繋がる昔×伝わる今
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家を出て歩くこと約十五分。
人の居ない児童公園を通り越して目的地である喫茶店の男爵が見えてきた。
チラッと店内を覗いて見たが客の姿が見えない。
常に常連客が数人はいるのに珍しい。
出入り口の格子ガラス戸には『本日臨時休業』のプレートが掛かっている。
これまた珍しい…。
俺がいうのもアレだけど、ここのマスターである轟のじいさんは商売というよりは道楽で店をやっている。
よっぽどの事でも無い限り店を休むなんてしない。
ほんとに何かあったのかと俺はモダンな造りの木戸を押したカランカランとベルの音がする。
「ちぃっす。友情に厚い小鳥遊悠さんが来ましたよ~」
仁王立ちしている轟さんの孫娘の千草がいった。
「暇人の間違いでしょ。」
人を呼びつけといてこの態度だからな…。
俺は肩をあげていった。
「それで、暇人に何のようだよ。っか、トドロキさんは?」
「まぁ、珈琲でも飲みながら話すからそこに掛けてて。」
俺はうなずいてボックスシートに滑り込んだ。
少しすると珈琲のいい香りがしてきた。
キッチンの方を見るとテキパキと作業をしてるチグサ。
ショートカットで毛先にだけウェーブのかかった髪がよくにあっていた。
「お待たせ。ブラックで良いわよね。」
チグサは俺の前に入れたてのブラック珈琲を置いて向かいの席に滑り込んだ。
できればブランデーを着けて欲しかったけど、純粋に珈琲の味を楽しむのも悪くないか。
「それで?」
「うん。あのね、うちのお母さんとおとうさんの事なんだけど覚えてる?」
俺は珈琲をすすってしみじみといった。
「なつかしいな。昔はよく世話になってたし…。」
「死んだみたいにいわないでよ。」
「わりぃ、わりぃ、懐かしんだだけだ。それで長谷部夫妻がどした?」
「うん。あの二人ね…結婚するんだって」
俺はチグサの言ってる意味がわからなかった。
結婚するって知る限りではたしか長谷部夫妻が一緒になったのはうちの親と同じくらいだったはず。
つまりは二十年以上は夫婦の中だ。
「あ、ごめん。結婚するって言うのは結婚式をあげるって意味ね。」
「あぁ…って、今更なんで結婚式?」
チグサは呆れたようにいった。
「あの二人婚約はしてるけど結婚式は挙げれて無かったらしいの。それでジューンブライドに改めてあげるっていいだしたのよ。お爺ちゃんは喜んじゃってお店に休んで向こうにいっちゃうし。」
いい年なのにねっと言うチグサの顔は何処か嬉しそうだ。
けど俺はまだ要点を掴めていない。
「それは、めでたい話だけど…俺は何で呼ばれた?」
「うん。あのね…私も二人が結婚式を挙げるのは正直嬉しいの。だから何か心のこもったお祝い…プレゼントをしたいと思ってるのよ」
チグサらしい真っ直ぐに素直な意思表示だ。
だけど、頭の悪い俺はチグサが何を望んでいるのかがまだわからない。
人の居ない児童公園を通り越して目的地である喫茶店の男爵が見えてきた。
チラッと店内を覗いて見たが客の姿が見えない。
常に常連客が数人はいるのに珍しい。
出入り口の格子ガラス戸には『本日臨時休業』のプレートが掛かっている。
これまた珍しい…。
俺がいうのもアレだけど、ここのマスターである轟のじいさんは商売というよりは道楽で店をやっている。
よっぽどの事でも無い限り店を休むなんてしない。
ほんとに何かあったのかと俺はモダンな造りの木戸を押したカランカランとベルの音がする。
「ちぃっす。友情に厚い小鳥遊悠さんが来ましたよ~」
仁王立ちしている轟さんの孫娘の千草がいった。
「暇人の間違いでしょ。」
人を呼びつけといてこの態度だからな…。
俺は肩をあげていった。
「それで、暇人に何のようだよ。っか、トドロキさんは?」
「まぁ、珈琲でも飲みながら話すからそこに掛けてて。」
俺はうなずいてボックスシートに滑り込んだ。
少しすると珈琲のいい香りがしてきた。
キッチンの方を見るとテキパキと作業をしてるチグサ。
ショートカットで毛先にだけウェーブのかかった髪がよくにあっていた。
「お待たせ。ブラックで良いわよね。」
チグサは俺の前に入れたてのブラック珈琲を置いて向かいの席に滑り込んだ。
できればブランデーを着けて欲しかったけど、純粋に珈琲の味を楽しむのも悪くないか。
「それで?」
「うん。あのね、うちのお母さんとおとうさんの事なんだけど覚えてる?」
俺は珈琲をすすってしみじみといった。
「なつかしいな。昔はよく世話になってたし…。」
「死んだみたいにいわないでよ。」
「わりぃ、わりぃ、懐かしんだだけだ。それで長谷部夫妻がどした?」
「うん。あの二人ね…結婚するんだって」
俺はチグサの言ってる意味がわからなかった。
結婚するって知る限りではたしか長谷部夫妻が一緒になったのはうちの親と同じくらいだったはず。
つまりは二十年以上は夫婦の中だ。
「あ、ごめん。結婚するって言うのは結婚式をあげるって意味ね。」
「あぁ…って、今更なんで結婚式?」
チグサは呆れたようにいった。
「あの二人婚約はしてるけど結婚式は挙げれて無かったらしいの。それでジューンブライドに改めてあげるっていいだしたのよ。お爺ちゃんは喜んじゃってお店に休んで向こうにいっちゃうし。」
いい年なのにねっと言うチグサの顔は何処か嬉しそうだ。
けど俺はまだ要点を掴めていない。
「それは、めでたい話だけど…俺は何で呼ばれた?」
「うん。あのね…私も二人が結婚式を挙げるのは正直嬉しいの。だから何か心のこもったお祝い…プレゼントをしたいと思ってるのよ」
チグサらしい真っ直ぐに素直な意思表示だ。
だけど、頭の悪い俺はチグサが何を望んでいるのかがまだわからない。