日々日和
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ー自然公園(遊歩道)ー
西口公園のようにベンチや噴水のようなオブジェクトは無く。
立ち木や花の花壇で囲われた公園だった。
舗装じゃなくて、石を詰めたモダンアートな造りの遊歩道を私は悠と歩いた。
「わりといい感じだな。」
「うん。立ち木が陰をつくってて昼間でも涼しいね。」
風が吹くとサァァッと葉と葉が擦れあって、さざなみみたいな音を奏でてる。
「だな。この公園は当たりかもしれないな。」
私がいった。
「なにが当たりなの?」
「ここなら日中昼寝できる。」
「…それ、別に家でもできるじゃん。」
悠は困ったような顔をして、左右に振った。
「家で寝てるといつ本が降ってくるかわかったもんじゃ無いからな。最近暑さがまして、マオウのイライラも二割ましなんだよ。この前なんか昼飯に起きていかなかっただけで顔面に六法全書落とされたし。しかも角だぞ、角。人中に突き当たって死ぬかと思ったし…」
どれだけ殺伐とした家庭なのかしら…
「それもう、ドメスティックバイオレンスで訴えられるレベルよ」
「はは、まぁ…家のこと任せてるし。起きなかった俺も悪いからな」
お優しい事。
子供に甘いってのもきっとあるんだろうけど…なんだか羨ましい。
「悠は優しいよね。普通そんなことされたら怒るだけじゃすまないのに。」
「持ちつ、持たれつってな家族だし些細な事でいちいち喧嘩してたら身が持たないんだよ。」
いや…顔に辞書を落とされるのは些細な事じゃ済まないと思うけど…。
話ながら歩いてるとサルビアが咲き並んでる道に入った。
真っ赤な絨毯みたい。
サルビアの名前はラテン語のサルビスからきていて、確か花言葉は燃ゆる思いと家族愛。
「すご…ここいら一帯緋衣草ばっかりだな。」
緋衣草はサルビアの別名。
他にもセージって呼ぶこともあるのよ。
ただ薬用に使われるセージはサルビアの一種の薬草だけだで、あとは全部鑑賞用。
「あ、悠はサルビアのこと、ひごろもそうって言うんだね。」
「おっさんだからな。」
「いや、それは関係ないでしょ。じゃあ、なんでヒゴロモソウって呼ばれるかしってる?」
悠は立ち止まっていった。
「花びらだけじゃなく、がくも庖も全部赤一色で緋色の衣を纏ったように見えるからだろ。たしか花言葉の燃ゆる思いってのも情熱的なこの花いろからきたもんだったよな。」
正解。
ほかにも、少女たちに未来の夫を見させる力があると言う、ロマンチックな言い伝えもある。
「さすがだね。」
私は悠の隣に並んで肩に頭を預けた。
嫌がられるかもと思ったけど……なにも言わずにサルビアの花を見つめていた。
西口公園のようにベンチや噴水のようなオブジェクトは無く。
立ち木や花の花壇で囲われた公園だった。
舗装じゃなくて、石を詰めたモダンアートな造りの遊歩道を私は悠と歩いた。
「わりといい感じだな。」
「うん。立ち木が陰をつくってて昼間でも涼しいね。」
風が吹くとサァァッと葉と葉が擦れあって、さざなみみたいな音を奏でてる。
「だな。この公園は当たりかもしれないな。」
私がいった。
「なにが当たりなの?」
「ここなら日中昼寝できる。」
「…それ、別に家でもできるじゃん。」
悠は困ったような顔をして、左右に振った。
「家で寝てるといつ本が降ってくるかわかったもんじゃ無いからな。最近暑さがまして、マオウのイライラも二割ましなんだよ。この前なんか昼飯に起きていかなかっただけで顔面に六法全書落とされたし。しかも角だぞ、角。人中に突き当たって死ぬかと思ったし…」
どれだけ殺伐とした家庭なのかしら…
「それもう、ドメスティックバイオレンスで訴えられるレベルよ」
「はは、まぁ…家のこと任せてるし。起きなかった俺も悪いからな」
お優しい事。
子供に甘いってのもきっとあるんだろうけど…なんだか羨ましい。
「悠は優しいよね。普通そんなことされたら怒るだけじゃすまないのに。」
「持ちつ、持たれつってな家族だし些細な事でいちいち喧嘩してたら身が持たないんだよ。」
いや…顔に辞書を落とされるのは些細な事じゃ済まないと思うけど…。
話ながら歩いてるとサルビアが咲き並んでる道に入った。
真っ赤な絨毯みたい。
サルビアの名前はラテン語のサルビスからきていて、確か花言葉は燃ゆる思いと家族愛。
「すご…ここいら一帯緋衣草ばっかりだな。」
緋衣草はサルビアの別名。
他にもセージって呼ぶこともあるのよ。
ただ薬用に使われるセージはサルビアの一種の薬草だけだで、あとは全部鑑賞用。
「あ、悠はサルビアのこと、ひごろもそうって言うんだね。」
「おっさんだからな。」
「いや、それは関係ないでしょ。じゃあ、なんでヒゴロモソウって呼ばれるかしってる?」
悠は立ち止まっていった。
「花びらだけじゃなく、がくも庖も全部赤一色で緋色の衣を纏ったように見えるからだろ。たしか花言葉の燃ゆる思いってのも情熱的なこの花いろからきたもんだったよな。」
正解。
ほかにも、少女たちに未来の夫を見させる力があると言う、ロマンチックな言い伝えもある。
「さすがだね。」
私は悠の隣に並んで肩に頭を預けた。
嫌がられるかもと思ったけど……なにも言わずにサルビアの花を見つめていた。