺の携帯が唸った。
「はい誰だ?」
『あ、悠、おれ、おれ~』
今どきオレオレ詐欺とは古いな…いや、電話詐欺はいつも最先端とは限らないのが手口かも…。
バカな事を考えながら俺はため息まじりにいった。
「悪いけど、うちは貧乏だから金は振り込めないぞ」
電話の向こうで笑い声が聞こえた。
この詐欺師は、笑いの沸点が非常に低いのだ。
「っで、紅なんの用だよ。」
『遊びにいくから。てか、今いってるから』
事後承諾。
俺は壁の向こうで頭ひとつ分飛び出て歩いている電話の相手を見つけた。
「……お前、今どこにいる?」
『今は玄関前』
さようなら、春の一日。
いらっしゃい、騒がしい一日。