「ふぁ……ｸﾁｭﾝ！」

優日は可愛らしいくしゃみをする。

「拭いたとは言え、体冷えてきたか……」

「悠お風呂貸してあげたら？」

稲葉が提案する。

「そだな…湯は張ってあるから入ってこいよ。」

「良いの？」

「風邪引かす訳にゃいかんしな。」

「じゃ…お言葉に甘えるね。」

そう言いながら立ち上がる優日に…

「あ、そうそう。優日？」
ふいに稲葉が呼び止める

「なに？」

「言おと思ってたんだけどさっきから顔丸見えよ。」

「え……？」

さわさわ…
優日は自分の頭や目元を触る…

「あ、あっ…～～～/////」

沸騰していく様に真っ赤になり…
顔を両手で隠しながら風呂場の方に走っていく…

「…素で気付いて無かったんだ…」

「ｸｽｸｽ、あの表情…ｿﾞｸｿﾞｸするわね…」

あ、ここに悪魔がいますよ。

………



～数十分後～


「お湯…頂きました…」

確りと頭にタオルを巻いて戻って来た優日だが…

さっきのダメージがまだ残っているのか少し元気がない。

「おぅ。温まったか？」

なので、あえて悠は何もない様に話す。

「おかげ様で…あれ、皆は？」

「雨が止んでる内に帰るって帰ったよ。……よし、終わり。」

悠は制服にアイロンをかけていたらしく、綺麗に畳んでいる。

「わざわざ、ありがとうね。」

「このくらい朝飯前の夕飯まえだ。」

意味はわからないが自信満々で親指を立てる。

「雨止んでるなら私も今の内に帰ろかな。」

「なら送ってくよ。もう今日はその服来て行けな。制服は袋に入れとくから」

「いいの？」

「いいの、いいの。」

悠はテキパキと制服を袋に入れて準備をする。