「悠」

「あん？」

ソファーに掛けようとしたら真桜がパソコンから目を話さずに呼び止める。

「暇なら…車庫の掃除して欲しい…なの」

「車庫の？」

「自転車やら工具…何やらで…ごちゃごちゃしてて…困ってた…なの」

「あ～…」

うちの車庫二階建てで倉庫も兼用している。

爺の私物(がらくた)何かも置いてありらかなりごちゃごちゃしている。

「けど、なんでまた？」

「…この前、箒を取りに行ったら…ペンキ缶が落ちてきた…なの」

「よく平気だったな…」

「真桜じゃ…無かったら大惨事…だった…なの」

チクリ…
淡白な真桜の声が突き刺さる…

「うむむ…確かにいつかは整理しないといけないとは思ってたしな…」

何しろ、最近は色んな奴が家に出入りする。

その中には子供もいるし、真桜の言うとおり、ペンキ缶の直撃なんて万一の事を考えればやるべきか……

「わかった、この際だしやるよ。」

俺は小説を机に置いて作業着に着替えに行…

「……って、お前は？」

「真桜は…暇じゃない…なの」

パソコンを指差す真桜…
「……」

うん、いいよ…
何か読めてたし…

俺は改めて作業着に着替えに行った。

………



ｰ車庫兼倉庫ｰ

整理を始めて一時間、一階の車庫まわりはすぐに片付いたが…

二階は一階より薄暗く、ホコリっぽい上…

「…こりゃ思った以上に面倒かも……」

アホみたいにデカイ達磨…
ぶら下がり健康機…
人体模型…、餅つき機…
中身の判った物じゃない箱…

訳のわからない物が所狭しと積まれている。


「……こりゃ廃品回収レベルの量だな…」

今日、明日で済む内容じゃないと確定したので…

「何か面白い物ねぇかな～」
↑本の整理を始めると読み出すタイプ