数日後…

海が近く…

市場が盛んな街…

ここは――イタリア(ナポリ)


ｰPIZZERIA　daMIGHELEｰ

「まさか……海外旅行になるなんてね。」

ズパ！
フォークとナイフでこんがりと焼けたピザを切り分ける悠を見る。

「折角の旅行だしな…さぁ食べようぜ。」

「うん。」

ホクホクと湯気の出るピザを2人は口に運ぶ。

バク…ハクホク…

「……」「あ～…」

「おいしいねっ！」

「だな。」

ピザの本番の味に悠と優日は感動する。

………


「あ～、あんな美味しいピザが食べれるなんてわたしたち本当にナポリにきたんだね」

「はは、今、俺達は間違いなくナポリにいるな。」

「うんうん実感実感だね。」

街道を2人並んで歩き…

「ね、ねっ。私ピザならまだOKなんだけど」

「俺もだ…連続だけどもう一件いくか？」

「さんせー！」

優日は悠の手を握って元気よく高らかに掲げる。


ｰANTICAPIZZERIAｰ

「ここもナポリじゃ有名なピッツェリアらしい。」

「へぇ、楽しみ～」

話ながら店に入ると…

「ブォンジョルノ！」

体格のいいオジサンが出迎えてくれる。

「ナポリクラシック」

悠と優日は開いてる席に掛けながら注文する。

………

少しすると、生地にトロけたモッツァレラチーズとたっぷりのトマトソース。

ソーセージとフリアリエッリの乗った大きめのピザが運ばれて来る。

「わ――っおいしそー！」

「ナポリクラシック、ナポリ庶民がこよなく愛すピザだよ。…このフリアリエッリって野菜を日本じゃ小松菜かほうれん草で代用すれば……ﾌﾞｯﾌﾞｯ…いいかも……窯は無いけど…オーブンで…」

悠は顎にてを置いてﾌﾞｯﾌﾞｯと料理人モードに入る。

「ホラホラ、とりあえず食べよ」

ザクッ！
優日は待ちきれずピザを切り分けていく。

「お？おぉ、そうだな。」

バク…
口に運ぶとチーズがトロ～リとトロけ辛味のついたソーセージとマッチして病みつきになりそうな味わいが広がる。

「あー…もー、ここもおいしいね！」

「…美味いな。」

本当に不思議だ。
人は美味しい物はいくらでも入ってしまう。


「さっきのダ・ミケーレもそうだったけどナポリのピッツェリアって日本のラーメン屋さんみたいにおいしいわね」

「あぁ。飾り気も何もないけどうまいピザをひたすら追及してるみたいだな。」
何気ない会話もとても楽しくなる。