「こんな所で座ってると風邪引くぞ」

「…ですね、少し寒いです。」

「「……」」

そう言うもののみなみは動こうとせず、庭を見る。

「ふぅ…隣座るぞ」

悠は返事を待たずに肩と肩が触れあう距離に座り。

「…あったかい。」

「みなみが冷たくなってんだよ…」

肩に頭を預けるみなみに悠はそっと頬に触れる。

「…悠先輩の手も温かいです。」

「そうか…それより大丈夫か？」

「大丈夫です……」

みなみはもたれている側の悠の腕を抱き更に密着する。

「何だ？別に逃げやしないぞ？」

悠は逆の手でみなみの頭をぽんぽんと撫でる。

「…もうすぐ悠先輩卒業ですね。」

「ん？」

「私…寂しいです…何だか悠先輩が遠くに行ってしまって、今までの事も幻になってしまいそうで……」

みなみは腕に顔を押し当て、更に強く抱き締める。

「成る程…なら…」

パン！
悠は自らの頬を叩き、気合いを入れ。

「何ですか？…急に？」

突然の行動にみなみは驚き顔をあげる。

「ふふ、こう言う時は任せとけ。」

「？」

「安心して眠れる飲み物を作ってやる。ほら立った立った。」

悠はみなみを立たち上がらせ大広間に連れていく。