繋がる昔×伝わる今
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下ごしらえを始める約束をした水曜日になって、俺は千草が帰ってくる頃を見計らって男爵に向かった。
時刻は五時前、夏は日が高くまだまだ夕方じゃないような明るさだ。
できればもう少し気温が下がってくれたら過ごしやすいのにな…。
児童公園を越えて少し歩いてるとタイミングが良かったらしく千草が店の鍵を開けていた。
「よっす。」
「ちっす。ってか、アンタ私服って…学校いってないでしょ。」
正解。
俺は口笛を吹いて誤魔化した。
千草は首を左右に振って店のドアを開けてドウゾっとハンドサインをした。
ー男爵(厨房)ー
俺は頭をタオルでしっかり縛り、普段はトドロキさんが使ってる濃いグレーのエプロンを装着した。
「エノキは干しといたか?」
ウェーブ掛かった髪を後ろで結わえながら千草はいった。
「勿論、ちゃんと五ミリの長さに切って二日間大ザルで干したわよ。」
「……」
「あによ。」
「いやー…髪結わえてる姿って萌えるんだよ。」
「髪フェチめ。いいからとっとと準備して。」
へいへい、俺はまな板と包丁を水洗いしてタマネギを並べた。
その数二十個。
千草は大きな鍋を準備してから俺の隣に並んでいった。
「うひゃあ…壮観だ。」
「まぁ、普通こんなにはタマネギ使わないしな。…ま、ノルマは一人十個だ。やるぞ。」
「はいよ。」
コッと軽く拳をぶつけ合ってタマネギをきざみ始めた。
ザクザクザク…
ザクザクザク…
薄くスライスしはじめて数分で眼にしみてきた。
涙でタマネギが見えません!
「く~~やっぱりしみるな~。」
「私みたいにゴーグル着けたらいいのに。」
「おま…いつのまに…」
何とかタマネギを全部きざみ終えてバターと一緒に大鍋に入れて焦がさないように混ぜながら中火で炒め始める。
「これ続ければいいんだっけ?」
俺は包丁なんかをジャブジャブと洗いながらいった。
「あぁ、タマネギから水分がでてしんなりしてきたら強火にして一気に水分を飛ばしてくれ。んで、全体が薄いきつね色になったら弱火な。丁寧に混ぜながら六時間炒めたら完成だ…一時間交代でいこう。」
「オッケ。」
一時間毎に、俺は千草と交代してタマネギを炒め続けた。
腰と肩が痛くなってきた頃にやっと炒め終り鍋いっぱいにあったタマネギはこんがりとミソみたいな塊になっている。
「ん~~はー…十一時だよ。私はもう今日はここで泊まってくわ。」
「そうか、じゃ俺は帰るからまた明日な。」
「うん。ありがと、お疲れさま。」
エプロンを適当に畳んで俺は男爵を出た。
外は真っ暗で風も冷たくなっていたがずっと鍋をかき回してた俺にはちょうどいい温度だった。
さぁて…明日はスープ作りだ。
時刻は五時前、夏は日が高くまだまだ夕方じゃないような明るさだ。
できればもう少し気温が下がってくれたら過ごしやすいのにな…。
児童公園を越えて少し歩いてるとタイミングが良かったらしく千草が店の鍵を開けていた。
「よっす。」
「ちっす。ってか、アンタ私服って…学校いってないでしょ。」
正解。
俺は口笛を吹いて誤魔化した。
千草は首を左右に振って店のドアを開けてドウゾっとハンドサインをした。
ー男爵(厨房)ー
俺は頭をタオルでしっかり縛り、普段はトドロキさんが使ってる濃いグレーのエプロンを装着した。
「エノキは干しといたか?」
ウェーブ掛かった髪を後ろで結わえながら千草はいった。
「勿論、ちゃんと五ミリの長さに切って二日間大ザルで干したわよ。」
「……」
「あによ。」
「いやー…髪結わえてる姿って萌えるんだよ。」
「髪フェチめ。いいからとっとと準備して。」
へいへい、俺はまな板と包丁を水洗いしてタマネギを並べた。
その数二十個。
千草は大きな鍋を準備してから俺の隣に並んでいった。
「うひゃあ…壮観だ。」
「まぁ、普通こんなにはタマネギ使わないしな。…ま、ノルマは一人十個だ。やるぞ。」
「はいよ。」
コッと軽く拳をぶつけ合ってタマネギをきざみ始めた。
ザクザクザク…
ザクザクザク…
薄くスライスしはじめて数分で眼にしみてきた。
涙でタマネギが見えません!
「く~~やっぱりしみるな~。」
「私みたいにゴーグル着けたらいいのに。」
「おま…いつのまに…」
何とかタマネギを全部きざみ終えてバターと一緒に大鍋に入れて焦がさないように混ぜながら中火で炒め始める。
「これ続ければいいんだっけ?」
俺は包丁なんかをジャブジャブと洗いながらいった。
「あぁ、タマネギから水分がでてしんなりしてきたら強火にして一気に水分を飛ばしてくれ。んで、全体が薄いきつね色になったら弱火な。丁寧に混ぜながら六時間炒めたら完成だ…一時間交代でいこう。」
「オッケ。」
一時間毎に、俺は千草と交代してタマネギを炒め続けた。
腰と肩が痛くなってきた頃にやっと炒め終り鍋いっぱいにあったタマネギはこんがりとミソみたいな塊になっている。
「ん~~はー…十一時だよ。私はもう今日はここで泊まってくわ。」
「そうか、じゃ俺は帰るからまた明日な。」
「うん。ありがと、お疲れさま。」
エプロンを適当に畳んで俺は男爵を出た。
外は真っ暗で風も冷たくなっていたがずっと鍋をかき回してた俺にはちょうどいい温度だった。
さぁて…明日はスープ作りだ。