ゴールデンウィークのある日……

ｰ小雪の部屋ｰ

「小鳥君、私を褒めて欲しいかな！」

「………何？」

俺は読んでいた小説を閉じてとりあえず聞き直した。
「褒めて欲しいかな！」

「おーい、誰が翻訳家か日本語に解読出来る人呼んでくれ。」

「わぶ！」

訳の解らない事を言い出す小学生並の身長に不釣り合いな胸を持つ久瀬小雪の頭を押さえつけながら周りに助けを求める。

「だから～褒めてあげたらいいんだよ」

同じく小学生並の身長で青髪の泉こなたが答える。

「……頼むから解る様に説明してくれ。」

この2人では会話にならないと思い。
室内でも帽子を被った月見里優日に助けを求めるが…

「まぁ、良いから良いから。雪を素直に褒めてあげてみて。」

「……ふむ、小雪を褒める…」

「うんうん♪」

じ～…じ～…
小雪を見て…こなたを見て…

「えーと…あー……ひ…」

「「ひ？」」

「貧乳は希少価値、巨乳は資産価値？」

俺は顎に手を当てて言ってみると目の前に居た小雪は盛大に転ける。

「そ、それは褒めてるのかな！」

「中々上手いことを…」

こなたは感心しているが小雪は何故か両手を挙げて講義してくる。

「いきなり褒めろって言われて褒めれるかよ。っか何なんだ？」

「えと、これこれ。」

優日が雑誌を広げ渡してくる。

「……」

特集、男の子の本音をチェック！

もし、男の子に「褒めて。」と頼んですぐに褒めれる男の子は女心がわかってます。

と書かれている。

「……この場合俺は女心がわかってるのか？」

「全然わかって無いと思うかな！むしろ褒めれても無いしダメダむぎゅ～…」

俺は資産価値の両頬を軽く引っ張る。

「ダメダメで悪かったなぁ～」

「ひょーゆうのかいくないとおほうはなはな！(こう言うのが良くないと思うのかな！かな！)」

小雪は引っ張りかえそうと必死に手を伸ばすがリーチの差が有りすぎてバタバタとして届かない。