次の日の木曜日も昨日と同じくらいの時間からスタートした。

千草はホールトマトを潰しているので、俺は長ネギ、ニンニク、獅子唐をみじん切りにした。

「これ昨日のオニオンストックと一緒に煮込めばいいの？」

「おう、鍋にニンニクと油を入れて弱火で炒めてくれ香りが出たらホールトマトを入れて混ぜながら十分ほど中火で煮込んでくれ。」

了解っと敬礼の真似をして千草は鍋を煮込み始める。
俺はその間に中華鍋で長ネギ三本と獅子唐二十本のみじん切りを強火で炒めて鍋の中に入れた。

「ここでエノキとデミグラスソースも入れていいのよね。」

「おう。混ぜたあとに、バジルとオレガノは香りつける程度入れてくれ。それから塩を入れて弱火で三十分煮込んだらスープの完成だ。」

千草は木ベラで鍋を混ぜながらいった。

「これでやっと半分ね。」

「そだな。そっちはやっててくれ俺はハンバーグとソース作ってるから。」

ボウルに牛こま切れ肉と牛ミンチ、豚ミンチ、塩を入れて全体に粘りけがでるまで俺は肉コネを始めた。
手の甲でギュッと圧縮して揉みほぐす。

そんな俺をみてか千草がいった。

「…なんか、ごめんね。付き合わせて。」

俺はいった。

「気持ち悪る。」

「気持ち悪いってなによ！アンタ人が謝ってるのに」

「あのなぁ…別に謝ることなんかしてないだろ。いいから鍋焦がすなよ。」

「わかってるわよ！」

プリプリ怒る千草を他所に俺はよく混ざってきたミンチにシイタケと長ネギをこま微塵にした物を混ぜ合わせた。

これでタネは完成した。

それと同時に店のドアが開いて誰かが中に入ってきた。

「こんにちは」
「ちわっす。」
「お邪魔しますかな。」
「うっす」

千草は突然の来客に目を丸くした。

「あれ、ゆー(優日)、ともき、雪、センヤ…どしたの？」

ユウヒとコユキが交互にいった。

「悠に呼ばれてお手伝いにきたよ。」

「チグサちゃんも水くさいかな。いってくれたらはじめから手伝ったのにかな。」

流石に二人でハンバーグを数十個も焼くのは時間が足りない。
俺がいった。

「どんどん丸めてくから焼いていってくれ。」

「じゃあ、私も丸めるね。」

「私もやるかな。」

手際よく、ユウヒとコユキがタネの形を整えて空気を抜くために手で上下するように叩いてまとめる。

流石俺の知るなかではかなり料理上手な二人だ。
ちゃんと手にサラダ油を塗って煮崩れしないように5～6センチでつくっている。

「じゃ、俺らもやりますか。」

「あぁ。」

ともきとセンヤがフライパンでドンドンハンバーグを焼き始めた。

この二人も流石だ両面の表面に焦げ色がつく程度強火で焼いていっている。

それから二時間くらいしてやっとハンバーグが全部焼き終り。

大鍋にハンバーグをいれて煮崩れしないようにゆっくりと混ぜながら中火にかけ煮込み始めた。

「これで終りだな。」

「あとはゆっくりじっくり煮込めば完成みたいだし。」

一息着いてるとチグサが鍋の火を止めていった。

「皆…ほんとうにありがとうね。完成したのみんなのおかげだよ。」