桜楼王華
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「まぁ、座ってもらってアレだけど、リアルにまだ準備も出来てないんだよな。軽いツマミくらいならすぐにもってこれるけど。」
「では、先に軽くやりませんか。」
俺が頭をかいていると氷室さんは持っていた紙袋からボックスティシュ位の大きさの瓶を取り出して掲げる。
銘柄には「桜楼」と粋な名前がついていた。
「悠さんは日本酒がお好きだと聞いてましたからね。とりあえず高そうなのを選んで来ました。」
「悪い。気を使わせたかな。」
俺は瓶を受け取ってラベルを見た。
普段呑まないようなかなりいいお酒だ。
氷室さんは更に酒瓶を二本出して並べている。
「いえいえ、此方は全てタカシの奢りですから。お礼は彼方に。」
俺は座蒲団に座っても絵になる王さまに礼をいった。
「いいさ。どうせ、ほかの事は「全部」お前がやるんだからな。」
そうなのだ。
今回花見を提案したのは他でもない俺で、しかも料理から何からを引き受けている。
「それにしても場所取りは正解でしたね。小さいながらも桜の木の真下で陣取れていますし。」
「悠の庭だけどな。」
一言多い王様だ。
「仕方ないだろ。だいたい家になった原因の半分はタカシのせいだろ!」
王様は鼻で笑った。
本当は西口公園の桜でやりたかったけど、タカシや氷室さんが揃って花見なんかしたらガキが集まって祭り騒ぎになってしまう。
それに…この二人は他の場所でも目立つのだ。
「今回は女、部下無しの花見だってのに……アンタらが動けば何かしらのオマケがついてくるから俺んちになったんだろ!」
「いやいや、私は一人行動が多いですから大丈夫ですよ。問題はタカシですよ。今日だって結局、本郷君にはバレてましたし。」
「バレるも何も本郷は初めから知ってたから問題ない。それにアイツは呼ばない限り顔を出さない。」
俺は微妙に気になって聞いた。
「え、じゃあ今は?」
「俺らを送ったら消えた。その辺をドライブしてるんじゃないか。」
「本郷さんは良い方ですよね。くれませんか?」
鼻で笑って一蹴する王様。
どーでも良いことだけど、少しばかり本郷は素直過ぎじゃないかと思う。
どれだけタカシを崇拝してるか知らないけど呼び出されて足に使われるのを当然とやるんだからなぁ…
時給が発生してもおかしくないのに。
これもアレか。
持つものと持たざるものの差というやつなのか。
俺が格差社会の謎について考えていると目の前にグラスなんかが乗ったお盆が落ちてきた。
酒瓶を腋に抱えて両手でキャッチする。
「っぶねぇ?!」
「なにブツブツいってるなの。」
顔をあげると真桜がいた。本日の薄いワンピースはサクラピンク。
「これは、秋宵月さん。こんにちは。お邪魔させていただいてます。」
「……」
丁寧すぎる挨拶の氷室さんと軽く顎先の会釈だけのタカシ。
真桜はどちらも関心なくうなずき返した。
「では、先に軽くやりませんか。」
俺が頭をかいていると氷室さんは持っていた紙袋からボックスティシュ位の大きさの瓶を取り出して掲げる。
銘柄には「桜楼」と粋な名前がついていた。
「悠さんは日本酒がお好きだと聞いてましたからね。とりあえず高そうなのを選んで来ました。」
「悪い。気を使わせたかな。」
俺は瓶を受け取ってラベルを見た。
普段呑まないようなかなりいいお酒だ。
氷室さんは更に酒瓶を二本出して並べている。
「いえいえ、此方は全てタカシの奢りですから。お礼は彼方に。」
俺は座蒲団に座っても絵になる王さまに礼をいった。
「いいさ。どうせ、ほかの事は「全部」お前がやるんだからな。」
そうなのだ。
今回花見を提案したのは他でもない俺で、しかも料理から何からを引き受けている。
「それにしても場所取りは正解でしたね。小さいながらも桜の木の真下で陣取れていますし。」
「悠の庭だけどな。」
一言多い王様だ。
「仕方ないだろ。だいたい家になった原因の半分はタカシのせいだろ!」
王様は鼻で笑った。
本当は西口公園の桜でやりたかったけど、タカシや氷室さんが揃って花見なんかしたらガキが集まって祭り騒ぎになってしまう。
それに…この二人は他の場所でも目立つのだ。
「今回は女、部下無しの花見だってのに……アンタらが動けば何かしらのオマケがついてくるから俺んちになったんだろ!」
「いやいや、私は一人行動が多いですから大丈夫ですよ。問題はタカシですよ。今日だって結局、本郷君にはバレてましたし。」
「バレるも何も本郷は初めから知ってたから問題ない。それにアイツは呼ばない限り顔を出さない。」
俺は微妙に気になって聞いた。
「え、じゃあ今は?」
「俺らを送ったら消えた。その辺をドライブしてるんじゃないか。」
「本郷さんは良い方ですよね。くれませんか?」
鼻で笑って一蹴する王様。
どーでも良いことだけど、少しばかり本郷は素直過ぎじゃないかと思う。
どれだけタカシを崇拝してるか知らないけど呼び出されて足に使われるのを当然とやるんだからなぁ…
時給が発生してもおかしくないのに。
これもアレか。
持つものと持たざるものの差というやつなのか。
俺が格差社会の謎について考えていると目の前にグラスなんかが乗ったお盆が落ちてきた。
酒瓶を腋に抱えて両手でキャッチする。
「っぶねぇ?!」
「なにブツブツいってるなの。」
顔をあげると真桜がいた。本日の薄いワンピースはサクラピンク。
「これは、秋宵月さん。こんにちは。お邪魔させていただいてます。」
「……」
丁寧すぎる挨拶の氷室さんと軽く顎先の会釈だけのタカシ。
真桜はどちらも関心なくうなずき返した。