ちいさなはる
夢小説設定
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車を走らせること数十分。俺はどうするか悩んでいた。
一口に花見といったものの実はプランや場所なんか考えてなかった。
桜があって適当に公園てきな自由に出入りできるところでもいいのだが……
どうせ出てきたなら多少遠くてもいい感じに桜があるような場所に行きたい。
俺は隣に座っているヒスイを見た。
「……ヒスイ」
窓を開けて、外を眺めていたヒスイが振り向いて呟いた。
入ってくる風に猫耳みたいなくせ毛がハタハタと揺れている。
「…なに?…」
「山とか登った経験あるか。」
ヒスイは左右に小さく首を振った。
なんだか小動物が身震いしてるみたいだ。
「そうか。なら、少し登ってみないか。」
今度はたてに頭を振った。
「…のぼりたい…」
「おっけーね。」
俺はハンドルをきって高速のインターに向かった。
行き先はランダムだけどな。
それから数時間後…
日もだんだんと落ちてきて薄暗くなり、風がひやりとなってきた。
俺はハンドルを握ったままいった。
「ヒスイ」
「…なに…」
「ごめん。迷った。」
「………うん…」
適当に山道に入ったのが失敗だった。
知らぬ道を上がっては蛇行しているうちに何処かいい場所が見つかると考えていた。
すると、いつの間にか山中に迷い込んでいた。
もう、問題は桜があるかどうかじゃなくて今日中に帰れるかどうかという事になってしまってることだ。
携帯で辺りを調べようとも見事に圏外。
なんとか山を降りた頃には辺りは真っ暗だった。
心身共に運転疲れしていた俺は自宅に帰るのは諦めて宿を借りることにした。
和風旅館のような所で、俺は翡翠と兄妹っていう設定で受付に説明して部屋に案内してもらった。
少し休んで、携帯で真桜や海たちに事情を説明した。もちろん、さんざん怒られた。
小学生に本気の説教を受けるとは情けない。
電話を終えて俺はため息を吐いた。
「はぁ…なにやってんだか。」
「…ゆう?…」
「ごめんな。花見とかいって連れ出しといて…挙げ句にこれだ。」
チョコンとサブトンに正座しているヒスイは困った顔で俺を見上げる。
「…なんであやまる?…」
「いや…結局花見出来なかったし、一泊するようになっちゃただろ?」
ヒスイは少しだけ声の音量をあげていった。
「…いやじゃない…」
何か気が抜けてしまった。俺はヒスイの横に座っていった。
「…そか。ありがと。」
「…うん…」
「ま、埋め合わせっか何かしてほしいことあったら言ってくれな。」
「…ほんと?…」
ポンッと軽くヒスイの頭に手を置いて俺はいった。
「朝から買い物でも、ゲーセンでも連れてくよ。もちろん、俺の奢りでな。」
ヒスイはなにも言わないまま俺の顔を凝視する。
「………」
なにか気にさわることを言ってしまったのか逆に俺の方が不安になってしまった。
一口に花見といったものの実はプランや場所なんか考えてなかった。
桜があって適当に公園てきな自由に出入りできるところでもいいのだが……
どうせ出てきたなら多少遠くてもいい感じに桜があるような場所に行きたい。
俺は隣に座っているヒスイを見た。
「……ヒスイ」
窓を開けて、外を眺めていたヒスイが振り向いて呟いた。
入ってくる風に猫耳みたいなくせ毛がハタハタと揺れている。
「…なに?…」
「山とか登った経験あるか。」
ヒスイは左右に小さく首を振った。
なんだか小動物が身震いしてるみたいだ。
「そうか。なら、少し登ってみないか。」
今度はたてに頭を振った。
「…のぼりたい…」
「おっけーね。」
俺はハンドルをきって高速のインターに向かった。
行き先はランダムだけどな。
それから数時間後…
日もだんだんと落ちてきて薄暗くなり、風がひやりとなってきた。
俺はハンドルを握ったままいった。
「ヒスイ」
「…なに…」
「ごめん。迷った。」
「………うん…」
適当に山道に入ったのが失敗だった。
知らぬ道を上がっては蛇行しているうちに何処かいい場所が見つかると考えていた。
すると、いつの間にか山中に迷い込んでいた。
もう、問題は桜があるかどうかじゃなくて今日中に帰れるかどうかという事になってしまってることだ。
携帯で辺りを調べようとも見事に圏外。
なんとか山を降りた頃には辺りは真っ暗だった。
心身共に運転疲れしていた俺は自宅に帰るのは諦めて宿を借りることにした。
和風旅館のような所で、俺は翡翠と兄妹っていう設定で受付に説明して部屋に案内してもらった。
少し休んで、携帯で真桜や海たちに事情を説明した。もちろん、さんざん怒られた。
小学生に本気の説教を受けるとは情けない。
電話を終えて俺はため息を吐いた。
「はぁ…なにやってんだか。」
「…ゆう?…」
「ごめんな。花見とかいって連れ出しといて…挙げ句にこれだ。」
チョコンとサブトンに正座しているヒスイは困った顔で俺を見上げる。
「…なんであやまる?…」
「いや…結局花見出来なかったし、一泊するようになっちゃただろ?」
ヒスイは少しだけ声の音量をあげていった。
「…いやじゃない…」
何か気が抜けてしまった。俺はヒスイの横に座っていった。
「…そか。ありがと。」
「…うん…」
「ま、埋め合わせっか何かしてほしいことあったら言ってくれな。」
「…ほんと?…」
ポンッと軽くヒスイの頭に手を置いて俺はいった。
「朝から買い物でも、ゲーセンでも連れてくよ。もちろん、俺の奢りでな。」
ヒスイはなにも言わないまま俺の顔を凝視する。
「………」
なにか気にさわることを言ってしまったのか逆に俺の方が不安になってしまった。