魔法使い(ともき)
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「いい湯だな~」
悠は両手を真上に伸ばして叫ぶ。
「そうやってると誰だか解んないな。」
悠は湯船につけないように後ろ髪を全部上にあげている。
「似合うか?」
「まぁまぁかな。切らないのか?」
「切ったらそれこそ誰が解らなくなるだろ。」
「はは。悠みたいなのが解らないわけないだろ。うわっ!」
俺が笑うと悠はお湯をビューッと飛ばして顔にかけてきた。
どうやったか知らないが器用なヤツだ。
「まぁ、けど、頭を洗うのは面倒なんだよな。」
悠は湯船から出てシャワーの前に座ってまとめてあった髪を解いた。
肩甲骨の辺りまで黒髪がハラリと広がる。
後ろ姿だけなら女だな。
「ともき。」
「うん、なんだ?」
「洗うから手伝え。」
「何様だよ…」
俺はしぶしぶ湯船から上がって腰にタオルを巻いて悠の後ろに座った。
「で、なにすればいい?」
「俺は前側を洗うから、後ろを洗ってくれ。出来るだけ全体にシャンプーを伸ばしてな。」
いちいち注文の多いヤツだ。
俺はハイハイと返事をして悠からシャンプーを受け取った。
向日葵の花が描かれた見たことのない容器。
「これも梔さんの手作りか?」
ワシャワシャと泡をたてながら悠はいった。
「おう。そうだ。花油から作られてる。まだ一杯あるから持って帰れよ。」
「それはありがと。もらってくよ。」
俺も悠の頭を洗い始めたキメの細かい絹糸みたいな髪だ。
すぐに泡だが盛り上がる。
「夕食も食ってくよな、今日は唐揚げだぞ。」
俺はいった。
「どうしょうかな…。」
「食べてくんだよ。」
悠は強引に決定してきた。
「なんだよ急に?」
「遠慮」
「え?」
「遠慮するなよ。迷惑とかないんだからさ。別に俺は哀れみとかでお前とつるんでるんじゃないんだぞ。一緒に飯を食いたい、遊びたいからいるんだからな。」
「…ホントに…なんだよ。」
「別にぃ。ただ、つかさも同じ気持ちだったんじゃないかな~って。ま、俺よりも気持ちは強いだろうけど。」
悠はケタケタと笑った。
「うるさいよ。バカ。ボディーソープで頭洗うぞ」
「ちょ、止めろよ。キシキシになるだろ。」
ったく、今が…頭を洗ってる時で良かった。
でないと顔が真っ赤になってるのがバレるしな……
こんな顔見られたらなに言われるかわかったもんじゃない。
「……なぁ、悠」
「おう?」
「…ありがとうな。」
「別に~礼言われる事なんかしてないし~」
まったく…コイツは…
なにもしてなくても…お前の言葉は魔法なんだよ。
まっすぐで正直に踏み込んでくる…
「悠」
「あ?」
「次、俺の背中洗え。」
「はは、いいぜ。」
END
悠は両手を真上に伸ばして叫ぶ。
「そうやってると誰だか解んないな。」
悠は湯船につけないように後ろ髪を全部上にあげている。
「似合うか?」
「まぁまぁかな。切らないのか?」
「切ったらそれこそ誰が解らなくなるだろ。」
「はは。悠みたいなのが解らないわけないだろ。うわっ!」
俺が笑うと悠はお湯をビューッと飛ばして顔にかけてきた。
どうやったか知らないが器用なヤツだ。
「まぁ、けど、頭を洗うのは面倒なんだよな。」
悠は湯船から出てシャワーの前に座ってまとめてあった髪を解いた。
肩甲骨の辺りまで黒髪がハラリと広がる。
後ろ姿だけなら女だな。
「ともき。」
「うん、なんだ?」
「洗うから手伝え。」
「何様だよ…」
俺はしぶしぶ湯船から上がって腰にタオルを巻いて悠の後ろに座った。
「で、なにすればいい?」
「俺は前側を洗うから、後ろを洗ってくれ。出来るだけ全体にシャンプーを伸ばしてな。」
いちいち注文の多いヤツだ。
俺はハイハイと返事をして悠からシャンプーを受け取った。
向日葵の花が描かれた見たことのない容器。
「これも梔さんの手作りか?」
ワシャワシャと泡をたてながら悠はいった。
「おう。そうだ。花油から作られてる。まだ一杯あるから持って帰れよ。」
「それはありがと。もらってくよ。」
俺も悠の頭を洗い始めたキメの細かい絹糸みたいな髪だ。
すぐに泡だが盛り上がる。
「夕食も食ってくよな、今日は唐揚げだぞ。」
俺はいった。
「どうしょうかな…。」
「食べてくんだよ。」
悠は強引に決定してきた。
「なんだよ急に?」
「遠慮」
「え?」
「遠慮するなよ。迷惑とかないんだからさ。別に俺は哀れみとかでお前とつるんでるんじゃないんだぞ。一緒に飯を食いたい、遊びたいからいるんだからな。」
「…ホントに…なんだよ。」
「別にぃ。ただ、つかさも同じ気持ちだったんじゃないかな~って。ま、俺よりも気持ちは強いだろうけど。」
悠はケタケタと笑った。
「うるさいよ。バカ。ボディーソープで頭洗うぞ」
「ちょ、止めろよ。キシキシになるだろ。」
ったく、今が…頭を洗ってる時で良かった。
でないと顔が真っ赤になってるのがバレるしな……
こんな顔見られたらなに言われるかわかったもんじゃない。
「……なぁ、悠」
「おう?」
「…ありがとうな。」
「別に~礼言われる事なんかしてないし~」
まったく…コイツは…
なにもしてなくても…お前の言葉は魔法なんだよ。
まっすぐで正直に踏み込んでくる…
「悠」
「あ?」
「次、俺の背中洗え。」
「はは、いいぜ。」
END