ｰ道場(悠の家)ｰ

「ん、よっ…ほ。え？何？」

悠は逆立ちの状態で床に散らしたトランプをA～Kの順番にドンドンっと手を突いていく。

「だから…一眼二足三胆四力って何だかわかるか？(器用な奴)」

「んっ……よっと。出来た」

「出来た？……！」

床に散らばったカードをただ順番道理に叩いていたのではなく横一列に並べ直していた。

「ふぅ…一眼二足三胆四力ってのは…現代風に訳せば空間把握能力(一眼)フットワーク(二足)重心(三胆)筋力(四力)って事でな。」

悠は金剛の前に立ち。

「翻って言えば深く禅また、人の生き方としての教えに通じてて…」

「…悪いもう少し分かりやすく頼む。」

金剛は苦笑い気味に悠を見る。

「ふむ…じゃ分かりやすくすると…」

ビュバ！
悠はいきなり右足を上げ顔面目掛け狙ってくる。

「っお！」

がっ！
蹴りを右腕で受け、即座に左拳で半減に望む。

「ふっ…」

スッ…
息を吐きながら悠は右足が上がったままにも関わらず柔らかく倒れていく様に避け…

「ほい！」

ドン！ｷﾞｭﾝ、ｽﾊﾟｧｰﾝ！

「ゴフッ！」

両手を地面に突きながら足を払い。
金剛は背中から倒れる。

「よっ…どうだ？」

悠は立ち上がりニッと猫八重歯を見せて笑う。

「痛っ…な、何がどうだ？だ…」

「口で説明してもピンって来ないと思ってな。先ずは実戦で分かりやすくな。」
悠は金剛の前に腰を降ろす。

「つまりだ…」


膂力は鍛え易く努力さえすれば誰でも得られる。けど力は胆力…つまり精神力に左右されたりねじ伏せられやすい。

けど、いかに心身氣力充実した奴でも足…つまりは

間合いの利
地の利
戦術の利

3つを相手に抑えられてはなす術が無く

さらに、それらすべて睥睨(へいげい)し戦のすべてを見切る眼力を得た奴こそが…

最も強い者として勝利を得る…