「そんな時代もあったんじゃよ。」

「今でも忘れられん話じゃ。」

じいさん達はフッーとため息を吐く。
ユウヒがいった。

「この里芋もジャガイモもお米も豊かになったおかげなんだね。このおいしさ大切にしていかないといけないね。」

アレだけ騒がしかった店内は水を打ったようにシンッとなった。

ユウヒはなにかまずいことをいったかなとキョロキョロする。

たが、すぐにパチパチと拍手が起こり始めた。

「そうじゃ、ユウヒちゃんのいうとおりじゃ。」

「わしらは大将やユウヒちゃんのような若者がいることを嬉しく思うぞい。」

ユウヒは少し顔を赤らめている。
おれはソッと肩を抱いていった。

「当たり前だろ。おれの嫁だぞ。」

「もぅ、悠…恥ずかしいよ…///」

「気にするなおれは全然気にしない。」

「それ、無茶苦茶だよ。」

「嫌か？」

「ううん。全然いやじゃないよ。」

おれは正直いえば戦時中とか戦後とかのことは解らない。

確かにさ、今は食料自給率とか言われているけど、ただ今あるもんで美味いものを作ることができたら満足だ。

だって、店に来てくれて美味いっていってくれたり、こんなおれに着いてきてくれる嫁さんだって居るんだからな。

まあ、今でもトラブルに巻き込まれることはあるけどな…。
もし、アンタもうちの店に来たら好きなもんを頼んでみてくれ。

最高の一品をご馳走するぜ。






END