ｰ観覧車ｰ

「凄い…街が全部みえるわよ」

「だな…この観覧車夜に乗るとライトアップ凄いだぞ。」

景色を見る千草の横顔を見て軽く微笑む。

「あれ？亮来たことあるの？」

「月美にせびられて何回か保護者代行としてな。」

「そうなんだ…私も誘ってくれたらいいのに。」

「いや…その…千草とは2人で来たかったからな…」

亮は千草とは反対の景色を見て呟く。

「お！今のドキッと来ちゃった。」

千草は亮の隣に座り、肩に首を預ける。

「千草は良い匂いがするな。」

「何かエッチ…」

「髪も綺麗だしな…」

サラリと千草の前髪を撫でる…

「ありがと…亮…」

「千草…」

2人の距離が無くなっていく…

「…ん？亮待って」

「どうした？」

2人の顔は互いに指先程も無いが千草は隣の覧車を見る。

「もしかして恥ずかしいのか？」

「…悠が居る」

「え？」

………

ｰ隣の覧車ｰ

「お、遂にキスに走ったぞ」

「え！見せて欲しいかな！」

「小学生には速い。」

「誰が小学生かな！」

「ちょっと2人とも狭いのに暴れないで…」

「ねぇ皆…何か千草ちゃんこっち見てない？」

「え？……あーやべぇバレてるな…」

「あら…困ったわね。幸い私たちの覧車が先に降りるから即逃げないとね。」

………

ｰ観覧車ｰ

「あれ、絶対悠だ…彼奴～！」

「他にも居るな。」

「ﾂｲﾝﾃにあの帽子は男の子？あーもぅ、悠が邪魔で解んないけど悠以外は多分知らない人ね！」

「なら…悠には反省して貰わないとな。」

「そうね…しっかりとね。」

せっかくのデートが最後で台無しになったけど…

「(楽しかったしまぁいいか…)」
「(楽しかったしまぁいいわ…)」

亮と千草は互いの顔を見て笑いあった。
互いに考えてる事がわかったから…

END



ちなみにこの後悠達は即逃げ出したが…
後日悠だけに制裁が下されたのは言うまでも無い。