‐廊下‐

「へ～ほ～…」

廊下を歩きながら悠はキョロキョロと落ち着きなく辺りを見回す

「さっきから何してる?正直怪しいぞ…」

「小学校って何か全体的に小さいなぁって…」

「はっ?」

「いやぁ、俺小学校って行ってないから珍しくて……あっ。」

悠はしまった…といった顔をする。

「悠…」

「だぁっ…んな顔すんなよ。」

昔の話だし、別に行きたかった訳じゃないっと言って悠はにひひと笑う。

「………小学校行かなかったから人格形成に問題が出たんだな…」

亮は少し考えて笑いながら呟く。

「このやろー本当の事いうなよなー」

悠も下手な事を言われるより、こういう風に返してくれる友人に安心する。

「はは、それよりこの教室だぞ。」

「ん?」

6年Ａ組と書かれたプレートが下がった教室で、中では既に授業が始まっている様子だ。

「中入れそうか?」

「結構いっぱいだけど…娘の晴れ姿をみたいから入る。」

は目をキランっと輝かせる

「……いつから親になったんだか…」

亮はやれやれと首を振る。

‐教室内‐

「(えーと…翡翠は…)」

ピョコンと立った猫耳の様な髪が良く目立ち一発で見つかる。

「(お!いたいた。)」

翡翠は一生懸命、頭をひょこひょこと振り黒板を見てはノートに書き写している。

そのたびに揺れる猫耳の様な髪…

「(亮…亮!)」

がすがす!!
悠の肘鉄が数発突き刺さる。

「(痛!ちょ…な、なんだ?)」

「(翡翠がものすっ……ごくっかわいい、どげんしたら(どうしたら)あんに(あんなに)かわえぇなるんやろ(可愛くなるんだろ)…あんなんみてはったらあらびょりそうっちゃ(あんなの見てたら叫びそうになる))」

「(悠とりあえず日本語で喋ってくれ…)」

「(おっとすまんつい方言が…)」

「(お前一体どこ出身だよ…)」

「(幻想卿…いや、雛見沢…)」

「(もういい…)」

何処まで本気なのか分からない悠に亮はあきれてしまう。