ｰまゆの部屋ｰ

まゆの部屋は基本的な家具(机、椅子、本棚、タンス)しか無く殺風景に近い。

そして、その部屋主のまゆは椅子に座っている、

「……」

(「初デート楽しみにしとく。」)

「…デート//…」

軽く言われた一言を思い出し、つい赤面してしまう…

ｺﾝｺﾝ！がちゃ！

「おい、まゆ」

ノックが終わると同時に返事を待たず。
坊主頭の大男坂神羅漢が入ってくる。

「は、はいぃ？！」

「なんだぁ、やけに元気だな？」

「//ｺﾎﾝ！父さん部屋に入るときは返事を待ってからにして下さい。」

「おぉ、すまんすまん。夕食だ。」

「わかりました。すぐ行きます。」

「そうだ、最近学校はどうだ？」

「特に問題事は…」

にゃはは…
一瞬悠の笑い声が脳裏を過った。

「…な、無いですね。」

「そうか、それなら今度弥一の孫を連れてきてくれ。」

「悠をですか？」

「おぅ、また軽く揉んでやりたくてな。」

「……あまり無茶はして欲しく無いのですが。」

「はっはは、あれは弥一の孫、虎の子は虎だ。顔を見合わせたらどっちかが動いちまうもんだ。」

「…(明日は僕が悠を迎えに行こう。)」

父親に悠の事を話すのはまだ大分先になりそうだ。


…………


次の日…


ｰ悠の部屋ｰ

「くぅ…すぅ…」

悠はベッドの上で猫の様に丸くなって眠っている。

「悠…」

「んん…」

「悠…朝だよ。」

「朝…って今日は休みだ……あん？」

自分しか居ないはずなのに誰かに起こされ。
悠は目を開ける。

「おはよう。休みでもだらけるのは良くない。規則正しくは健康の基本だぞ。」
「…まゆ？」

無理やり起こされて悠はベッドの上で胡座をかく…

「ほら、目を覚して。寝癖だらけじゃ無いか…ちゃんと髪を乾かさなかったな。」

まゆは悠の髪をブラシで解いて寝癖を直し始める。

「……夢か？」

「ほら、もう少しで終わるからじっとしろ。」

「……(リアルな夢だな…)」

真正面にある、まゆの顔…夢なら…と自然と首に手を回して手を…

「まゆ…」

「なっ//あ、朝から何をするきだ！/」

ガスッ！ザクッ？

「痛ってぇぇ！！」

頭部に勢いよくブラシがささった…


………