ｰ広間ｰ

ご飯に味噌汁、キュウリの漬物、卵焼き、焼き魚。

朝食には100点の献立を乗せたテーブルを囲い。


「…ﾑｸﾞﾑｸﾞ…」

「翡翠…美味しいか…なの？」

「…ｺｸ…」

「そうか…よかったなの」
小動物の様だが、モクモクと食べる翡翠に真桜は満足したように頷く。


「………」

俺は鼻に詰めたティシュを新しいのと入れ替えつつ見ている。

「で…お前は…いつまで不機嫌な面してる…なの」

「…朝から顔面に広辞苑落とされて機嫌の良い奴が居るなら連れてこい、小一時間ぐらい心の広さについて質問し続けるから…」

「意味の解らない事…言うな…なの。」

真桜は二三度、首を振り味噌汁を啜る。

「テメェ…」

「ふぅ……パンツ一枚の男がベッドの上で幼子を抱き締めてて………広辞苑だけで済んだから有難いと思え…なの」

「ぐっ……」

「パジャマくらい着ろ…なの」


「お、お前だって人の事言えないだろ！」
↑(悠)基本的に寝るときはパンツのみ派

「……」
↑(真桜)基本的に寝るときは全裸派

「「……」」

睨み会う俺と真桜…

「…ごじゅっぽひゃっぽ…」

鶴の一声ならぬ、翡翠の一声だった…

………

とりあえず、朝食を終え。

俺はソファーで背伸びをしながら欠伸をした。

「ふぁ～ぁ…眠てぇ……」

結局あまり寝ていない上、腹も膨れて眠気最高潮。

「……寝よう。」

「寝るなー…なの！」

「がふっ？！」
コオォン！

台所からスプーンが飛んできて額にクリティカルヒット…

「な、何を…」

ヒリヒリ、ジンジンと痛む額を押さえ、台所の方を見る。

「ダラダラするな……暇なら…翡翠と出掛けて来い…なの」

使って無いのに銀製のフォークを磨きながら呟く真桜。

「そ、そうします…」

フォークが突き刺さる前に俺は翡翠を連れて出かける事にした。