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アナタの好きな猫はどんな猫？









気がつくと目の前に彼…小鳥遊悠がいた。

『あれ、悠？』

彼は普段よりも何処か真剣な表情をしている。
私はドキリッとした。

悠はいった。

『……鈴猫』

『は、はい？』

『鈴猫好きだ。』

『……え、えぇ？！』

こ、告白？いま告白された？！
は訳がわからずにテンパっている私の手を悠は両手でしっかりと握っていった。

『大好きだ！付き合ってくれ！』

『悠…夢みたい…私もだい……』

「いい加減起きなさい！」
「きゃん！？」

オデコに何かが当たって私は飛び起きた。
なにが起こったのかと辺りを見回すと側に母が仁王立ちしていた。

「お、お母さん…あれ、悠は？」

母は可哀想な物でも見るような冷たい目で私を見下ろしていった。

「なに寝惚けてるのよ。夏休みだからってダラダラダラダラしてないで起きな。」

寝惚けて…ってさっきのは夢だったんだ。
私はバフッと毛布を頭までかぶって再び布団に潜り込んだ。

もう一回、いま寝たらもう一回、同じ夢が見れるはずよ！

母はガシリッと毛布を掴んで私から剥ぎ取ろうとした。

「このバカ娘はなに二度寝しようとしてんだい！」

「いやー！あと一時間！お願い夢を見させて！」

「ワケわかんない事言ってないで起きな！」

結局、暴虐な母に屈して私は布団から投げ出されてしまった。
うちのルールは母なのよね…

「ほら、さっさと着替えて店番しなさいよ。まったく下着姿でだらしないったらありゃしない。」

ブッブッと散々文句をいいながら母は私の布団を持って部屋から出ていった。

一人残された私はペタンッと座り込んでため息をついた。

「はぁ……けど、いい夢だったなぁ…」

ニマニマと思いだしているとドアの隙間から母が私を見ながらいった。

「ちょっとアンタ、本当に大丈夫かい？」

「だ、大丈夫よ！」

「いや…寝てるときもひどかったけど…今も大概気持ち悪いわよ。」

今のが本当に母親の言葉かしら…実の娘に気持ち悪いって…DVもいいとこだよ。

「何でもないわよ！はやく閉めて！」

母は暑さでついに頭が…とかブツブツと独り言を言いながら今度こそ本当に出ていった。

朝からドッと疲れてしまった。

「あーぁ…もぅ。」

私は脱ぎ捨ててあるボトムのホットパンツを穿いて後ろ髪を結わい付けて部屋を出た。

うちの店はリッカちゃんの家と作りが似ていて二階が私と母の部屋で一階が店とリビングが繋がったような感じになっている。

仕事は普通に花を売ることだけど、フラワーアレンジやちょっとした茶葉なんかも売ってたりする。