英雄休息日
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何もかもが終わった夏。
放火も嫌がらせもドラッグも本当に何もかもが終わって残ったのはいつまでもしつこい熱気とアスファルトの照り返しだけだ。
俺は残りわずかな夏に時間だけを持て余していた。
「はぁ~…」
ため息を吐く俺の頭にチョップが落ちる。
視線だけをあげると、光を反射する銀のプリーツスカートにタンクトップを着た宗方六花がいった。
「店先で辛気くさい顔しないでよー。暇ならそこのパイナップルをカットして串に刺して並べる!」
俺は再びため息を吐き出していった。
「バイト代も出ないのになんで働かされないといけないんだ?」
リッカは腕を組んで俺にいった。
胸が持ち上がりなかなかいい眺めだ。
「うちの店で座ってるイコ~~ル強制バイトなの。」
んな、無茶苦茶な。
俺は言った。
「一応客なんだけど?」
「じゃあ、なに買うの?」
俺は店内のフルーツを見回して、萃香…もとい、西瓜を指差した。
「あれがいいな。一番デカイの。」
今思い出したら今年の夏まだスイカを食べていなかった。
リッカはヒョイッとスイカを片手で軽々と抱えた。
俺の前に差し出して笑顔でいった。
「五千円になります♪」
「待て、コラ。さっき三千五百円で売ってただろ。」
「あれー?そうだったかなー?」
わっざとらしい棒読み。
俺はスイカを奪うように掴んで聞いた。
「ちゃんとした売値は?」
「二千五百円。」
「おま、一般客にもぼってるのか?!」
リッカは元気よく腕を伸ばしてVサインをする。
「ちゃんとお客を見てやってるよ。オッサンやリーマンは千円増し。可愛い女の子や友人は五百円引き。」
「まて、俺は増えてるじゃしかも倍に。」
「ほら、悠くん、お金もちだし。」
「ねぇし!金の管理は真桜に預かられてるからギリッギリだし!」
俺の抗議を無視して、リッカはザルに積んであるリンゴを磨き始める。
もちろんさっきのスイカは元に戻して。
俺は座っていたコンテナから立ち上がった。
「あーあ、無視だよ。」
「え、帰るの?」
「邪魔なんだろ。」
「えー…邪魔じゃないから居なよー。」
リッカは急に俺を引き留め始める。
え、もしかして…ツンデレですか?
俺はいった。
「何だよ。邪険にしたわりに帰ったて欲しくないって。」
「だって…」
ジジジと蝉の鳴き声が急に煩くなった気がした。
リッカは俺から視線を外してしばらくもじもじと身体を揺らしたりしてからいった。
「だって…悠君が帰ったら……超暇になるじゃん。お母さん居ないし、このくそ暑い真昼にお客なんかほとんど来ないし。せめて、自由時間を削られる可哀想なあたしの話し相手になりなよー。」
「……」
少しでも…ほんの少しでも淡いトキメキに期待した数秒まえの自分をブチ殺してぇ。
っか、すげぇいい笑顔してるリッカを二三発コツキてぇ…
放火も嫌がらせもドラッグも本当に何もかもが終わって残ったのはいつまでもしつこい熱気とアスファルトの照り返しだけだ。
俺は残りわずかな夏に時間だけを持て余していた。
「はぁ~…」
ため息を吐く俺の頭にチョップが落ちる。
視線だけをあげると、光を反射する銀のプリーツスカートにタンクトップを着た宗方六花がいった。
「店先で辛気くさい顔しないでよー。暇ならそこのパイナップルをカットして串に刺して並べる!」
俺は再びため息を吐き出していった。
「バイト代も出ないのになんで働かされないといけないんだ?」
リッカは腕を組んで俺にいった。
胸が持ち上がりなかなかいい眺めだ。
「うちの店で座ってるイコ~~ル強制バイトなの。」
んな、無茶苦茶な。
俺は言った。
「一応客なんだけど?」
「じゃあ、なに買うの?」
俺は店内のフルーツを見回して、萃香…もとい、西瓜を指差した。
「あれがいいな。一番デカイの。」
今思い出したら今年の夏まだスイカを食べていなかった。
リッカはヒョイッとスイカを片手で軽々と抱えた。
俺の前に差し出して笑顔でいった。
「五千円になります♪」
「待て、コラ。さっき三千五百円で売ってただろ。」
「あれー?そうだったかなー?」
わっざとらしい棒読み。
俺はスイカを奪うように掴んで聞いた。
「ちゃんとした売値は?」
「二千五百円。」
「おま、一般客にもぼってるのか?!」
リッカは元気よく腕を伸ばしてVサインをする。
「ちゃんとお客を見てやってるよ。オッサンやリーマンは千円増し。可愛い女の子や友人は五百円引き。」
「まて、俺は増えてるじゃしかも倍に。」
「ほら、悠くん、お金もちだし。」
「ねぇし!金の管理は真桜に預かられてるからギリッギリだし!」
俺の抗議を無視して、リッカはザルに積んであるリンゴを磨き始める。
もちろんさっきのスイカは元に戻して。
俺は座っていたコンテナから立ち上がった。
「あーあ、無視だよ。」
「え、帰るの?」
「邪魔なんだろ。」
「えー…邪魔じゃないから居なよー。」
リッカは急に俺を引き留め始める。
え、もしかして…ツンデレですか?
俺はいった。
「何だよ。邪険にしたわりに帰ったて欲しくないって。」
「だって…」
ジジジと蝉の鳴き声が急に煩くなった気がした。
リッカは俺から視線を外してしばらくもじもじと身体を揺らしたりしてからいった。
「だって…悠君が帰ったら……超暇になるじゃん。お母さん居ないし、このくそ暑い真昼にお客なんかほとんど来ないし。せめて、自由時間を削られる可哀想なあたしの話し相手になりなよー。」
「……」
少しでも…ほんの少しでも淡いトキメキに期待した数秒まえの自分をブチ殺してぇ。
っか、すげぇいい笑顔してるリッカを二三発コツキてぇ…