桜楼王華
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「俺の聞き違いか?」
タカシはグラスを軽く揺らして口に運んだ。
コクン、コクンと喉をならしす。
三十度オーバーのウィスキーの飲み方じゃないよな。量だけなら俺の方が呑めるだろうけど、あの飲み方は真似できない。
きっと、あの喉はなにか特別な物ででできてるに違いない。
俺が唖然としてると王様はいった。
「お前はいちいち憎たらしいな。」
「いや、普通に驚いたから聞き直したんだけど…」
氷室さんが小さく笑った。こちらはタカシとは対称的にチビりチビりと優雅にグラスを傾けていてまだ半分も飲んでいない。
「けど、私もタカシの気持ちわかりますよ。なにせ、我々はなぜか悠さんの手料理に舌づつみを打つ機会がありませんでしたからね。」
言われてみればそうかもしれない。
どちらかと飯を食いにいく事はあってもわざわざ俺の家に来て、手料理を出すなんて話しにはならないし。
「っか、別に食いたいと思うほどのもんじゃないだろ。」
「そうでもありませんよ。このお寿司にしても下手なお店の物より美味しいです。」
「止めれって。褒めても何もでないぞ。」
氷室さんはまた微笑んだ。
つい気を許してしまいそうになるくらい優しい笑顔だ。
「何も要りませんよ。ですが、是非また手料理をごちそうしていただきたいです。ねぇ、崇?」
話の矛先を変えながら絶妙なタイミングで氷室さんは王様のグラスにウィスキーを注ぐ。
対した気配りだ。
「そうだな。悠が店でもやるなら毎日足を運ぶのも悪くないな。」
俺は返事に困った。
王様なりのジョークなのか本気なのかがホントにわかりずらい。
「まぁ、俺の料理は置いといてさ。二人って息ぴったりだよな。」
「私たちは古くからの付き合いですからね。」
「そんなに長いのか?」
氷室さんはやっとグラスを空けた。
崇が四杯やって一杯のペースだ。
「えぇ、小学生からずっと一緒ですよ。あ、ちなみに鈴猫さんもです。」
俺は氷室さんのグラスに酒を注いだ。
また、風が吹いてハラハラと桜の花びらが散り始める。
「聞いてみたいな。昔話。」
「ふふ、昔もなにも崇は崇のままですよ。ホントに何も変わりません。」
俺は王様を見た。
見間違いかもしれないけど、一瞬だけ固まったように思った。
「……変わらないのはお前だろ。薫。気がつけばいつも近くにいてわざわざ俺に関わってくる。」
「仕方ないじゃないですか。貴方といると飽きない。それに大事なツレ(親友)ですからね」
飲んでた酒を口の端から溢しそうになった。
氷室さんみたいな人にそんなに台詞をナチュラルに言われたら俺ならコロリと落とされてしまう気がしたからな。
けど、王様は王様だった。
「気持ち悪。」
「おや、酷いですね。」
俺たちは腹を抱えて笑った。
酒がいい感じに回ってきてるせいもあるのか、なんだか今のやり取りがとてつもなく面白かった。
タカシはグラスを軽く揺らして口に運んだ。
コクン、コクンと喉をならしす。
三十度オーバーのウィスキーの飲み方じゃないよな。量だけなら俺の方が呑めるだろうけど、あの飲み方は真似できない。
きっと、あの喉はなにか特別な物ででできてるに違いない。
俺が唖然としてると王様はいった。
「お前はいちいち憎たらしいな。」
「いや、普通に驚いたから聞き直したんだけど…」
氷室さんが小さく笑った。こちらはタカシとは対称的にチビりチビりと優雅にグラスを傾けていてまだ半分も飲んでいない。
「けど、私もタカシの気持ちわかりますよ。なにせ、我々はなぜか悠さんの手料理に舌づつみを打つ機会がありませんでしたからね。」
言われてみればそうかもしれない。
どちらかと飯を食いにいく事はあってもわざわざ俺の家に来て、手料理を出すなんて話しにはならないし。
「っか、別に食いたいと思うほどのもんじゃないだろ。」
「そうでもありませんよ。このお寿司にしても下手なお店の物より美味しいです。」
「止めれって。褒めても何もでないぞ。」
氷室さんはまた微笑んだ。
つい気を許してしまいそうになるくらい優しい笑顔だ。
「何も要りませんよ。ですが、是非また手料理をごちそうしていただきたいです。ねぇ、崇?」
話の矛先を変えながら絶妙なタイミングで氷室さんは王様のグラスにウィスキーを注ぐ。
対した気配りだ。
「そうだな。悠が店でもやるなら毎日足を運ぶのも悪くないな。」
俺は返事に困った。
王様なりのジョークなのか本気なのかがホントにわかりずらい。
「まぁ、俺の料理は置いといてさ。二人って息ぴったりだよな。」
「私たちは古くからの付き合いですからね。」
「そんなに長いのか?」
氷室さんはやっとグラスを空けた。
崇が四杯やって一杯のペースだ。
「えぇ、小学生からずっと一緒ですよ。あ、ちなみに鈴猫さんもです。」
俺は氷室さんのグラスに酒を注いだ。
また、風が吹いてハラハラと桜の花びらが散り始める。
「聞いてみたいな。昔話。」
「ふふ、昔もなにも崇は崇のままですよ。ホントに何も変わりません。」
俺は王様を見た。
見間違いかもしれないけど、一瞬だけ固まったように思った。
「……変わらないのはお前だろ。薫。気がつけばいつも近くにいてわざわざ俺に関わってくる。」
「仕方ないじゃないですか。貴方といると飽きない。それに大事なツレ(親友)ですからね」
飲んでた酒を口の端から溢しそうになった。
氷室さんみたいな人にそんなに台詞をナチュラルに言われたら俺ならコロリと落とされてしまう気がしたからな。
けど、王様は王様だった。
「気持ち悪。」
「おや、酷いですね。」
俺たちは腹を抱えて笑った。
酒がいい感じに回ってきてるせいもあるのか、なんだか今のやり取りがとてつもなく面白かった。